土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

令和3年度予算特別委員会-03月04日

○委員(土屋準君) 民生費におきましては、初めに、出会い応援プロジェクトについてお伺いいたします。
 結婚支援には様々な形があるようでして、一般質問でも発言させていただきましたけれども、最近は人工知能、AIやビッグデータを使った、自治体の婚活事業といったものもあるそうです。これは、AIが性格や価値観など、より細かく膨大な情報を分析し、本人の希望に限らず、お薦めの人を選び出し、相性のよい人を提案するというものだそうです。これが進むと、これまでの、たまたま職場が同じだったとか知人の紹介で知り合ったという、人間の狭い行動範囲での結婚の形というのが、これからは、AIが世界中から相手を探してくるという形になるかもしれません。
 さて、港区では、出会い応援プロジェクトが事務事業評価で廃止となりました。出会い応援プロジェクトは、若い世代の結婚への動機づけと出会いの機会を提供し、結婚を希望する若者の将来的な結婚を支援する目的で平成28年から実施したもので、異性との出会いから結婚に至る上で望まれるマナーや身だしなみ、会話術等に関する事前セミナーと、出会いの機会を提供する交流イベントを、セットにして開催されてきたものです。行政が主催する婚活イベントは信頼があるようでして、毎回、定員に対して男女ともに3倍から4倍の応募があり、イベント中でのカップル成立率は高く、出会いの機会の創出に一定程度効果があったようです。
 そこで、まずお伺いしますが、この出会い応援プロジェクトの事業が廃止になったことをどのように考えているのでしょうか。

○子ども家庭課長(野上宏君) 平成28年度の事業開始から昨年度の4年間に、12回のイベントを実施いたしました。事前の申込みは、男女ともに定員20人に対し100名近い応募があり、カップルの成立も毎回5割と高いことから、若者の出会いを応援する婚活イベントとしては、一定の効果があったものと考えています。しかしながら、後日、参加者に状況確認を行ったところ、ほぼ全てのカップルが、当日以降ほとんど連絡を取っていないということが分かりました。事業の目的である成婚には結びついておらず、事業継続の必要性は低いことから、事業廃止はやむを得ないものと考えております。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。なかなかそれ以降進まないとなると、考えられないという人もいるかもしれませんけれども、そういうことだったと思います。ただ、一つの事業が終了したわけです。その中でも、いろいろ得られるものはあったのではないかと思っております。
そこで質問は、事業の実施により得られた効果を、どのように考えていますでしょうか。

○子ども家庭課長(野上宏君) 婚活に区が関わることによりまして、支援の対象となる若者だけではなく、その保護者の方からもお問合せが寄せられるなど、安心して婚活できるといった効果があると考えております。今後は、先月1日に発足されました港区ブライダル地域連携協議会との連携や、婚活を支援する団体、事業者との連携を踏まえ、委員、御紹介のありましたAIなども含めまして、安全で安心な新しい婚活支援を検討してまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひこれからも、新しい形も含めて、結婚支援を検討していっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、夫婦教育・親教育についてお伺いします。夫婦教育・親教育といっても、別にそうした用語があるというわけではなく、私が勝手に名づけているだけですけれども、要は、配偶者間暴力や児童虐待などを未然に防ぐ、予防となる取組ということです。あらかじめ夫婦になる学び、親になる学びをしておくことによって、将来の配偶者間暴力や児童虐待などを、未然に防ぐことができないかという試みです。
以前にも取り上げましたけれども、私たちは知識を習得するという教育は受けてきても、なかなか夫婦となる学びとか、親になる学びというのは受けてこなかったのではないかと思っております。そうした学びがないので、結婚するのをためらったり、親になる自信がないので、子供を持つのをためらったりするという人もいます。また、そうした学びがないまま夫婦になり、親になることで、配偶者間暴力や児童虐待などが起きてしまうということも考えられます。問題が起きてから対処するというだけでなく、問題が起きる前に予防することが大切なのではないかと思います。
そこで、まず夫婦となる学びについてですけれども、令和元年度決算特別委員会で私は、神奈川県で、幸せな家庭を築く夫婦のコミュニケーションという冊子を作って、婚姻届提出日などに渡しているということを紹介しました。また、このような冊子を配布するだけでなく、こうした内容で講習などをするのもよいのではないかという提案をいたしました。野上課長は冊子の内容を見て驚愕されていましたけれども、よりよい夫婦関係、家族関係を築くための支援について、検討していくとのことでした。
そこで質問は、その後どのように検討されていますでしょうか。

