土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成24年度予算特別委員会(第6日目) 開催日:2012.03.09

◯委員(土屋 準君)  それでは、最初に、居住を考えたまちづくりについてお伺いしたいと思います。
 港区にはいろいろな地域があります。その中でも都心の特性をより強く持っている愛宕とか赤坂といった地域は、商業地という立地もありますけれども、以前からの居住者の減少とか高齢化が進んでおります。さらに、都市再生緊急整備地域ですとか、総合特区、そういったものなどで商業や国際化拠点としての位置づけも指定されました。地域の人たちからは、昔はこのあたりも子どもが多く見られたものだけれども、最近は子どもたちの姿も見えなくなってしまった。港区の南の方は人が増えているようだけれども、この辺は将来は人がいない地域になってしまうのではないかという不安の声をよく聞きます。区としては、このような地域での居住の観点から考えたまちづくりというものについて、どのような考えを持っているのでしょうか。

◯参事(都市計画課長事務取扱)(佐野和典君)  港区は、良質な都市空間・居住環境の維持・創造というまちづくりマスタープランの基本理念を掲げるとともに、港区まちづくり条例を改正するなど区民主体のまちづくりを推進してきました。港区内で指定されている都市再生緊急整備地域や特定都市再生緊急整備地域においては、商業、業務、居住など、多様な都市機能の強化について方向性が示されております。都市開発事業を適切に誘導することで、区民の皆さんが安全・安心に生活できる居住環境の向上が図られるよう取り組んでまいります。

◯委員(土屋 準君)  同じ都心区であります千代田区とか新宿区では、例えば、地元町会に加入するといった条件をつけて子育てファミリー世帯に対する居住支援をしております。港区では、このような世帯に対する居住支援策について、どのように考えていますでしょうか。

◯住宅担当課長(吉田慶弘君)  区では、子育てファミリー世帯に対する居住支援策として、中堅所得者向けの特定公共賃貸住宅や区立住宅の抽選時に住宅ごとに優先枠を決めて、子育て世帯等の抽選倍率を3倍優遇する措置を実施しております。
 また、国の交付金制度を活用して、特定公共賃貸住宅の一部において、未就学児童のいる所得が一定額以下の世帯に対しまして、家賃を減額する家賃低廉化事業を実施するなど、子育てファミリー世帯に対して居住支援を行っております。
 町会加入などを条件としました家賃助成による居住支援につきましては、現在考えておりませんが、子育てファミリー世帯に対する、より有効な居住支援の方法につきまして研究してまいります。

◯委員(土屋 準君)  あと、区として居住促進の制度を創設して、特定の地域を指定して集中的に居住促進政策を展開することまでは難しいと思うのですけれども、全区一律という方法ではなく、地域特性を考慮した政策というのはできるのでしょうか。

◯住宅担当課長(吉田慶弘君)  区では、一定規模以上の開発につきましては、港区開発事業に係る定住促進指導要綱によりまして、住宅等付置を義務づけておりますが、昨年この要綱を見直し、付置住宅の特例として開発事業者の都合により、どうしても開発地と別の場所に付置住宅を設ける必要がある、いわゆる隔地住宅につきまして、人口増加が進んでいる臨海部を隔地制限地区として規制しまして、山手線より内側に付置住宅を設けることとしました。特に住宅付置が望ましい地区につきましては、開発事業者に対して住宅の付置を要望してまいります。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。ぜひそうやった政策も検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、芝「大門」の所有と今後の対応についてお伺いいたします。先日も触れさせていただきましたけれども、芝「大門」、いわゆる赤門の所有がはっきりしないという報道がありましたけれども、現在の所有はどうなっていますでしょうか。

◯土木施設管理課長(湯川康生君)  芝「大門」は明治11年に増上寺から、当時の東京府に寄附されまして、その後、昭和12年に東京市により、それ以前の木製のものから、現在の鉄骨鉄筋コンクリート造のものに改修され、現在に至っております。改修された当時は「大門」を含む区域が芝公園の公園区域でございました。その後、昭和40年に「大門」のある道路は都道から区道に変更されましたが、その際に「大門」については、東京都からの引き継ぎはなされておりません。東京都によりますと、改修後、東京市や東京都から「大門」の所有が移されたとの記録は確認できず、所有者は東京都になると考えられるが、現在、事実関係を確認しているところということでございます。

