土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

令和3年度予算特別委員会-03月02日

○委員(土屋準君) 総務費におきましては、初めに戦略的な広報、公聴についてお伺いいたします。
 前回の決算特別委員会で、私は、広報はただ発信しておけばよいというわけではなく、必要な人に必要な情報が効果的に届くということも重要なことで、広報戦略には効果的に届く工夫が必要だという質問をいたしました。
 その後、区はLINEを活用し、事前登録の上、欲しい情報をあらかじめ選択した利用者に対して、利用者が自分で別途検索することなく、必要とする情報を適切なタイミングで自動的に届けるプッシュ型の情報発信を開始しました。また、様々な区政情報を確実かつ効果的に届けるため、広報やPRに知見のある専門家を広報専門支援員として設置するなど、伝える広報から伝わる広報への転換を図る取組をしております。今後もさらなる改善をしていただきたいと思います。
 そこで、今回は、ICTに関する区民の意識調査について、お伺いいたします。区は、区民の誰もがICTに係るサービスを享受できる環境整備の方向性検討のため、情報機器、情報通信等の普及調査や意識・実態調査を実施するとのことです。質問は、この調査はどのような方法で行うのか。また、調査の結果をどのように活用していくのか、お伺いいたします。

○区長室長(横尾恵理子君) 今回実施する港区ICT意識調査は、3つの方法で行う予定です。1つ目は、住民基本台帳から対象者を無作為抽出し、調査票を郵送した後、郵送またはインターネットで回答する方法です。2つ目は、区有施設において、施設に来た区民に直接ヒアリングをして回答を受ける方法です。3つ目は、町会・自治体などの団体に属する区民に直接ヒアリングをして回答を受ける方法です。郵送やインターネットによる調査に加え、直接区民にヒアリングをすることで、よく丁寧に区民ニーズを把握し、情報機器などを使った情報収集が苦手な方にも、区政情報が届くような取組などにつなげてまいります。
また、調査結果を全庁で共有し、行政のオンライン化を推進するなど、幅広い分野での区の新たな施策の実現を図ってまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。区政情報へのアクセスは、人それぞれネットが得意な人や、紙でないとなかなか難しい人などいろいろいると思いますので、ぜひ調査を通して、さらなる改善をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に政策公聴についてお伺いいたします。伝わる広報も大切ですが、反対に区民の声を聴くということも大切だと思います。区民のニーズがどこにあるのか的確に把握しなければ、効果的な政策が打ち出せませんし、各部署がばらばらに対応していては適切な対応ができません。区は、来年度の組織改正で、区民から寄せられる意見・要望について、より迅速かつ適切な対応に向け、公聴システムの充実を図るとともに、区民の声を分析してニーズを把握し、区の施策や事業への反映と臨機応変な対応を果断に行うため、政策公聴担当課長を設置するとのことです。
そこで質問は、この担当課長の設置はどのような経緯で行われ、設置によりどのような効果を見込んでいるのか、お伺いいたします。

○区長室長(横尾恵理子君) 区では、令和3年度執行体制改善基本方針を踏まえ、区民の声や地域の新たなニーズを的確に捉え、区の施策への反映と迅速な実施に結びつけるための公聴の充実・強化を図るため、政策公聴担当課長を設置いたします。新たに設置する政策公聴担当課長では、現在、公聴の回答手段は原則として文書または口頭によるものとしている公聴の仕組みについて、メールなど新たな手法の活用や、回答期限、公表の在り方などについて見直しを行い、公聴制度の運用ガイドラインを整備することによって、区民の方により分かりやすく意見を寄せていただきやすくなるよう、改善を図ってまいります。
また、公聴システムについて、LINEを経由して、区民の方がリンク先の区ホームページで簡単に意見を送ることができる仕組みに刷新することによって、広く区民の方が多様な意見を区に届けやすい環境を整えてまいります。

