土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成29年度予算特別委員会(第5日目) 本文開催日:2017.03.02

◯委員(土屋 準君)  民生費におきましても、家庭をテーマにした質問を取り上げたいと思っております。総務費でも述べましたけれども、私は社会を構成する基礎は家庭であり、家庭を重視した施策を進めることが大切だと思っております。全ての人が親になるわけではないので、そこは考えなければならないとは思いますけれども、特に親になるための教育というのは重要で、実際、学校などではこれまでいろいろな勉強は教わってきても、親になるための教育というのはなかなか受けてきていないのではないかと思っております。
 そこで、民生費では、親になるための教育という観点からのテーマを取り上げてみたいと思います。まずは、未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~について、お伺いいたします。この事業については平成28年度予算特別委員会で教育費で取り上げましたけれども、これは芝地区総合支所で行っている事業ということでございますので、民生費で取り上げたいと思っております。
 未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~は、中・高生が実際に乳幼児と触れ合うとともに、母親から妊娠、出産、育児の話を聞くことで、命の偉大さの気づきや自尊感情、共感力の芽生えを促し、また、世代間交流の推進を図り、地区全体の活性化を促します。一方では孤立しがちな母親への社会参加も促すという目的を持って、昨年度から実施され、乳幼児を持つ母親が講師となり、育児体験を伝えるとともに、実際に乳幼児と接する機会をつくることで、親になることをイメージできるような仕組みをつくるという内容で、一昨年11月に御成門中学校で第1回目が行われたということでございます。
 中学生の時期というのは同じ世代でつき合いが固まりやすいと思いますので、自分が乳幼児だった時期からは時間がたっていますし、子どもができる年齢にはまだ少しあるということで、この時期に乳幼児に接することは、家庭や家族の大切さを考えるいい機会になるのではないかと思っております。
 そこでお伺いしますけれども、未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~を私はもっと拡大できないかと考えておりますが、いかがでしょうか。

◯芝地区総合支所区民課長(上村 隆君)  未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~は、区民参画組織芝会議からの提言を受けて、芝地区総合支所の地域事業としてスタートしたものです。平成27年度は試行として御成門中学校で事業を行いましたが、学校や生徒たち、参加した母親からの評判もよかったため、本格実施として、平成28年度は御成門中学校、三田中学校で、さらに平成29年度は小学校を含む3校で、乳幼児の成長の過程も見てもらうため、それぞれ2回ずつの開催を予定しており、事業の拡大をしております。
 対象となる学校を港区全域に広げた方がよいという声もあることから、港区教育委員会では、学校からの依頼を受けて、外部講師を派遣する港区学校支援地域本部事業の出前授業の登録を、この地域事業を実施しているNPOに働きかけて、現在、調整中です。この登録が完了することによって、他地区の小・中学校からも希望に応じた出前授業という形での本事業の提供が可能になります。
 芝地区総合支所としても、今後、教育委員会とも連携を図ってまいります。

◯委員(土屋 準君)  始めたころから、大分拡大に向けて進んでいるということでございますので、ぜひこういった事業はもっと拡大していただきたいと思います。
 いろいろな方が参加していると思いますので、そういった事業に参加した中学生あるいは母親の方からもいろいろな反応があったかと思いますけれども、そういった反応は、どのようなものがありましたでしょうか。

◯芝地区総合支所区民課長(上村 隆君)  事業終了後のアンケートによりますと、生徒たちからは、赤ちゃんが表情豊かでさまざまな表情を見せてくれた、子育ては大変だけれども楽しいこともあることがわかった、子育てにとても苦労していたことを知り両親に感謝をした、次回がとても楽しみとの感想が聞かれました。
 また、母親たちからは、中学生と触れ合う貴重な体験ができた、一緒に参加していたお母さんたちとプライベートでも仲よくなることができてうれしかった、充実感があった、地域のつながりやコミュニティに参加できるよい機会となった等の感想が聞かれました。
 生徒たちにも母親たちにも、とても貴重な体験になっているものと思われます。

