○委員(土屋準君) 民生費におきましては、子育て支援について、まず、産後要支援母子ショートステイ事業についてお伺いいたします。
平成25年度決算特別委員会で、私は、産後母子ケア事業について取り上げ、母子が宿泊や日帰りで滞在でき、助産師らから支援を受けられる事業について質問をいたしました。当時は衛生費でしたけれども、今回、民生費で産後要支援母子ショートステイ事業が新規事業で開始されるとのことですので、取り上げさせていただきます。
近年は、核家族化が進行し、自分の親などの親族から距離的に離れたところで妊娠や出産をすることがまれではなくなってきています。生活している地域でさまざまな関係機関や人が支援し、子育ての孤立を防ぐことは、産後うつ、育児不安、さらには児童虐待のリスクを早期に発見し、予防することにもつながります。
厚生労働省は、平成29年8月に、産前・産後サポート事業ガイドライン及び産後ケア事業ガイドラインを公表しております。この中で、産後ケアは、出産後の母親の身体の回復と心理的安定を目的としているため、出産直後から4カ月ごろまでの時期を対象の目安としています。また、事業の種類として、アウトリーチ型、デイサービス型、宿泊型の3種類の実施方法を示しています。
区では、相談・訪問支援、参加・交流の場の提供など、さまざまな事業を通じて、妊娠期から子育て期にわたる支援を実施していますが、来年度から宿泊型の産後ケア、産後要支援母子ショートステイ事業を開始するとのことです。
そこで、この産後要支援母子ショートステイ事業についてお伺いしますが、要支援とありますが、対象者や支援の内容はどのようなものでしょうか。
○子ども家庭支援センター所長(中島由美子君) 産後要支援母子ショートステイ事業の対象者は、子ども家庭支援センターが相談を受理し対応しているケースのうち、出産後に家族等から十分な支援が受けられない中で、体調不良や子育てに対し強い不安や孤独感を抱えているなど、特に支援を必要とする生後4カ月未満の乳児とその母親です。
子ども家庭支援センターの援助方針会議において、本事業の利用が、愛着関係の形成や、前向きに育児に取り組むことに有効であると判断された場合に、対象の保護者へ利用の提案を行い、同意を得ることとなります。
支援内容は、母子で助産院等に最長7日間まで宿泊している期間内に、助産師などが母体や乳児のケア、授乳指導、育児相談などを無料で実施します。重篤化する前に支援を行うことで、母親の心身の安定を図り、深刻な育児不安や産後うつ、児童虐待の未然防止に努めてまいります。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ、この産後要支援母子ショートステイ事業により出産直後の母子を支援することで、妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援がより充実されることを期待しております。
次に、保育コンシェルジュについてお伺いいたします。平成29年4月の待機児童数は、前年と比較して100人増の164人となるなど、依然として港区では多くの方が保育サービスの利用を希望しております。
このような中、区では、保護者の希望や家庭の状況に応じて、保育施設を円滑に利用できるよう、平成29年4月から保育コンシェルジュ1名を配置しております。保育コンシェルジュは、保育を希望する保護者の相談に応じ、家庭の事情や希望に合った保育サービスの情報提供を行う専門の相談員です。就学前の子どもの預け先に関する各家庭の相談に、認可保育園のほか、認証保育所、認可外保育施設、保育サポートなど、港区内のさまざまな保育サービスの情報を提供し、最適な預け先が見つけられるよう手伝うものであります。
港区は、さまざまな保育サービスを実施していますが、それが逆にわかりにくいという声も聞きます。そのため、このような専門の相談員が配置されているということは、有効なことだと思います。
そこで質問ですが、まだ配置して間もない時期でありますが、現在のところ、保育コンシェルジュの配置の効果はどのようなものでしょうか。
○保育課長(山越恒慶君) 保育コンシェルジュは、居宅訪問型保育事業、認可外保育施設や保育サポートなど、利用できる可能性のある施設の紹介を行うことで、保護者の選択の幅を広げる助言を行っており、ゼロ歳児から1歳児クラスの定員の空きが少ない状況の中、復職が必要な方へ認可外保育施設など12件の保育施設の利用につなげているところでございます。
また、育児休業の延長を希望する家庭からも、保護者が復帰時期に向けて必要な手続や準備を知ることができることから、安心して育児休業が取得できるとの声をいただいております。
