◯委員(土屋 準君) 教育費では、小中一貫教育の方向性について質問させていただきます。
初めに、小中一貫教育の推進と学校選択希望制との関連について、お伺いいたします。
小中一貫教育については、教育委員会では平成22年度より義務教育9年間を見通した独自のカリキュラムは小・中学校の教職員が一体となった生活指導、小中一貫教育校の視点に立った校務分掌など、お台場学園での成果の検証を行っており、また、小・中学校の校長会においても、各中学校区の地域特性や児童・生徒の実態等に即しながら、お台場学園での成果と課題を踏まえ、小中一貫教育の推進等について研究しているとのことです。そして、中1ギャップの解消や不登校の未然防止、学力向上に向けた小・中学校教員の交流のあり方、一貫教育に向けた校内組織づくりなど、検証や研究を踏まえた成果を区全体での小中一貫教育に反映していくとしております。
一方、港区は開かれた学校づくりや特色ある学校づくりを推進し、学校の教育活動の活性化を図ることを目的に学校選択希望制を導入し、通学区域にかかわらず区内すべての中学校を選択できるようにしています。
そこで、この学校選択希望制と小・中学校の連続性を重視した小中一貫教育との関連については、どのように考えてますでしょうか。
◯教育政策担当課長(山本隆司君) 小中一貫教育を推進する中においても、現在の学校選択希望制は維持されます。当然、小中一貫教育校として連携している小学校の児童が、そのまま連携先の中学校へ進学することが望ましいところですが、中学校は従来どおり児童保護者が選択いたします。教育委員会の基本方針では、魅力ある学校教育の推進の中で、基礎・基本を徹底し、学力の向上を図るため、習熟の程度に応じた少人数指導や体験的な活動、主体的な学習を重視した教育内容、指導方法の改善に努め、子どもの興味や関心を高める授業を積極的に展開するなど、一人ひとりの個性や創造力を伸ばす個に応じた多様な教育を推進するとしております。
小中一貫教育においても、9年間の枠組みの中で、児童・生徒の発達段階に応じて、個に応じた継続的な学びや成長を保障するものです。学習指導や生活指導において、小・中の教職員の連携により、子どもの様子を十分把握することが可能です。今後、区全体が小中一貫教育校となり、すべての学校が同一の小中一貫学習カリキュラムで授業を行っていくことで、他の学校を選択する場合でも学習面での連続性は確保していくことになります。
◯委員(土屋 準君) そうしますと、小中一貫教育を全区で導入した場合、各学校の特色というのは、どのように出すのでしょうか。
◯教育政策担当課長(山本隆司君) 現在、教育委員会の基本方針のもと、各小・中学校ではそれぞれ特色のある教育を展開してございます。区内全体が小中一貫教育校になった場合、学習指導や生活指導等での小・中の教職員間の連携の強化や、小中一貫学習カリキュラムによる教育課程の連続性は小中一貫教育の基盤として重視されますが、各学校ならではの地域との連携・協力による学校行事や特色として行っている教育内容など、これまで培った各校の特色や伝統などについては引き続き確保していきます。小中一貫教育校となることで、保護者や地域との連携をより一層深め特色ある学校づくりが展開できるよう、検討していきます。
◯委員(土屋 準君) 港区では、お台場学園に続き、朝日中学校通学区域においても平成27年に小中一貫教育校を開校する予定であり、今後、施設一体型のみならず、施設隣接型や施設分離型での設置についても検討を行い、全区で小中一貫教育を推進していくということです。こうした方向性を踏まえまして、これまでのところ小中一貫教育については、どのような課題があり、その解決策をどのように考えているのでしょうか。
◯教育政策担当課長(山本隆司君) 現在、検証を進めているお台場学園では、課題として、日々の学校生活の中での一層の小中異年齢交流の推進が挙げられます。国語の授業で中学生が小学生低学年に読み聞かせを行ったり、小学生児童会と中学生生徒会が一緒に募金活動を行ったり、小学生低学年の給食準備や清掃活動を中学生が支援するなど、学校生活全体を通しての異年齢交流を一層活発に行うことが必要です。今後とも小・中の連携を積極的に推進し、豊かな人間性や社会性をはぐくんでまいります。
なお、施設隣接型や施設分離型での小中一貫教育の推進については、物理的、時間的な制約の解消など、小・中学校間の意見交換の仕組みや地域との連携のあり方など、今後研究してまいります。
◯委員(土屋 準君) ありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
◯委員長(鈴木たけし君) 土屋委員の発言は終わりました。