○委員(土屋準君) 環境清掃費におきましては、まず、清潔なまちの実現についてお伺いいたします。
地域の町会や自治会などでは、よく定期的に清掃活動を行っているところがあります。地域の方々のこうした姿を拝見すると、地域をきれいに保ちたいという強い思いを感じております。地域の方々は、こうした清掃活動を一年を通して、また何年にもわたり取り組まれており、中でも顕著な実績を上げられている方には、区から表彰もされております。
一方、区もまちの環境美化に取り組んでおり、これまでにも港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例を施行し、区内における屋外の公共の場所で、路上・歩行喫煙や吸い殻のポイ捨てをしないことで、環境美化の推進を図ってきており、みなとタバコルールに基づき、巡回指導員による指導・啓発、また屋内喫煙所設置等助成事業も行っております。また、各地区総合支所では、地域の方々と一緒にクリーンキャンペーンを開催し、まちの清掃活動や周知・啓発活動に取り組んでいます。
さらに今年度から、新型コロナウイルス感染症により、多くの人が一堂に会することができない状況でも、人とつながって清掃活動ができるSNSアプリを使うなど、工夫を凝らして環境美化を進めております。
しかしながら、繁華街は毎日多くの方が行き交い、ポイ捨ても多く、ボランティアの方々でまちの隅々まできれいにすることは、なかなか困難だとも感じております。
このようなとき、区長は今年の所信表明で、区が先頭に立ち環境美化を進める、これまで解決が困難であった状況を改善すると述べ、自民党の代表質問に対しては、あらゆる視点から対策を推進し、解決が困難であった状況を改善するとの答弁がありました。
そこで質問ですが、清潔なまちの実現に向けて、具体的にはどのようなことを行うのでしょうか。
○芝地区総合支所協働推進課長(小野口敬一君) 現在、令和4年4月からの事業実施に向け、新橋、六本木、赤坂地区の繁華街を所管する各地区総合支所と、環境課をはじめ、各所管課と調整を行い、準備を行っております。また、地域の団体に対して、清潔なまちの実現に向けた事業の説明を行い、併せて意見交換や要望について聞き取りを行っております。
今後、新橋地区の団体、企業、警察署、道路を管理する国や東京都と十分な調整を行った上で、区が先頭に立ち、関係団体と一体となって、早朝の路上ごみの巡回清掃や、不法投棄が頻発する場所での重点的な注意喚起、落書き消去など、あらゆる視点から対策を推進することで、清潔なまちを実現してまいります。
○委員(土屋準君) 一口に繁華街といいましても、環境美化で抱えている課題というのは各地区により異なると思います。例えば、カラスなどによるごみの散乱が目立つ場所、あるいは不法投棄の多い場所、落書きが多い場所等です。効果的・効率的に取り組んでいくためにも、それぞれのまちの課題に応じたきめ細やかな取組が必要であると思います。
区長の所信表明では、新橋、六本木、赤坂が挙げられていましたけれども、私も新橋地域のクリーンキャンペーンの活動に参加したことがございます。
そこで質問ですが、新橋のまちの課題に応じた対応とはどのように考えているのか、お伺いいたします。
○芝地区総合支所協働推進課長(小野口敬一君) 新橋地区では、ポイ捨てごみ、落書き、ガム痕、不法投棄、違法看板等の課題があると認識しております。新橋地区では4月からの事業実施に向け、キックオフイベントとして、3月10日木曜日に芝地区クリーンキャンペーンの実施を新橋駅と内幸町駅周辺で計画しており、当日は清掃活動のほかに、参加者による新橋エリアの実態調査、落書き消去、ガム痕除去を実施し、清潔なまちの実現に向け、気運醸成を図ることとしています。
新橋地区の課題に対して区が先頭に立ち、地域の方々、団体、企業等と十分に調整を行い、地域と一緒にきめ細かな取組をしてまいります。
○委員(土屋準君) ぜひ、きれいなまちの実現は誰にとってもうれしいことでございますので、よろしくお願いいたします。
次に、使用済みペットボトルの水平リサイクルについてお伺いいたします。
近年、海域や海水が人間の活動によって排出された廃棄物で汚染される海洋汚染が深刻な問題となってきており、このため、化学メーカーや大手小売チェーンなどが、ストローなどのプラスチック製品を生産・使用しない企業ポリシーを打ち出し始めております。消費者側も、例えばペットボトルをなるべく使用しないといった対応をしているところもあります。
しかし、ペットボトルなどは、ポイ捨てしたり、たばこの吸い殻を入れるなどして、きれいに回収してリサイクルできないといったところが問題なので、リサイクル率を高めることが重要なのではないかと思っております。そこでリサイクル率を見ると、国内においては使用済みペットボトルのリサイクル率は、令和2年度では88.5%と高水準を維持しております。
そこで質問ですが、港区では、回収したペットボトルの近年の引渡し量と歳入額の推移はどのようなものでしょうか。
○みなとリサイクル清掃事務所長(阿部徹也君) 区が回収したペットボトルの公益財団法人日本容器包装リサイクル協会への引渡し量は、平成30年度が約1,140トン、令和元年度が約1,164トン、令和2年度が約1,364トンでございます。
歳入額につきましては、日本容器包装リサイクル協会から有償入札拠出金として、平成30年度は4,710万2,029円、令和元年度は6,200万2,796円、令和2年度は6,985万5,188円を歳入しております。
○委員(土屋準君) 推移を見ると、増加してきているのではないかと思います。
ちなみに、ペットボトルを捨てる際に、よく本体とキャップを分別するようにと言われるのですけれども、ペットボトル本体とキャップを分別する理由はどのようなもので、キャップは何に再生するのか、お伺いいたします。
○みなとリサイクル清掃事務所長(阿部徹也君) ペットボトル本体とキャップやラベルは素材が異なり、再資源化の過程では異物となってしまうことから、それぞれを分別していただく必要がございます。キャップやラベルについては、資源プラスチックの日に集積所にお出しいただき、アンモニアやドライアイス、そのほかプラスチック製品に再資源化しております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。よく分かりました。
回収したペットボトルは、新たなペットボトルに回収するものか、繊維やプラスチック製品に再商品化されまして活用されております。現在のリサイクル手法では、ペットボトルが様々な製品に再商品化されるため、新たなペットボトルを生産するためには、原材料として石油が必要となります。さらに、他の製品は最終的に可燃物として焼却処分されるなど、限りある資源を循環させるという点で課題があります。
国は、循環型社会の本来の目的である天然資源の消費の抑制と環境負荷の低減を図るため、同じものに再生できる水平リサイクルなどを進めていくことが必要としています。使用済みペットボトルを水平リサイクルした場合の二酸化炭素削減効果は、石油を用いた場合と比べ、60%以上の削減効果があるそうです。
港区では、持続可能な社会の実現のため、資源・ごみ集積所から回収した食品用ペットボトルのリサイクル手法を水平リサイクルに変更し、使用済みペットボトル全量を新たな食品用ペットボトルに再利用するとしております。
そこで質問ですが、他区の状況はどのようなものでしょうか。
○みなとリサイクル清掃事務所長(阿部徹也君) 現在、東京23区中3区、足立区、葛飾区、渋谷区が使用済みペットボトルの水平リサイクルを実施しております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。23区の中では、港区は今度、水平リサイクルということで、比較的先進的な立場になるのではないかと思います。ペットボトルの件は、リサイクル率を高める、そのリサイクルしたものは水平リサイクルを進めるということで、大分対策を進められるのではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。