◯委員(土屋 準君) 今回の予算特別委員会におきましては、私は家庭を1つのテーマに総務費、民生費、衛生費、教育費というところで質問していきたいと思っております。
総務費においては、まず、家庭や性別に関する議論についてお伺いいたします。
最初に、少子化対策における議論についてです。
我が国は、急速に少子化が進んでおりますけれども、その原因として未婚化が挙げられております。その理由としては、次のような課題があると言われております。その1つ目は、結婚したくても経済的理由により結婚できないというものですけれども、これは当然対策をしなければならないものでして、経済対策や家庭支援施策等にかかってきますので、これはまた別の機会に考えたいと思います。
2つ目は、結婚したくても結婚したい人に出会えないというものですけれども、これは今回の予算特別委員会のテーマの1つ、出会い応援プロジェクトが関係していますので、これは民生費で考えたいと思います。
そして、3つ目ですけれども、そもそも結婚したい、家庭を持ちたいという人が少なくなってきているというものです。この傾向が進めば、幾ら家庭支援策を打ち出しても、幾ら出会いの機会を創出しようとしても少子化は改善されない、極端な話ですが、誰も結婚しようと思わなくなれば、家庭支援施策も出会いの機会創出も意味がなくなってしまうということです。そうすると、結婚したい、家庭を持ちたいという人を増やそう、結婚や家庭を持つ価値を啓発しようという議論や主張が出てきます。ところが、この議論に対しては、結婚するしない、あるいは子どもを持つ持たないということは個人の自由であって、他人からとやかく言われる筋合いではないという意見があります。
そこで質問ですが、人権上の観点からは、このような少子化対策の議論や主張は否定されるものなのか、お伺いいたします。
◯人権・男女平等参画担当課長(大浦 昇君) 人権の観点からは、個人の意見や考えは尊重されるべきであり、また政策形成の過程においても、いろいろな立場から議論が交わされることで互いの考えやその考えに至る背景を知ることになり、たとえ意見が最後まで違ったとしても、相互理解につながり、問題解決に向けた一歩となると考えます。
少子化についての議論も社会において活発にされてこそ、いろいろな課題が見え、また課題解決に向けた糸口を見つけ出すことになるのではないかと考えます。このため人権上の観点から少子化対策の議論や主張そのものが否定されるとは考えておりません。
◯委員(土屋 準君) わかりました。
もう1点は、同性愛に違和感を覚えることについての議論です。
性的少数者への偏見や差別については、オリンピック憲章にも定めるように、あってはならないものです。しかし、同性愛という関係に対し違和感を覚えると言う人はおります。例えば男性同士が抱擁し合っているような姿を見ることは、生理的にとても受け付けられない、実際のこともそうですし、映画やアニメなどに関してもそうなのですが、というようなものがあります。ところが、このような感情に対しては、ともすれば、そのような考えはおくれていると言われて否定されるという、いわゆる逆差別が起こるということもあります。
そこでお伺いいたしますが、性的少数者の人権尊重は、同性愛という関係に対し違和感を覚えるという観念自体を否定するものなのかお伺いします。
◯人権・男女平等参画担当課長(大浦 昇君) 性的マイノリティの方々は、少数派であるがために差別的な言葉や扱いを受けることがあります。このため性的マイノリティの方々の人権を守るため、各種啓発を積極的に進めております。また、一人ひとりが抱くさまざまな感情に配慮し、尊重することも大切であると考えております。
今後も区は区民の皆さんのさまざまな声を聞きながら、性的マイノリティの方々への理解が進み、互いを思いやり、多様な個性を認め合う人権尊重社会を築く取り組みを推進してまいります。
◯委員(土屋 準君) ありがとうございます。微妙な問題ですので、また今後考えていきたいと思います。
それでは、次のテーマに移ります。区の契約における区内事業者優遇策についてお伺いします。
平成26年第4回定例会におきまして、当時私は総務常任委員会の副委員長を務めていましたけれども、区内の建設事業者で構成する防災協力会等の5団体と労働団体1団体の6団体連名で、地元建設業関連事業者及び従事者の緊急対策を求める請願が提出されまして、全会一致で採択されました。
請願の内容は、入札参加事業者を区内に本店及び実態のある営業所を置く事業者とすること、最低制限価格を引き上げるとともに事前公表をやめること、防災協定を結んでいる事業者を入札において優遇すること、発注単価は適正な額になるよう引き上げることの4点でした。
区は、その請願内容について、平成27年度中に全て改善するとともに、区の契約に従事する労働者の環境確保策をはじめ、入札契約制度全般について積極的に改善を進めています。その対応については、関係団体からも高い評価を受けており、私も非常にうれしく思っております。とりわけ区内事業者優遇策については、従前は予定価格3,000万円未満の工事、2,000万円未満の物品購入、業務委託契約を対象としていたものを、最初の入札については、金額にかかわらず原則全て区内事業者に限定する拡充策を打ち出し、昨年4月から実施しています。
まだ制度改善から1年経過していないので、大きな変化は出ていないかもしれませんけれども、区内事業者優遇策拡充後の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
◯委員(土屋 準君) この1年でもいろいろ変化があらわれている点ではないかと思います。
区内事業者の中には、区内に本店がある事業者のほかに区内に支店、営業所がある事業者も含まれます。請願にもありましたが、支店、営業所の中にはその実態が疑わしい事業者もあると聞いております。当時の我が会派の鈴木たけし議員も総務常任委員会の場で、電話1本引いているだけの営業所と区内で本店を構えて頑張っている事業者が同一の扱いなのはおかしいのではないかというような趣旨の問題提起を行っておりました。
区は、昨年12月から、区内事業者の認定区分に区内事業者本店級という新たな区分を設け、業務の判断ができる責任者、事業の進捗を管理する事務員及び営業担当者の3人を置くこと、工事については、これに加え現場代理人となり得る技術職員を4人置くことを条件に、区内に本店を置く事業者と同様に優遇する制度を導入しました。
この制度により、これまで区の業務を担っている実態のある支店、営業所を排除することなく、区内に本店を置く事業者との公平性が確保できたわけであり、高く評価したいと思います。
そこで、本店級の認定についてどのような手続で実態の確認を行っているのか、また、現在までの認定の状況についてお伺いいたします。
◯契約管財課長(野上 宏君) 区内事業者本店級の実態確認は、区内事業者本店級としての認定の申請を行った全ての事業者に対しまして、職員が2名体制で実際に支店、営業所に赴き、調査してございます。実施調査では、事前に提出された書類を確認した内容について、改めて現地で確認を行うとともに、財務書類、契約書の保管状況、什器類の数など支店、営業所としての独立性、それからタイムカードや出勤簿による社員の勤務状況により人員の常駐性を確認し、その結果基準を満たすと判断した事業者を認定してございます。
昨年193者に対してこの新しい制度をご案内したところ、2月末現在で51者について区内事業者本店級としての認定を完了してございます。
◯委員(土屋 準君) いろいろな変化があらわれていますけれども、この制度改善はまだまだ必要な余地があると思いますので、ぜひこれからも改善を目指して検討していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
◯委員長(清原和幸君) 土屋委員の発言は終わりました。