○委員(土屋準君) 昨日、大谷翔平選手の結婚というニュースが入りまして、突然というか、そんな予兆は全然なかったものですから大変びっくりしたのですけれども、ぜひ幸せな家庭を築いていっていただきたいと思います。
ということで、今日は幸せな家庭を築く家庭内コミュニケーションの啓発についてお伺いしたいと思います。家庭内コミュニケーションというのは私自身もあまりしてこなかったので、反省することは多いのですけれども、私の娘が小学校ぐらいのときに、委員会の視察がありまして、1泊2日で行ってきたのですが、それで旅行バッグを持って帰ってきたら、娘が「あれ、お父さん、どっか行ってきたの」と言うのです。「どっか行ってきたのって昨日一晩いなかったじゃないか」と言ったのですけれども、「あっ、昨日からいなかったの、気がつかなかったよ」と言うので、コミュニケーションを取っていないと忘れられてしまうのだなというのをよく考えさせられてしまいまして、反省したところでございます。
それで質問ですけれども、私も以前の予算特別委員会で取り上げたのですが、神奈川県で、婚姻届提出時などに渡している「幸せな家庭を築く夫婦のコミュニケーション」というような冊子を紹介いたしました。そして、婚姻届提出時などに、このような冊子を作成して配付したりするというのはよいのではないかという提案をさせていただきました。
そうしたところ、今回港区で、このような冊子を作っていただきました。これを見ますと、日々笑顔でよい関係を保つカップルであるために、ということで、例えばカップルとして関係をつくり上げる3つのメンテナンス方法とか、円満なカップルであり続ける5つの秘訣とか、今日からできる4つのカップルとしてのコミュニケーション改善法といったものが紹介されていて、家族関係だけではなくてほかの人間関係にも応用できそうな内容だなと思って感心いたしました。ただ、そもそも相手の選定を間違ってしまったとか、そういう話はまた別の機会にということで置いておいていただければと思いますので、よろしくお願いします。
そういうことで質問は、この冊子は現在どのように活用されているのかお伺いいたします。
○子ども家庭支援センター所長(石原輝章君) この冊子は、結婚したカップルが手に取って、自分も相手も大切にする自己表現のコツを身につけ、夫婦間で生じるストレスを緩和し、2人の生活をより幸せにしていただきたいという思いを込め作成し、現在は入籍手続に来たカップルに、各地区総合支所の窓口でお配りをしております。
また、昨年12月には、おしゃべりタイムという地域の子育て家庭の集いがありまして、この過程を活用して、相手を尊重しながら自分の気持ちを伝える、アサーティブ・コミュニケーションを取り入れたワークショップを行いました。参加者が日頃家庭で実践をしている夫婦円満の秘訣ですとか、家庭内コミュニケーションで工夫をしている点などの情報交換を行ったほか、アサーティブ・コミュニケーションの視点から、ファシリテーターがより円満な夫婦のコミュニケーションについて紹介をいたしました。夫婦円満はもちろんですけれども、子育てをしていく過程で親子円満に過ごす秘訣にも応用できるため、参加者からも好評でした。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。早速活用していただいているようでございます。せっかく作った冊子ですので、これからこういったものを広めていければと思っております。
これも以前の質問で、例えば結婚したカップルにこうした内容で講習を行って、修了者に結婚祝いを送るとかといったことも考えてみてはというような提案もさせていただいたところでございます。
私たちはどうしても、知識を習得するという教育は受けてきても、なかなか夫婦となる学びというのは受けてこなかったのではないかと思っております。そうした学びがないので、結婚するのをためらったりするとかいう人もいますし、また、そうした学びがないまま夫婦になることで、配偶者間暴力ですとか児童虐待などが起きてしまうということも考えられます。問題が起きてから対処するというだけでなく、問題が起きる前に予防するということが大切なのではないかと思っております。そのため、様々な工夫をして、こうした家庭内コミュニケーションの周知・啓発をしていっていただければと思っております。
そこで質問ですが、周知・啓発の今後の展開について、どのように考えていますでしょうか。