あわせて、窓口相談として、予約制により、1回につき1時間を基本に、復職や育児への不安を抱える保護者の話を丁寧に聞きながら、保育サービスの紹介や保育園の入園手続方法などの保育をはじめ、子育て全般に関する相談を受けております。この窓口相談では、保護者が希望する日程を指定できることや、相談内容も多岐にわたることから、両親で相談に来ることも多く、父親の育児参加にもつながる効果が出ております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。いろいろな効果が出ているということでございます。
待機児童の解消に向けて、さらなる保育定員の拡大に取り組む必要があると考えます。あわせて、きめ細やかな相談体制のもと、保護者の家庭の状況や希望に沿った保育サービスにつなげていく保育コンシェルジュの役割も高まっていくのではないかと思っております。
そこで質問ですが、保育コンシェルジュの今後の展開について、どのように考えていますでしょうか。
○保育課長(山越恒慶君) 保育コンシェルジュが行う相談では、区内にあるさまざまな保育施設の空き状況や、見学の可否などの情報を求められることが多く、保育サービスに関する最新の情報を定期的に把握し、相談者に提供していく必要があります。
また、現在、保育コンシェルジュは、区役所の子ども家庭支援部の窓口で相談を行っておりますが、保育園の入園に関する新たな手続を行う場合には、お住まいの各地区総合支所を案内しなければならないなどの課題があります。このため、平成30年4月から、保育コンシェルジュを3名に拡充し、入園申し込み手続の窓口である各地区総合支所で相談業務を行うこととしております。
また、区民の方がどこの窓口でも相談することができるよう、柔軟に対応してまいります。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。これからもきめ細やかな相談体制をとっていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、公衆浴場の活用と振興についてお伺いいたします。
公衆浴場については、平成27年度決算特別委員会において、公衆浴場の振興を図る上での公衆浴場の役割と、今後の公衆浴場確保策の新たな展開についてということで質問いたしましたが、その際は、今後の検討に向けて、平成28年度に港区保健福祉基礎調査を実施して、広く区民の意見、要望を把握し、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合港支部との意見交換を深めていくとの答弁でありました。
このような中で、このたび港区地域保健福祉計画の改定にあたり、公衆浴場の活用と振興推進が掲載され、平成30年度予算案に、公衆浴場活用振興推進事業が計上されました。これまで公衆浴場は、区民の衛生・健康維持のための入浴機会の確保や、コミュニティの拠点としての役割が主だったと思いますが、現在、区内の民間公衆浴場が減少しているにもかかわらず、年間の利用者数は増加傾向にあると聞いております。
この傾向を分析し、区内の民間公衆浴場と区立の公衆浴場が連携して、公衆浴場のさまざまな可能性を引き出し、新たな視点で民間公衆浴場と区立の公衆浴場が協働して区民福祉の向上を図る取り組みを創出していただければと思います。
特に港区には、東京都内でも珍しい区立公衆浴場があります。福祉の視点に加え、各行政分野の施策との連携、例えば、昨年、区民に好評でした自治体間連携の取り組みによる温泉イベントをはじめ、子どもから高齢者までの世代間交流、健康づくり、スポーツや余暇の活用等々の場として、公衆浴場を拠点とした区立公衆浴場ならではの事業展開に期待しております。区立公衆浴場の役割や機能を強化し、新しい形の施設を設けて民間公衆浴場と連携するなど、さまざまな可能性が広がっていると思います。
そこで質問ですが、民間公衆浴場の経営にも好影響をもたらすような事業に向けて、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○保健福祉課長(西田京子君) 現在、区では、毎月開催されている東京都公衆浴場業生活衛生同業組合港支部定例会に随時出席いたしまして、公衆浴場に関する情報交換や意見交換を行っています。
平成30年度は、公衆浴場の活用振興策について、区の組織を横断した多角的な視点での検討を進めるとともに、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合港支部と連携いたしまして、民間公衆浴場経営者や区民等との懇談会を開催して、公衆浴場が抱える課題や区民ニーズへの対応について検討してまいります。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ、よりよい事業が展開できればと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。