土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

令和6年度予算特別委員会-02月28日

○委員(土屋準君) 総務費におきましては、まず、港区版ふるさと納税についてお伺いいたします。
 初めに、団体応援寄付金についてです。今年度の港区版ふるさと納税制度の寄附実績、12月末現在を見ますと、団体応援寄付金の占める割合が、件数にして944件中935件ということで、約99%、寄附金額では約5億1,954万円中約5億1,904万円ということで、約99.9%と、圧倒的に多いのが分かります。
 団体応援寄付金は令和2年度から導入されていますけれども、寄附金額、寄附件数共に年々増加してきております。こうして見ると、多く割合を占める団体応援寄付金について、さらなる充実を図っていくことが、港区版ふるさと納税制度の拡大にとっていいことではないかと考えております。
 団体応援寄付金については、私は以前の質問で課題を指摘しましたけれども、ふるさと納税制度を経由してくると、港区に3割入って、7割が団体に補助金として行くという形でございますので、団体にとっては、これまで直接寄附してくれた以外の人が、この制度ができたということで新たに寄附してくれれば、その分増収になるわけですけれども、逆に、これまで寄附してくれていた人が、ふるさと納税制度を経由したほうが得だと思って、それを経由して寄附するということになれば、3割の減収になるということが考えられますので、どちらが多いかによって、団体支援につながっているか否かということが分かれるのではないかという課題を指摘させていただきました。
 当時は、この団体というのは、税の控除団体がそのまま横引きしてくるということで、言わば一方的に寄附先となる団体を区が指定しているという形でしたので、実際に寄附先となることを希望しない団体もあるということがございました。
 そこで質問ですけれども、現在、団体の指定というのはどのようにしているのでしょうか。また、団体応援寄付金について、さらなる充実を図っていくことが有効と考えますけれども、今後、どのように取り組んでいきますでしょうか。

○企画課長(西川杉菜君) 現在、団体応援寄付金で指定することができる団体につきましては、港区特別区税条例で指定する税額控除団体、例えば、公益財団法人や学校法人、認定NPO法人などが該当となりますが、団体への意思確認を行った上で、団体応援寄付金の支援を希望しない団体につきましては、対象から除いております。その結果、現在380団体となっております。
また、区は、来年度から区内で公益的な活動を行う税額控除団体に加え、定款等に基づく運営を行っていることなど一定の要件を満たす団体につきしまして、団体応援寄付金の対象とすることや、寄附のあった年の翌年度に補助金を交付していたものを、当該年度にも交付可能とすることなど、新たな取組を開始いたします。
あわせて、これまで団体応援寄付金の寄附方法については納付書のみとしておりましたが、寄附者の利便性の向上のため、キャッシュレス決済の導入に向けた検討を進めております。
今後も、件数、金額共に増加を続けている区独自の取組である団体応援寄付金について、一層の充実を図ってまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。
現在は、団体の指定は、その団体に意思確認をしているということでございますので、その団体が得になると思って、オーケーしているということでやられていますので、改善されてきているのではないかと思います。
また、いろいろな充実策を考えられているようですので、中には団体によっては、うまくこのふるさと納税を活用して、いろいろ寄附金を集めている団体もあるようですので、これからその充実が図られていくと思いますけれども、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、寄附の活用先についてお伺いいたします。港区版ふるさと納税制度は、自ら寄附先を選択し、地域を応援するという、ふるさと納税制度本来の趣旨を踏まえ、返礼品によらず、寄附者自身が寄附の使い道を選び、区の取組を応援してもらうという制度です。
寄附の活用先は、港区が実施する各分野の取組、基金を設立している取組のほか、区政全般や、先ほど取り上げました団体応援寄付金があります。これに対しては、港区も返礼品を設けるべきだという意見もありますが、本来のふるさと納税の趣旨から離れた返礼品合戦に参戦するのは好ましくないという考えもあります。
そこで、例えば、東京湾花火大会といったような、ある特定の事業を企画し、ふるさと納税の寄附の活用先にするということも考えられるのではないかと思います。このような事業は、開催経費も多額になり、その経費を捻出するのも大変ですが、ふるさと納税制度を活用すれば、多くの寄附を集められる可能性があるのではないかと思っております。
そこで質問ですが、特定の事業を寄附の活用先にするということについて、どのように考えますでしょうか。