◯委員(土屋 準君)  生徒たちも母親も非常にいい反応だったということでございますので、ぜひこういった事業は拡大していっていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 次は、本当は産前産後家事・育児支援事業についてお聞きしようかと思ったのですけれども、先ほどちほぎ委員が詳細に取り上げておりましたので、予定を変更いたしまして、親支援プログラムについてお伺いしたいと思います。
 これは前にも取り上げさせていただきましたけれども、近年の少子化、核家族化、高度情報化、地域の連帯感の希薄化、あるいはライフスタイルの変化などにより、子育て家庭を取り巻く環境は大きく変化してきているのではないかと思っています。
 親への移行期、すなわち子どもが生まれる時期ですけれども、そういった時期に心身の不調や家族関係の問題など、親が心にゆとりを持って、豊かな愛情で子育てに徹することが困難な家庭も増えていると聞いております。
 親への移行期のサポートは、家庭支援の一環として重要な役割を持っているのではないかと思っております。よく子どもが3歳児ぐらいになるまでは親の手元で育てた方がいいという考え方もありますけれども、以前にも紹介した中央大学の山田昌弘教授の研究では、実際の意識でも、せめて子どもが小さいうちは自分の手元で育てたいと思っている人は、若い人の中ではまだまだ多数派だという調査結果もあります。
 しかし、昔は祖父母が同居している家庭が多かったりしたのですけれども、最近は核家族が増えておりまして、手元で育てるとなると、実際は母親と子どもの2人だけで過ごすというケースが多くなってきているのではないかと思っております。
 そうしますと、孤立しがちな母親が、育児不安から産後うつに陥ったり、あるいは児童虐待を引き起こすケースも少なくなく、母親と新生児の心身の健康を守るために、社会全体で支援する体制づくりが求められているのではないかと思っております。
 港区でも今年度から親支援プログラムという事業を実施しております。親同士が悩みを共有しながら、親としての役割や子育ての方法を学ぶことにより、親の養育力の向上を図るというものでございます。
 そこでお伺いしますが、親支援プログラムを実施して、どのような実績や成果がありましたでしょうか。

◯子ども家庭支援センター所長(保志幸子君)  子ども中高生プラザや児童館では、ノーバディーズ・パーフェクト~完璧な親なんていないというプログラム、最初から完璧な親はいない、苦労しながら、皆さんといろいろ共有しながら親は育っていくというプログラムなのですけれども、これを合計7館で開催しました。それぞれ6回から8回の連続講座で、合計71名の方が参加されました。
 また、子ども家庭支援センターでは、たたかない、どならない子育てを学ぶポジティブ・ディシプリンというプログラム、9回の連続講座ですが、これは現在開催中です。定員16名のところに73名の方の応募がありまして、抽選で参加者を決定しました。
 講座に参加した方からは、自分の内面を見詰め直せてポジティブな気分になれた、子育てに関する考え方が軽くなり、たたいたり叱ったりすることがほとんどなくなったなどの感想が寄せられました。
 このような講座は、グループでの話し合いを重ねていく方法で行っておりますので、参加者同士のつながりが非常に深くなりまして、講座の終了後も独自にグループで集まりを持っているところもあると聞いております。

◯委員(土屋 準君)  今年度から始まった親支援プログラムなのですが、非常に実績や成果も上がっているのではないかと思っております。
 この親支援プログラムをこれからも拡大していっていただきたいと思いますけれども、この親支援プログラムについて、これから工夫していきたい点にはどのようなものがありますでしょうか。

◯子ども家庭支援センター所長(保志幸子君)  児童館・子ども中高生プラザでは、初めて育児をスタートする乳幼児期の保護者の参加が多いので、しばらくこれを継続して実施しまして、自分に見合った子育ての方法を大勢の方に学んでいただくとともに、地域の保護者の関係づくりにも力を入れていきたいと考えています。
 また、子ども家庭支援センターでは、幼児期、学童期または思春期の児童を持つ保護者向けのプログラムや、それから外国人の方なども参加できるようなプログラムなども開催していきたいと検討しております。

◯委員(土屋 準君)  このような親支援プログラムは大切だと思いますので、いろいろな工夫を重ねて、これからも続けていただきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(池田こうじ君)  土屋委員の発言は終わりました。

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