◯委員(土屋 準君) 衛生費におきましても、家庭に関する質問を取り上げさせていただきたいと思います。
民生費でも述べましたが、昔は祖父母が同居している家庭が多かったですけれども、最近は核家族が増えています。子どもを手もとで育てようと思っても、実際は母親と子どもの2人だけで過ごすことが多くなっているのではないかということで、とりわけ芝浦港南地区などでは高層マンションが多く、昔のような近所づき合いもしにくくなっているのではないかと思います。そのような中で、孤立しがちな母親が育児不安から産後うつに陥ったり、児童虐待を引き起こす、そういったケースも少なくないということで、母親と新生児の心身の健康を守るために、社会全体で支援する体制が求められていると思っております。
港区でも、子ども家庭支援センターやみなと保健所などで、そういった家庭を支援するさまざまな取り組みがなされております。そのような中で、芝浦港南地区の事業として、子育てあんしんプロジェクトという事業がございます。この事業は衛生費の分野ですが、芝浦港南地区総合支所の事業ということで、子育て不安の解消や虐待の予防・早期発見、地域における仲間づくりを目的として、保健師、助産師、管理栄養士、臨床心理士からなるプロジェクトチームが、身近な地域の児童施設等、すなわち保育園や児童館、子ども中高生プラザ、児童高齢者交流プラザ、区民協働スペースなどを会場として、子育てに関するノウハウの提供や、家庭環境に応じた個別相談に応じるなど、子育てに関するさまざまな不安や悩みを解消するとともに、孤立しがちな保護者自身が抱える心のケアを図る事業でございます。
そこで質問ですけれども、この事業を芝浦港南地区の事業として行っている理由はどのようなもので、また、ほかのさまざまな子育て支援事業と比較してどのような特徴があるのかお伺いいたします。
◯芝浦港南地区総合支所区民課長(木下典子君) 芝浦港南地区は、大規模マンションの建設などにより人口が急増し、特に年少人口の増加が他地区と比較して顕著となっています。子育てあんしんプロジェクトは、このような地域特性を踏まえ、子育てに対する不安を解消・緩和するため、平成20年度より実施しております。子育てあんしんプロジェクトは、芝浦港南地区の身近かつ気軽に行ける児童施設等に専門職が直接出向いて育児相談を行っていることが特徴です。平成26年度からは、子育てについての相談に加え、保護者自身の思いや悩みに丁寧に対応し、親支援、虐待予防を強化する目的で、臨床心理士を導入していることも特徴として上げられます。
◯委員(土屋 準君) やはり芝浦港南地区ならではの特徴を踏まえた事業ではないかと思います。
それでは、お伺いいたしますが、これまでの実績や成果はどのようものがありますでしょうか。
◯芝浦港南地区総合支所区民課長(木下典子君) 子育てあんしんプロジェクトは、平成20年度からの開始以降、参加人数が増加し、平成22年度以降は年間延べ約6,000人の利用があります。今年度につきましては、2月までの利用実績は延べ4,441人、施設別では、8施設中、芝浦アイランド児童高齢者交流プラザが延べ1,573人で、全体の約35%を占めております。また、利用者の約80%を占める0歳、1歳児は2回以上の利用があり、リピート率の高いことが特徴です。育児相談の内容は、0歳、1歳児の保護者からは、離乳食、体重の相談の割合が多く、2歳児以降は、心理相談、発達についての相談の割合が多くなっております。プロジェクトでは、専門職スタッフによる育児相談のほかに、保育園での離乳食試食会なども行っており、さまざまな子育てのアドバイスを組み合わせることで、保護者の育児不安の解消・緩和に成果を上げております。また、プロジェクトの参加のために外出することにより、行動範囲が広がるだけでなく、同じ子育てをする者同士の情報の交換や情報共有が可能となり、親同士のネットワークづくりにもつながっています。
◯委員(土屋 準君) 意外といろいろ多くの人が参加しているということで、リピーターも多いということですので、結構参加者の反応もいいのではないかと思っています。
そこで最後にお伺いしますが、参加者の反応はどのようなものがあり、また、今後の展開はどのように考えていますでしょうか。
◯芝浦港南地区総合支所区民課長(木下典子君) 参加者からは、身近な施設で子育ての悩みや不安を相談できる、気軽に専門職に育児の相談ができる、友達ができてうれしかった、きょうだいのいるママたちと意見交換ができてよかったなど、好意的な意見が多く、一定の評価を得ています。今後の展開といたしましては、子育てを始めたばかりの保護者を切れ目なく確実に支援できるよう、専門職スタッフ、区職員、施設職員間の連携を一層緊密にするとともに、より幅広くきめ細やかな育児相談に対応できるよう、プロジェクトチームの体制の強化に取り組みます。この一環として、大学の講師を招き、事例検討を含むグループワークを中心とした研修を実施し、子育て支援の一層の充実を図ってまいります。
◯委員(土屋 準君) ありがとうございます。いろいろな工夫もできそうな事業ですので、ぜひ、そういった家庭の支援も強化していっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
◯委員長(池田こうじ君) 土屋委員の発言は終わりました。