○企画課長(西川杉菜君) 区は、令和元年度まで、全ての子どもに居場所と学びの環境を整えるや、MINATOシティハーフマラソンを盛り上げるなど、特定の事業を寄附の活用先としておりましたが、制度の改善に向けて実施したアンケートの結果などを受け、令和2年度からは活用先を特定の事業に絞らず、各分野への取組に拡大をしております。
引き続き、港区版ふるさと納税制度を通じて、より多くの方に区を応援していただくため、寄附者のニーズを捉えながら、港区ならではの魅力的な寄附の活用先となるよう、見直しや拡充に取り組んでまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。いろいろ検討されていると思いますけれども、いい事業があれば、ぜひこういったところでの活用も検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、前回に続きまして、災害時受援計画についてお伺いいたします。
今年元日に発生した能登半島地震では、被災地で道路が寸断されたり、ライフラインがストップしたり、災害ボランティアの受入れや物資運送などが混乱している状況が見受けられました。
1月23日の報道では、こうした被災地での状況を受けて、高知市の桑名市長が、南海トラフ地震に備え、高知市でも受援体制を検証していくことが必要であると話をしており、受援計画の重要性が改めて浮き彫りになりました。
災害時には、被災市区町村に対して、他の地方公共団体や指定行政機関、指定公共機関、民間企業、ボランティアなどの各種団体から人的・物的資源などの支援、提供が行われますけれども、港区でも、いつ起きてもおかしくない首都直下地震に向けて、こうした応援に対する受援体制をしっかりと考えておく必要があります。
昨年の質問では、全国の市区町村でどれくらいの団体が応援職員受入れなどの受援に関する規定を策定済みなのか確認させてもらいましたけれども、その際の答弁では、全国の市区町村で受援に関する規定を定めている団体は、地域防災計画に位置づけている、あるいは独立した計画書を定めている、既存の文書体系の中に定めているを合わせて1,029団体で、59.1%となっていて、港区もこの中に含まれており、また、定まっていない団体は712団体で、40.9%となっているとのことでしたので、大体6割ぐらいの自治体がいろいろな形で規定を策定済みだということが分かりました。
そこでまず質問ですが、その後、全国でどれぐらいの策定が進んでいるのでしょうか。

○防災課長(鳥居誠之君) 国は、令和5年3月29日に、地方公共団体における令和4年6月1日現在の策定状況を公表しております。これによりますと、全国の市区町村で受援に関する規定を定めている団体は、地域防災計画に位置づけている、独立した計画書を定めている、既存の文書体系の中に定めている、合わせて1,171団体で、67.3%となっております。また、定めていない団体は570団体で、32.7%となっております。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。前回に比べて少し進んできたというようなことではないかと思います。
また、前回の質問では、港区業務継続計画震災編で規定している内容は、国の地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドラインと照らし合わせると、被災自治体における受援の体制の整備や、対象とする業務の範囲、平時における連携体制の確立や、応援受入れの教育などの点で課題があるということで、港区では、今年度、業務継続計画震災編から独立させ、策定を進めるということでございました。
そこで質問ですが、この計画にはどのような内容を盛り込み、いつ策定が完了する予定でしょうか。

○防災課長(鳥居誠之君) 総合的な災害時受援計画として改めて作成するものですが、本年3月までに作成をしてまいります。計画は、仮称ですが、港区災害時受援・応援計画として、人的支援を受け入れる際に必要な場所や資機材等の確保、受入れの手順などを定めるほか、物的支援を受け入れる際の輸送拠点や物資供給に当たる人員体制、物資の受入れから避難所への配送までの流れなどを定めてまいります。
また、区の地域特性を踏まえ、港区国際防災ボランティアとの連携体制や、他自治体や民間企業等と結んでいる災害時協力協定による人的支援や物的支援の受入れなどについても定めてまいります。
さらに、支援を受けるだけではなく、これまで区が被災自治体へ支援をしてまいりました取組も踏まえ、他自治体への応援に関する人材育成や資機材の準備などについても定めてまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。3月ということで、様々な内容が盛り込まれますけれども、また受援だけでなく、応援も考えているということで、ぜひいい計画になればと思っています。
また、ただ、この計画というのはつくったら終わりというのではなく、災害時に機能しなくては意味がありません。
そこでお伺いしますが、災害時に機能する計画とするために、区ではどのように取り組んでいくのでしょうか。

