土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成24年度予算特別委員会(第3日目) 開催日:2012.03.06

◯委員(土屋 準君)  それでは、きょうは施設跡地の活用についてというところから質問させていただきたいと思います。
 先日、議会の管外視察で、旧伊豆健康学園や旧仙石みなと荘跡地、そういったものを見てまいりました。さまざまな施設の跡地に関しましては、区内でもみなと保健所の移転により、旧赤坂小学校跡地なども今後の活用の方向性が注目されるところでありますけれども、中でも、この旧伊豆健康学園というのは、平成13年に廃止されておりますので、もう10年が経過しているわけでございます。
 区内の公有地の問題に関しましては、旧小諸高原学園跡地は、昨年4月から民間事業者に貸付を開始しまして、わずかながらでありますけれども、地代収入をもたらしているというところでございます。
 また、旧仙石みなと荘跡地は、入札の基調は続いていますけれども、売却方針が既に打ち出されております。そうしますと、区内公有地に関する問題は、この旧伊豆健康学園跡地の取り扱いを残すのみとなっているわけでございます。
 旧伊豆健康学園は、施設の廃止後も多額の維持管理費、経理や清掃関係、あるいは光熱水費、そういったものなどが支出されております。現状を解消するためには、早期に取り扱い方針を定めるべきだと思いますけれども、これまでの検討状況はいかがでしょうか。

◯用地活用担当課長(重富 敦君)  旧伊豆健康学園跡地の活用につきましては、庁内の検討組織や、学識経験者等の外部の知見も入れて検討を行い、またこの間、直近では、昨年8月の調査も含めて、3度にわたり施設利用の調査を実施しましたが、活用策を見出すには至っておりません。こうしたことから、改めて地元自治体の伊東市と情報を共有し、跡地の取り扱いについて、忌憚なく意見を交わしていくことが、この状況を打開するためのかぎになるのではないかと考えております。
 施設の廃止以降、維持管理費を支出し続けている現状には危機感を抱いておりまして、早期に具体的な取り扱い方針をお示しできるよう、地元自治体の意向も踏まえながら、検討を進めてまいります。

◯委員(土屋 準君)  区が直接施設を整備する余地がなく、もし地元自治体に有効に活用してもらうという可能性があるのでしたら、そういったことも視野に入れて検討を行うとしても、区民の理解も十分に得られると思いますので、こうした点も踏まえて、いずれにしても早期に取り扱い方針を定められることを期待いたします。
 次は、施設等の共同設置についてお伺いいたします。
 これも他区の事例ですけれども、豊島区と北区がそれぞれ持っている勤労者福祉サービスセンターというのが、この4月に合併して運営を効率化することになったという記事がございました。ちなみに、港区では平成20年度末に勤労者サービス公社は解散しまして、福利厚生事業は、区の直営で民間委託の形態にしているということでございます。
 ほかにも、例えば臨海斎場といったものは、港区をはじめ、5つの区で共同で設置しているものがございます。近隣の区と共同で公共施設といったものを整備するということは、効率性などの面でメリットがあると思いますけれども、そういったメリット、あるいは課題を踏まえた共同設置というものについての可能性をお伺いしたいと思います。

◯企画課長(新宮弘章君)  臨海斎場や、生活保護法に基づく厚生施設など、広域的な課題への対応のために公共施設などを共同設置することは個々の自治体で処理するより簡素化、効率化が期待でき、有効な手法であると考えております。
 一方で、地域の課題への対応のために、地域に密着した子育て関連施設や、高齢者福祉関連施設の設置など、区民の要望をきめ細かく反映して運営する必要があることから、共同設置になじまない施設もあると考えております。
 今後も、区民の福祉の増進を目的とする公の施設の設置、運営については、設置目的、サービス内容、運営の効率性、効果性に基づき、共同設置も視野に入れ、適切に制度運用していく必要があるものと考えております。