◯委員(土屋 準君)  「大門」は地域にとっては貴重なシンボルでありますけれども、それでは、現在区は、「大門」の景観の観点での重要性について、どのように考えていますでしょうか。

◯参事(都市計画課長事務取扱)(佐野和典君)  芝「大門」が位置する大門通りは、かつて東海道と芝増上寺をつなぐ参道としてにぎわい、その様子は浮世絵や江戸名所図会などに描かれてきました。このような歴史性とにぎわいが重なりあう魅力あるまちなみをはぐくむため、平成21年に策定した港区景観計画では、大門通り周辺を景観形成特別地区に指定しております。芝「大門」は、このような参道としての面影、寺町の風情を今にあらわすとともに、地域のシンボルとして広く親しまれており、この地区の景観形成には重要な存在だと考えております。

◯委員(土屋 準君)  地域のシンボルとして親しまれております「大門」ですので、地元の意向を踏まえて、区としても、東京都や増上寺と連携して適切な維持管理が行われるように働きかけていってほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、コミュニティバス「ちぃばす」の採算性向上策について、お伺いいたします。
 先日、全国のコミュニティバスの利用頻度に関する記事がありましたけれども、それによりますと、利用頻度は都市によって異なってますけれども、その中で自治体が事業主体であります約300のコミュニティバスの中で、港区はトップクラスになっているというものでございました。これは評価できますけれども、利用者が増えれば、より採算性の向上にもつながりますので、さらなる利用促進策について質問したいと思います。
 まず、区が実施しました利用満足度調査によりますと、よいと思う、満足しているという点の1位は、どのルートでも料金となっています。100円という料金は一番の魅力となっているのではないかと思います。また、区民にとっては「ちぃばす」は知られていても、区民以外の人にはそれほど知られていないことが考えられます。例えば、芝ルートは区民以外の利用者の割合が、ほかのルートに比べて高くなっております。100円という料金をアピールできれば、利用者増につながるのではないかと思います。ところが、バス停を見ると、100円という文字がなかなか見つからなくて、細かい説明の文章を読んでいくと、やっとその中で出てくるということです。「ちぃばす」のマークが上にどんと乗っていますけれども、例えば「ちぃばす」のマークのかわりに100円というのを大きく表示するとか、そういう策はできないでしょうか。

◯土木計画・交通担当課長(冨田慎二君)  「ちぃばす」の新規5路線は平成22年3月24日の運行開始以降、順調に利用者を増やしております。委員ご指摘のとおり、利用満足度調査等においても、運賃100円に満足しているという結果が出てございます。今後、「ちぃばす」の利用者数を増やし、さらなる事業採算性の向上を図るため、運行事業者と協力して、バス停標識に記載してございます100円の運賃表記をわかりやすくする工夫に取り組んでまいります。

◯委員(土屋 準君)  よろしくお願いいたします。
 もう一つ、携帯電話などからも、現在バスがどこを走行しているのか、運行状況を確認できるようになっていたり、あるいは時刻表とかバスの所要時間なども見ることができまして、とても便利であると思っております。それに加えて、交通情報検索サイト、駅すぱあとでも「ちぃばす」の検索が可能なのですけれども、要するに、ある人がここからどこかへ行こうとする場合、地下鉄で行くのか、都バスで行くのかという選択肢の中で、「ちぃばす」もあるということが知られれば、もっと利用者向上にもつながると思いますので、こういうサイトなどでも検索ができるということを、例えばパンフレットなどで周知を図ったらいかがかと思いますが、どうでしょうか。

◯土木計画・交通担当課長(冨田慎二君)  最近、スマートフォンや、携帯性の高いタブレット型パソコンの普及で、外出先でもインターネットの利用が容易になってございます。区が実施した「ちぃばす」の利用満足度調査結果によりますと、「ちぃばす」は区内の住民にはかなり知られてございますが、仕事や観光の移動手段としては、まだ十分に活用されているとは言えない状況でございます。今後、仕事や観光でも「ちぃばす」をさらに利用していただく機会を増やすため、コミュニティバス検索サイト、コミたん、駅すぱあと等、インターネット交通情報検索サイトの周知に努めてまいります。

◯委員(土屋 準君)  ぜひ、いろいろな工夫を重ねて、利用者の増加につなげていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(鈴木たけし君)  土屋委員の発言は終わりました。

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