○子ども家庭課長(野上宏君) 神奈川県が発行している冊子では、結婚する2人の結婚前の独身期から新婚期、子育て期、老年期までのライフサイクルごとに、心の持ち方、コミュニケーションの在り方が分かりやすく解説されています。夫婦がいつまでも仲よく過ごす秘訣は、2人で話し合って解決していく姿勢を持ち、素直に謝り、関係修復を怠らないことだそうです。このことは、港区民の皆さんにもそのままお伝えできるものであることから、昨年、答弁をさせていただいた後、神奈川県に版権使用についてお問合せをしたところ、版権の使用に当たっては、筆者の了承が必要との回答がございました。
その後、先ほど御紹介しました港区ブライダル地域連携協議会からも連携の相談をいただき、現在、ブライダル産業の皆さんと、具体的な取組について話を進めています。今後はその中で、良好な夫婦関係を築くための学びの支援として、専門家の知見を生かした港区独自の冊子の発行や講習会の開催について、提案してまいりたいと考えております。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひそうした取組を進めていっていただいて、結婚するなら港区もですけれども、幸せな家庭を築くなら港区ということになっていただければと思います。よく仲のよい夫婦のことをおしどり夫婦と言いますけれども、聞いたところによると、実はおしどりは卵が産まれるとペアは解消し、共に協力して子育てすることもなく、次の年にはまた新しいペアをつくるそうです。一方ペンギンは、夫婦になると、雌が卵を産みますけれども、雄と雌が交代で卵を温め、ふ化したひなも協力して育てるそうです。これからは、長年連れ添うよい夫婦のことを、おしどり夫婦ではなくペンギン夫婦と言うようにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
もう一つ、次は、親になった人への学びについてお伺いします。私は、以前に質問した赤ちゃんふれあい体験ですとか、保育士体験といったものなども、一種の親になる学びに通じるのではないかと思いますけれども、親になった人への学びというのも重要ではないかと思います。初めから一人前の親などなく、皆、周りから助けを得ながら親になっていくとも言われます。
そこで質問は、親になった人への講習等はどのようなものがあり、今後の充実についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 子ども家庭支援センターでは、毎年、子育てをしている保護者を対象に、子育ての楽しさや、自信を持って子育てに臨めるよう、子供の発達、親の役割、子育ての方法を学ぶ講習を、児童館や子ども中高生プラザと協働で実施しています。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、講習を実施することができませんでしたが、乳幼児の保護者から、電話やメール、子育てひろばなどで子育ての相談を受け、子供がいやいや期の対応の仕方や、発達についての不安、保護者自身のいらいらした気持ち等の悩みに、具体的な対応の仕方を助言するなど、丁寧に対応しています。
子育てはマニュアルどおりにいかず、ほんの少しのことでも不安になります。そのようなときに、大丈夫という言葉で安心できたり、適切な助言を受けたりすることで悩みを解消し、親も子どもと一緒に成長することができます。今後は、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら、親支援の講習の再開やオンラインを活用した講習を実施するなど、親になった人への講習を充実してまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。大切な試みだと思いますので、ぜひ今後も充実していっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、保育の質の向上についてお伺いいたします。子ども・子育て支援新制度が開始して、間もなく6年が経過しようとしております。この新制度は、量と質の両面から子どもの育ちと子育てを社会全体で支援していくための制度として、平成27年度に始まりました。量とは、保育を必要とする全ての家庭が保育を利用できることであり、質は、子どもたちがより豊かに育っていくことができることとされ、保育園等に、職員の処遇改善や職員配置の改善のための財政支援の仕組みが構築されております。港区では、平成31年度、令和元年度には591人、令和2年度には586人の保育定員を拡大するなど、2年間で1,000人を超える定員を確保し、平成31年4月、令和2年4月と、2年連続して待機児童ゼロを達成するなど、区民の保育ニーズに対して、区は保育定員を十分確保してきたのではないかと感じております。
この1年間、新型コロナウイルス感染症は私たちの生活に大きな影響を与えました。東京都では今年1月7日に2度目の緊急事態宣言が出され、現在も継続されていますけれども、保育園は感染防止策を徹底しつつ、原則として開所することが求められております。仕事を抱えた保護者にとって、コロナ禍の中にあっても安心してお子さんを保育園に預けることができるということは、大変重要なことだと思います。こうした中で、今後一層、保育の質を高めていくことが必要となってくるのではないかと思います。
そこで質問は、区では、新型コロナウイルス感染症の感染の不安を抱える保護者に対してどのように対応していくのか、お伺いいたします。

