土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成26年度予算特別委員会(第2日目) 本文 開催日:2014.03.03

◯委員(土屋 準君)  歳入におきましては、初めに、地方消費税の配分についてお伺いいたします。
 この件につきましては、昨年の決算特別委員会でも質問しましたけれども、その際の答弁では、消費税収の配分は、現行5%のうち国税の消費税が4%、地方消費税が1%となっているということでございました。
 国の消費税の中には交付税分が入っておりますけれども、特別区にとっては東京都が不交付団体ですので、その分は入ってこないということになります。
 そこで、地方消費税の配分を見てみますと、地方消費税の中の2分の1が都道府県分、残りの2分の1が市町村分ということになっておりますけれども、どちらも現行の中では一般財源ということでございます。
 その市町村分の配分を見てみますと、人口と従業員数で1対1で案分しているということでございました。そうしますと港区のような従業員数が多い区ですと、全額を人口で案分するよりも税収増になるということでございます。
 そこで、今度引き上げ分の配分を見てみますと、消費税が8%になりますと、この地方消費税分は1%が1.7%に、0.7%増加するという計算になります。この引き上げ分も2分の1が都道府県で、2分の1が市町村ということでございますけれども、今度は社会保障財源という位置づけでございますので、市町村分の配分は全額人口により配分されるということになっております。そうしますとこれまでの方式に比べますと、港区にとっては税収減になる計算方法となります。
 そこで、これをそのまま今回の予算に当てはめて計算しますと、来年度予算ではもっと多くの額になると思うのですけれども、予算案では112億5,800万円ということになっております。
 この算定方法はどのようなことになっておるのでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  消費税率8%のうち1.7%分が地方消費税となります。これまでの1%に比べ1.7倍となります。なお、平成26年度算定は、平成25年12月から平成26年11月までに国に納付されたものが対象となるため、消費税率の変更の影響としては、4月から11月までの7カ月分が増影響にかかるものとなります。
 また、平成26年度における地方消費税収には、引き上げ前の消費税率によるものが含まれるとともに、引き上げ後の地方消費税率が適用された地方消費税が国を通じ都道府県に払い込まれるまでには一定期間を有することから、平成26年度の実際の影響額を1.2倍と見込んでおります。

◯委員(土屋 準君)  初年度ということで特有の計算方法があるということだと思います。そうしますと翌年度以降はどのような形になっていくのでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  国の想定では、平成25年度に比べて平成26年度が1.2倍、平成27年度が1.7倍となっています。また、平成27年10月から消費税率が10%になるとすると、その地方消費税分は2.2%であり、平成28年度は2.1倍となっております。そのような形で消費税率の引き上げの影響が平準化するのは平成29年度で、平成25年度の2.2倍と見込まれております。

◯委員(土屋 準君)  翌年度以降は平準化されていくと思います。この増収分の扱いにつきましては、二島委員から後で質問があると思いますので、次の質問に移らせていただきます。
 次は、法人住民税と都区財政調整制度についてお伺いいたします。
 初めに、法人住民税の一部国税化についてでございます。ご承知のとおり、平成26年度税制改正において、国は消費税率の引き上げに合わせて法人住民税の一部国税化を進めております。この法人住民税は、都区財政調整の調整3税の重要な1つであります。港区はこの都区財政調整において現在特別交付金の交付金はあるものの、普通交付金の不交付団体になっておりますので、余り影響はないかもしれませんけれども、この都区財政調整全体への影響は免れないのではないかと思っております。
 そこでまずお聞きしたいことは、この法人住民税の一部国税化による減収とはどの程度のものになるでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  法人住民税の一部国税化について、平成19年度から平成23年度の決算平均値で試算した場合、特別区法人住民税は約980億円の減収となります。なお、都区財政調整制度の調整財源である法人住民税が980億円減収することになりますと、その55%が都区財政調整交付金にあたることから、539億円程度の財政調整交付金総額が減収することになります。

◯委員(土屋 準君)  そのようになりますと、地方消費税の増収分がそれぞれの特別区の基準財政収入額に組み込まれるということになると思いますけれども、そうしますと、現在はこの港区だけになっています普通交付金の不交付団体が、その計算では増える可能性もあるのではないかと思います。そうしますと都区財政調整制度の姿も変わってきて、さまざまな影響を与えることになるのではないかと思いますけれども、この法人住民税の一部国税化をどのように捉えていますでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  今回の法人住民税の一部国税化の捉え方ですけれども、財政調整交付金の調整財源が国税化され、減収するとともに、地方消費税交付金が増収という形となるために、各区の予算額のうち都区財政調整交付金の占める割合が変化すると考えております。

◯委員(土屋 準君)  わかりました。港区はとりあえずは不交付団体ということで、そう影響はないかと思いますけれども、今度は、交付を受けています特別交付金のことについてお伺いしたいと思います。これは港区でも交付は受けておりますけれども、算定や交付のそれぞれの理由はなかなかわかりにくいということが実感でございます。
 そこで、この特別交付金とはどのような内容があって、どのような理由で交付されていますでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  特別交付金は、災害等のための特別の財政需要、または財政収入の減少や基準財政需要額の算定方法によっては捉えられなかった特別の財政需要、また災害以外の緊急に対応などのその他特別の事情など、基準財政需要額では算定されない特別の財政調整がある場合に交付されるもので、普通交付金のほかに認められた全体の5%分の交付金となってございます。
 港区の平成25年度の財政調整特別交付金の交付内容の一部ですけれども、災害に要する経費としまして、水害等応急対策、災害等の未然防止に要する経費としまして、津波避難ビル指定調査や橋りょう耐震補強、基準財政需要額や普通交付金の算定対象外の財政需要として、港区コミュニティバス運行支援事業や人口急増対応の保育園待機児童解消事業、また災害以外の緊急に対応するべき特別の事情としまして、区有施設におけるエレベーター安全対策などの財政需要で特別交付金を歳入しております。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。都区財政調整は特別区制度の中でも根幹を占める制度だと思っておりますので、今後もまた取り上げさせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(赤坂大輔君)  土屋委員の発言は終わりました。

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