○委員(土屋準君) 分かりました。広報とともに、区民の声を聴く公聴の方にも工夫を重ねていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、職員のメンタルヘルス不調対策について、お伺いいたします。仕事や職業生活に関して、強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が高くなっており、労働者のメンタルヘルス不調が全国的に増加傾向にあります。業務による心理的負荷を原因として精神障害を発症し、労災が認定される事案が近年増加し、社会的にも関心を集めています。メンタルヘルス不調は、職員だけでなく、職場や区全体にも大きな影響を及ぼします。メンタルヘルス不調者を発生させない職場、職員が健康で生き生きと働き続けられる職場の実現とともに、メンタルヘルス不調に陥る職員が発生した場合には、早期発見と適切な対応を図ることが大変重要です。
港区においても、職員のメンタルヘルス不調による病気休暇、休職者が増加傾向にあると聞いております。そこで、質問は、まず港区の状況はどのようなもので、現在の対策はどのようにされているのでしょうか。

○人事課長・人材育成推進担当課長兼務(太田貴二君) 全国的にメンタルヘルス不調者が増加傾向にある中、区においても職員のメンタルヘルス不調による病気休暇、休職者が増加しております。令和2年12月現在、メンタルヘルス不調による病気休職者数が、過去最多の38名となりました。職員保健室では、週に1回、精神科医による面談を実施しているほか、職員保健室の保健師による健康相談を随時行っておりますが、相談者が増加していることに伴いまして、面談時間を十分に確保できない場合もあります。

○委員(土屋準君) 港区においてもやはり増えてきて、大変な状況になっているのではないかと思います。そこで、今後の対策についてですが、体制を強化し、メンタルヘルス不調者対策を充実させていくべきと考えますが、今後の対策について、どのように考えているのでしょうか。

○人事課長・人材育成推進担当課長兼務(太田貴二君) 職員保健室の保健師を現在の2名から1名増やしまして3名体制とするとともに、職員保健室に臨床心理士を配置して、職員が抱える様々な状況や体調に応じ、専門的な立場から助言・指導を行い、メンタルヘルス不調者への対策を強化します。心配事や不安を抱え、誰かに相談したいが、どこに相談したらいいか分からないという職員は少なくありません。職員保健室の体制を強化しまして、職員保健室から積極的に職員に関わり、気軽に相談できる環境を整えることで、職員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐとともに、病気休暇、休職者がスムーズに職場復帰できるよう、支援を行ってまいります。

○委員(土屋準君) 職場や区全体にも大きな影響を及ぼしますので、ぜひ職員が健康で生き生きと働き続けられる職場を実現していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次は、避難所機能の強化について、お伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、今年度は、例年の港区総合防災訓練は実施されませんでした。しかし、それぞれの地域の防災協議会の役員等に限った避難所設営訓練は行われ、私も参加いたしました。そこでは、専用の型で作られた段ボールを活用して、仕切り部屋を作るという訓練も行われました。人数に合わせてパーツを組み合わせて広さを調整するという、便利なものがありました。しかし、参加者からは、大量のパーツをどのようにして運ぶのか。組立て方法がなかなか分からず、大勢の避難者に少人数のスタッフで間に合うのかといった声も聞き、簡単な方法で設営できる避難所テントのようなものは使えないかといった意見を聞きました。
今回の予算では、新型コロナウイルス感染症を踏まえた、災害時における避難所機能のさらなる強化のため、避難所テントを配備するとのことです。そこで質問は、避難所テントはどのようなもので、それをどのように配備するのか、お伺いいたします。

○防災課長(鈴木健君) 区が配備を計画している感染症対策用テントは、屋根がついており、飛沫感染を防ぐことができるとともに、生地がナイロン製のため、使用後の消毒が容易となります。また、高さが2メートル以上あるため、テント内の圧迫感が軽減されるほか、組立てが簡便で、災害時においても速やかに設営することができます。
令和3年度に感染症対策用テントを、全ての区民避難所及び福祉避難所を対象に5張ずつ、計410張を速やかに配備する予定としております。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ、これからの避難所機能の強化につなげていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、町会等の活動支援について、お伺いいたします。町会等の活動支援については、これまでも様々な内容で取り上げられてきましたが、コロナ禍も加わり、町会等の運営はますます困難になり、中には休会する町会も出てきました。今後の支援策の強化が望まれます。区では、平成30年度から令和2年度までの3年間で、町会・自治会活動支援策として、港区協働事業活動補助金、活動応援個別プログラム、町会等の負担軽減、町会等への支援機能の強化と、4つの支援策に取り組んでいますが、これまでの実施状況や成果等を踏まえ、来年度の支援策を実施するとのことです。
区が昨年実施したアンケート調査では、多くの町会等が会費や企業からの寄附等の減収を見込んでいて、コロナ禍における町会運営に不安を抱えている声も寄せられていたり、SNSでの情報発信やオンライン会議の実施など、コロナ禍における新たな生活様式や感染防止への対応も必要とされております。また、提出書類や区との連絡なども多く、担い手不足の中、負担が大きいといった声も聞きます。そこで質問は、今後の支援策について、どのように考えているか、お願いいたします。