○保育課長(山越恒慶君) 保育園では、日々の感染対策を徹底しているところですが、区では、新型コロナウイルス感染症への不安から、保護者が希望して保育園を月単位で休園する場合に、保育料、給食費の徴収を行わないこととするとともに、復職を予定していた保護者が家庭での保育を希望する場合に、復職時期を最長で3か月延長できることとし、3か月ごとに新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、これらの対応を延長してきているところでございます。
また、保護者の求職を要件として入園している児童につきましても、在園期間が国の緊急事態宣言の発令期間と重なる場合は、保護者の就職活動は困難な状況となっていることを踏まえ、在園期間を3か月延長できることとしております。
今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況等を適切に把握し、保護者に安心して保育園を御利用いただけるよう、きめ細かく取り組んでまいります。

○委員(土屋準君) ぜひしっかり対応していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、新型コロナウイルス感染症感染防止の観点から、保育園を休園したり、育児休業からの復職の延長をしている場合など、保育園と保護者のコミュニケーションが取りづらい状況が生じること等も予想されます。
そこで質問は、区として保育の質をさらに高めていくために、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

○保育課長(山越恒慶君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、保育園で陽性患者が発生した際の緊急的な情報提供や、登園を自粛している家庭への情報提供など、保育園と保護者とのコミュニケーションの需要が高まっていると考えております。そのためには、保育園から保護者への情報発信を充実し、保護者にとって保育園の様子や感染対策などを見える化していくことが必要であると考えております。区立保育園では、令和3年4月から、保育業務支援システムを活用して緊急連絡や園だより、献立表の配信、保護者アンケートをスマートフォンのアプリを通じて行うほか、指定管理者が運営する区立保育園や港区保育室におきましても、令和3年10月から保育業務支援システムを導入する予定としております。
こうしたICTの活用に加え、保育園がこれまでも行っているご意見箱の設置や第三者評価の実施により、保護者の御意見を伺いながら、保育の質の向上に取り組んでまいります。

○委員(土屋準君) いろいろ工夫されていると思いますけれども、保育の質の向上に、これからも充実させていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、終活の支援についてお伺いいたします。豊島区は今月、自らの人生の終末に向けて準備を整える、終活の相談ができる豊島区終活あんしんセンターを設置しました。介護や葬儀、相続などの相談に、まとめて応じるとのことです。このセンターは、区内在住のおおむね65歳以上の高齢者とその家族が対象で、無料です。終活の始め方や医療、介護、財産などに関する相談を、窓口や電話、メールで受け付けるそうです。相談業務は豊島区民社会福祉協議会に委託し、成年後見制度などの相談経験豊富な職員が応対し、希望者には葬儀や埋葬、死後に必要となる事務など、生前契約の支援もするほか、低所得者には葬儀などの生前契約費用の一部を助成するそうです。
そこで質問は、現在港区では、終活の相談や支援はどのようにされているのでしょうか。

○高齢者支援課長(金田耕治郎君) 各地区の高齢者相談センターでは、老後の生き方や住まい、葬儀、遺族の生活や相続など、高齢者やその家族から寄せられる終活に関する様々な相談について、助言等を行っております。また高齢者相談センターでは、弁護士などによる講座を開催し、日頃、同センターに寄せられる終活の相談内容も踏まえ、終活に関する様々なサービスの案内や周知を行うなど、支援を行っております。

○委員(土屋準君) 分かりました。先日、ひとり暮らしの高齢の女性の方から相談を受けました。その方は子どもがいなくて、親戚はいるけれども、子の代、孫の代になっていて付き合いもないということで、自分が住んでいるマンションは死後に寄附してもいいから、葬儀や埋葬、死後に必要となる事務などの支援をしてもらえないかといったような相談内容でした。今後はこのような相談が増えてくるのではないかと思っております。
そこで質問ですけれども、今後、終活の支援を充実させていくべきと思いますけれども、どのように考えますでしょうか。

○高齢者支援課長(金田耕治郎君) 高齢者相談センターで実施する終活講座では、社会福祉協議会や消費者センター、有料老人ホーム協会など、民間事業者等の協力もいただきながら、老人ホームの入居に関する注意点、葬儀やお墓、死後に必要な様々な手続について、生前に契約を結ぶ際の注意点、相続に関する問題など、取り扱うテーマや内容を充実していきたいと考えております。また、センターの職員に、終活支援に関する研修を実施し、専門知識の習得や相談対応の質の向上を図ることで、高齢者一人一人の状況に応じて、必要なサービスの提供や適切な関係機関につなぐなど、きめ細かな支援を行ってまいります。

○委員(土屋準君) これから、こういった終活の相談というのは増えてくるかと思いますので、より支援を充実させていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。

○委員長(やなざわ亜紀君) 土屋委員の発言は終わりました。

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