○防災課長(鳥居誠之君) (仮称)港区災害時受援・応援計画に定めた内容が、災害発生時に着実に実行していくことができるようにするため、令和6年能登半島地震の被災地などに積極的に職員を派遣し、現場で感じたことなどを、戻ってきた後、他の職員と共有することで、区が被災した際にその経験を生かすことができるようにしてまいります。
また、災害時相互協力協定を締結している自治体と、応援要請の手順を確認するための訓練を実施したり、東京都と連携をして、緊急物資などを円滑に輸送するための訓練を実施するなど、平時から災害発生時の行動をイメージできるようにしてまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ機能する計画となるようによろしくお願いいたします。
それでは、次に、新たな区割りが導入された次回の衆議院議員選挙について、まとめてお伺いいたします。
衆議院議員の任期は、4年任期のうちの2年、いわゆる折り返し地点を過ぎまして、今年は総選挙が行われるのではないかと言われております。次の選挙で注目されるのが、新たな区割りで実施されるということです。
港区は、かつては中選挙区の時代から千代田区、新宿区とともに東京1区を構成しておりまして、小選挙区になってからも、その構成は変わりませんでした。ところが、前回の区割り改定で港区は分割されまして、このときは、東京都全体の選挙区の数は変わらない中で、一票の格差を是正するために、微調整みたいな形になって、港区はその東北部というか、一部が東京2区に編入されることになったのだと思っております。
ところが、今回の区割り改定は、東京全体の選挙区数が5増えたため、区割りが大幅に変わり、港区は一体となりましたけれども、渋谷区とともに東京7区を構成するという全く新しい選挙区になりました。
前回の区割りでは、投票所での混乱も聞いておりまして、投票所に行って初めて記載台の前で、自分の思っていた候補者の名前がないということで、そこで初めて選挙区が違うということに気づいたという話も聞きました。
短時間でその場で判断しなければならないとなると、きちんとした判断もできないかもしれませんし、また、投票自体を諦めるという人も出てくるかもしれません。次回の区割りの周知は、これまで以上に重要になってくると思います。
ただ、難しいのは、総選挙前に何らかの事情で東京1区か2区で補欠選挙が行われるようになった場合は、改定前の現在の区割りで行われるということです。選挙管理委員会の方は、現在の区割りで行われる選挙を完全に排除できないながらも、新たな区割りでの衆議院議員選挙に向けての準備を進めていかなければならない中にあると思います。
また、衆議院議員総選挙では、最高裁判所裁判官の国民審査も同時に行いますので、そちらにも目を配りながら、進めなければならないと思います。
そこで質問ですが、次回の衆議院議員選挙では、選挙管理の上でどのような点が変わるのでしょうか。
また、次回の衆議院議員選挙に向けた区割りの周知について、どのように考えていますでしょうか。

○選挙管理委員会事務局長[選挙管理委員会事務局次長事務取扱](遠井基樹君) まず、選挙管理上の変更点についてです。令和4年の公職選挙法の一部改正、いわゆる区割り改正法により、次回の衆議院議員選挙の解散または任期満了に伴う総選挙における都内の選挙区間が見直しされまして、港区は分区が解消されて、渋谷区と一緒の東京7区となりました。
この結果、今まで期日前投票と当日投票、両方とも芝地区と芝浦港南地区に設けてまいりました分区の投票所がなくなりまして、ほかの選挙と同じように、どこの期日前投票所からでも投票できる形になります。
総選挙に向けて、同じ選挙区となる渋谷区の選挙管理委員会とは協議を行いまして、1回目の第7区の立候補受付区は、渋谷区とすることを決めております。
ただ、委員御指摘のとおり、12月28日に区割り改正法が施行された後、最初に行われる総選挙よりも前に補欠選挙が行われた場合の補欠選挙の区割りは、従前の区割りによるとされておりまして、今年4月28日に予定されております衆議院東京15区、それから島根1区、長崎3区の補欠選挙は、全て従前の区割りで行われるということになっております。
ほかには、同時に行われます最高裁判所の国民審査ですが、これまで認められておりませんでした在外選挙人も行うことができるようになりましたので、次回の総選挙では、約1,200人いる港区の在外選挙人への周知も対応を進めております。
次に、周知です。現在、ホームページに、衆議院議員選挙の小選挙区についてと題するページを設け、区割り変更があったこと、東京7区になったこと、補欠選挙の場合には、従前どおりの区割りで行うことを御案内し、広報みなとでも区割りの変更の周知を図っておりますが、周知から時間が経過しております。
また、先ほど申し上げたとおり、補欠選挙の場合には従前のとおり行うということになりますので、入場整理券が届かない、あるいは会社を休んで行ったのに期日前投票所自体がないといった苦情が想定されますので、そうした区民の目線に立って、丁寧に改めて周知をしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ新しい制度になると、何かと混乱も予想されますので、ぜひしっかりと丁寧に対応していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。

○委員長(うかい雅彦君) 土屋委員の発言は終わりました。

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