○地域振興課長(櫻庭靖之君) 区では、コロナ禍における新たな生活様式や、感染防止への対策が必要なことから、令和3年度は、全町会・自治会に対して、団体活動費を5万円加算して財政的な支援を行うとともに、町会・自治会活動応援個別プログラム等を活用して、オンライン会議の実施やSNSでの情報発信など、町会活動のICT化の取組にも積極的に支援してまいります。
また、担い手不足等による町会・自治会の負担を軽減できるよう、町会等補助金の申請書類の簡略化や、毎年提出していただいています添付書類を省略するなど、手続方法等を改善するとともに、電子申請等についても検討してまいります。

○委員(土屋準君) 支援策を強化していくということでございますが、休会するか、なかなか立ち行かなくなって休会している町会もありますので、そういったところにも目を配っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、竹芝地区における地域活動の現状と今後の支援について、お伺いいたします。竹芝地区は、かつて海岸一丁目町会という町会がありましたが、担い手不足で解散となり、現在は町会が存在しない地域になっております。ところが近年は再開発が進み、昨年には東京ポートシティ竹芝やウォーターズ竹芝が相次いで完成し、浜松町駅から高速道路を越えて、竹芝ふ頭、竹芝駅へとつながる歩行者デッキも一部供用開始され、街が移転してきています。また、マンションの建設や建て替えも進むなど、新しい住民も増えてくることが見込まれます。新しい街ができてくれば、今後の地域活動の支援も必要になってくると思います。
そこで質問は、海岸一丁目町会の解散以降、この間の竹芝地区での地域活動の状況はどのようになっていますでしょうか。また、今後の地域活動の支援について、どのように考えていますでしょうか。

○芝地区総合支所協働推進課長(中林淳一君) 竹芝地区では、海岸一丁目町会が平成30年1月に解散して以降、地区内の多くの企業が参加する一般社団法人竹芝エリアマネジメントが、浜松町近隣地域の連合町会である愛宕二の部地区連合会と連携して地域活動を行っており、区は、竹芝エリアマネジメントが開催する防災講座に職員が講師として参加するなど、取組を積極的に支援しております。令和元年度には、竹芝エリアマネジメントが竹芝みこしを修繕し、芝大神宮例大祭だらだら祭りの連合渡御に竹芝として数十年ぶりに参加するなど、浜松町、大門など近隣地区の町会等と良好な関係を構築しております。
現在、区では、竹芝エリアマネジメントや地元企業、都立芝商業高校、戸板女子短期大学などとともに、令和2年5月に組織いたしました竹芝Marine-Gateway Minato協議会において、官民連携による竹芝地区の魅力向上と活性化を進めております。今月19日、20日に開催を予定しているイベント、竹芝みなとフェスタでは、竹芝のまちを考えるトークショーや、東京都島嶼地域の特産品販売、運河と東京湾をめぐる舟運ツアーなどを実施いたしまして、竹芝地区や島嶼地域の魅力を広く発信してまいります。
今後も、竹芝エリアマネジメントや愛宕二の部地区連合会、芝商業高校などと連携し、様々な地域活動に取り組んでまいります。

○委員(土屋準君) これから発展していく地域だと思いますので、しっかり支援していっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。

○副委員長(近藤まさ子君) 土屋委員の発言は終わりました。

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