◯委員(土屋 準君) 歳入におきましては、昨年に引き続き、いわゆるふるさと納税について質問したいと思います。一般にはふるさと納税と言われていますけれども、要するに自分が住んでいる自治体でない自治体に対しての寄附ということでありまして、それが通称でそのように言われている制度です。今年度から制度改正がありまして、より使いやすくなったということもあって、全国的にも活発な動きがあるようでございます。
昨年の予算特別委員会では、私は、港区にこれだけ在勤者がいるわけですから、勤務先への納税として呼びかけたらどうかという趣旨の質問をしましたけれども、企画課長からは、「ふるさと納税は個人の意思で自分の生まれ故郷、応援したい自治体に対する寄附を選択するものであることから、この制度趣旨を踏まえ、特別に在勤者に対して港区への寄附を呼びかけることは現在のところ考えておりませんが、ふるさと納税の実績の変化を注視していく」という答弁があったところでございます。
そこでまず最初に、この実績面をお伺いしたいのですが、最近の港区へのこの制度の寄附の件数と金額、並びに港区民が他の自治体へこの寄附をしている件数と金額はどれくらいでしょうか。
◯税務課長(白井隆司君) 港区へのふるさと寄附金、いわゆるふるさと納税を受けた直近の3年間の実績ですが、平成24年度では2人で10万3,000円、平成25年度は1人で10万円、平成26年度は3人で41万5,000円となっております。平成27年度は1月末現在となりますが4人で23万円となっております。
一方、港区民がほかの自治体に行った寄附ですが、平成24年中の実績が657人で約2億9,000万円、これによる減収額は約9,700万円となり、平成25年中は1,057人で約5億3,000万円、減収額は約1億8,700万円、平成26年度中は3,695人で約8億1,000万円、減収額は約2億8,400万円となっております。
◯委員(土屋 準君) 港区への寄附というのは余りないのですが、他自治体への寄附は多いという実態がございます。そもそもこの制度は地方と都市部との税源格差是正という意味合いもありますし、寄附に関しては個人の自由ですので、ほかの自治体へ寄附するなということは言えませんけれども、港区への寄附をどうしていくかは考える必要があるのではないかと思います。全国でこのふるさと納税が盛んになっておりまして、一方では返戻品合戦の様相を呈している感もありますので、港区があえてそこに参加するのかという意見もあるのではないかと思います。
逆にもし港区が取り組んでいくということであるならば、例えば、区内産業の活性化の観点から、区内商店会や港区観光協会などと協力したり、あるいは自治体間連携という観点からすれば、直接港区の特産品でなくても、港区と連携している先の自治体の特産品を活用することも考えられるのではないかと思います。そういった方法ならば、港区だけが利益を得るということではなく、多方面に効果が出るのではないかと思っております。ただ、昨年の予算特別委員会での答弁では、返戻品を送ることは考えていないということですので、今後の検討課題にしておいていただければと思っています。
ただ、積極的な呼びかけはしないまでも、港区に寄附しようと思った方が現状の手続の中で容易に寄附できるようにすべきではないかと思います。現状で港区に寄附をしようとする場合どうすればいいかということで、港区のホームページを見てみたのですが、ふるさと納税の受け入れは税務課で行っていますけれども、ホームページを見るとなかなかわかりにくい仕組みになっておりまして、ふるさと納税という項目がなかなか探せない、あるいは申請書ダウンロードというページの中の税金というところの中に、この手続の流れを示す表とか申込書がやっと出てくるという状況でございました。そして、港区は口座振込制度をとっていませんので、この出てきた申込書を郵送して専用の納付書を送ってもらい、金融機関の窓口で払い込み、寄附金受領証書を送ってもらうという、なかなか手間のかかる流れになっております。
そこで質問ですが、この申込書をホームページ上でわかりやすく表示したり、あるいは窓口などでの案内をわかりやすくするなどの改善ができるか、あるいはまた、ほかの自治体で導入しているように、区から送付する納付書以外の簡便な納付方法が検討できないかと思いますが、いかがでしょうか。
◯税務課長(白井隆司君) 港区に愛着を持ち寄附をしたいと考える方が、便利にわかりやすく手続を行えるよう、仕組みを整えることは重要と考えております。そのため、ホームページでの掲載方法の工夫や、窓口でのわかりやすい案内に取り組んでまいります。また、納付書以外の納付方法について、他の自治体では窓口での寄附受け入れや口座振込を導入している事例もあり、効果や課題等を研究してまいります。
◯委員(土屋 準君) ぜひ今後もよりよい方法を検討していっていただければと思います。
以上で質問を終わります。
◯委員長(清原和幸君) 土屋委員の発言は終わりました。