○子ども家庭支援センター所長(石原輝章君) 夫婦が互いに力を合わせ、楽しみながら子育てができるよう、今後は4月から対象を拡大する、出産・子育て応援メールにおいて夫婦円満の秘訣を定期的に配信してまいります。また、これから結婚して新たな家庭を築くカップルに向けて、結婚支援事業において夫婦になることの心得ですとか、夫婦間の上手なコミュニケーションの取り方を学ぶ、結婚生活準備セミナーを行うなど、カップルがお互いの絆を深め、幸せに過ごすための家庭内コミュニケーションの周知・啓発に積極的に取り組んでまいります。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。家庭への支援といいますと、どうしても経済的な支援というのがあるかと思いますけれども、経済的支援というのは、予算との関係もありますが、やれるものはやればいいと思いますけれども、こうした支援というのも大切だと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、里親支援についてお伺いいたします。まず、現在の区の独自の取組についてですけれども、法改正に伴う、これまでの経緯を見ますと、平成28年の児童福祉法改正により、家庭養育優先の原則が明確化され、一貫した里親支援が児童相談所の業務として位置づけられました。そして、里親に関する業務は、里親養育包括支援、フォスタリング業務事業として実施されるようになりました。
港区の現状を見ますと、令和3年の児童相談所開設以降、民間のフォスタリング機関、これ、区外の乳児院へ業務委託をしていますけれども、協働でフォスタリング事業を実施しており、里親制度の周知、リクルート、里親家庭とのマッチング、里親家庭の支援、措置解除後の児童の自立支援などを実施しています。開設以降、新規養育家庭が11件となるなど、効果も見られていて、現在は養育家庭18家庭となっており、うち7家庭に児童を委託中とのことです。
そこで質問ですが、養育家庭が地域で安心して生活するために、地域に身近な児童相談所がフォスタリング機関と協働して委託中の里親家庭にどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
○児童相談課長(中島由美子君) 現在、児童を受託している養育家庭7家庭のうちの3家庭は、今年度新たに受託をした家庭です。区は独自に、24時間いつでも電話で養育の相談ができる体制を整えており、例えば、外出して帰宅後、夕食も水分も取らずに寝てしまったが大丈夫かなど、里親から寄せられる心配事に、里親等相談支援員などがアドバイスし、里親の不安な気持ちに丁寧に寄り添っております。
また、登録里親を対象としたスキルアップ研修では、今年度は受託児童に就学前の児童が多いことを踏まえ、みなと保健所の歯科衛生士による子どもの歯磨き講座や、管理栄養士による簡単にできる時短クッキング講座などを開催し、参加した里親からも、すぐに試してみますと感想をいただくなど、大変好評でした。フォスタリングチームによる定期的な連絡や訪問に加え、子育ての具体的なヒントとなる講座などを通して、里親が安心して自信を持って養育ができるよう支援しております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。様々な工夫をして対応していっていただけると思っております。
それでは、今後の取組についてお伺いいたしますが、令和4年に児童福祉法が改正されまして、令和6年から里親支援は、事業としての実施から児童福祉施設の里親支援センターとして位置づけられます。これは、児童相談所は民間と協働し、これまで以上に一貫した体制で継続的に、里親等の支援の強化を図ることを目的としております。
そこで質問ですが、位置づけは変わりましたが、港区はこれまでも里親支援に積極的に取り組んできたことと思いますので、引き続き里親等の支援の強化を図っていっていただきたいと思いますが、今後どのように取り組んでいかれますでしょうか。
○児童相談課長(中島由美子君) 子育て経験のない養育里親の登録が増えているため、受託が決まった際は、家庭訪問による養育環境の準備支援や、子育て家庭が利用できる地域資源の紹介と、子育て広場等の下見の同行など、受託前の準備期間に個別支援を丁寧に行ってまいります。また、受託経験がない里親がいることも踏まえ、受託した際の子どもとの関わり方を具体的にイメージできる内容をスキルアップ研修に盛り込み、里親の状況に合わせた支援内容を充実させてまいります。
さらに、里親が地域の中で安心して養育するためには、地域への里親制度の理解促進が重要と考えております。来年度は里親制度に関する出前講座を、受託中の里親家庭の児童が通う保育園や近隣の病院等で実施するほか、民生委員、児童委員向けの勉強会などを通じて、里親家庭を受け入れる地域の関係機関等への周知・啓発を計画しております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。位置づけが変わるという来年からの時期ではありますけれども、ぜひ、これまでと同様、またこれからも一層、里親支援の強化をしていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。