◯委員(土屋 準君)  今後、例えば都などからの業務移管といったケースの可能性もありますので、今後の課題としてぜひ検討していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、防災体制についてお伺いいたします。
 初めに、自衛隊等との防災協力体制についてであります。前回の決算特別委員会でも質問した件ですけれども、首都直下型地震のようなものが起きましたら、警察や消防、自衛隊といったものなどとの連携が必要になってくるのではないかと思っております。警察や消防といったものは、その中でも比較的日ごろから交流する機会がありますけれども、自衛隊となると、なかなかそのような機会もございません。今の平時のうちに、区や地域の防災リーダーといった人たちと自衛隊との交流の機会をつくって、協力体制を構築していく必要があるのではないかという趣旨で前回質問をさせていただきましたけれども、その後、状況はいかがになっていますでしょうか。

◯防災課長(遠井基樹君)  本年1月21日に実施いたしました防災学校の施設見学会では、自衛隊の朝霞駐屯地を見学してまいりました。災害が発生した場合に、港区を担当し、かつ東日本大震災で被災地に派遣された経験を持っている隊員の方から、直接災害派遣時の支援体制についての説明を受けてまいりました。その際の説明からも、災害時における自衛隊の活動につきましては、救助用の資機材や、航空機などの機動力を有することから、その役割は大きいと再認識しております。
 また、参加された住民の方々からも、同様の意見が聞かれました。来年度に改定を予定しております地域防災計画の中で、自衛隊をはじめとする各防災関係機関と、区並びに地域住民との連携強化策について、検討を進めてまいります。

◯委員(土屋 準君)  早速に取り組んでいただきまして、ありがとうございます。ぜひこれからもそういった取り組みを続けていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 もう1点、非常時の組織体制について、お伺いしたいと思います。この首都直下型地震が起きましたら、行政機能にも支障を来す可能性があるのではないかと思います。さきの東日本大震災では、町長が亡くなってしまったり、あるいは防災庁舎自体が津波に流されてしまったところもございました。そうしますと、例えばある地区の災害対策本部が壊滅状態になったり、必要な職員が参集できずに、災害対策本部の災害指令情報部門が機能不全に陥った場合や、あるいは部署ごと職員が不在になってしまった場合など、さまざまな可能性が考えられると思いますけれども、そういったときには、やはり柔軟に組織を編成できるようになっていることが重要ではないかと思います。
 いわば、そういった非常時の際の業務継続計画というものがあると思いますが、そのような事態を想定した体制というのは、どのようになっていますでしょうか。

◯防災課長(遠井基樹君)  区では、大震災に備え、平成21年度にBCP、業務継続計画の震災編を策定いたしまして、限られた人員や、限られた行政資源のもとで、震災対応のために最優先して行うべき災害時優先業務を特定し、本年は整備したマニュアルの検証をしながら、職員の訓練を実施しました。
 また、災害時には本庁舎と各総合支所の情報連絡が極めて重要であることから、防災無線のほかに、ホットラインや衛星携帯電話を整備するなど、二重、三重に通信手段を整えるなどの対策も講じております。
 さらに、本庁舎の災害対策本部の機能が喪失した場合に備え、本部機能の代替施設の整備も進めております。今後とも非常時における組織体制をしっかりとつくれるよう、BCPのさらなる検証と訓練を進めてまいります。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。ぜひそういった事態に備えた対応もしっかり整えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、選挙管理業務におきます区民参加についてお伺いしたいと思います。投票立会人等、選挙管理業務に携わる区民といいますのが、どうしても固定化、高年齢化というものが見られて、特定の立会人に負担もかかっているのではないかという現状もございます。そのような中で、若い世代に選挙に対する関心を引き、投票率の向上にもつなげる策として、そういった若い世代を対象にした投票立会人の公募という方法があるということでございますけれども、これはどのように募集していますでしょうか。また、今のところ、応募状況はどのようなものでしょうか。

◯参事(選挙管理委員会事務局長事務取扱)(山下 充君)  若い世代の投票率が低いことは、全国的な傾向でございますが、港区においては、その傾向が特に際立っておりまして、若い世代に対する働きかけは、目下の最重要課題として認識しております。
 選挙のたびに20代の投票立会人を広報みなとを通じて募集いたしまして、事前研修等を行った上で選任、配置をしております。
 応募者数につきましては、残念なことに若干少ないという状況でございます。

◯委員(土屋 準君)  いずれにしても、あまり浸透していないのではないかという感じを受けます。
 そこで、例えば、よく社会福祉協議会などでは、高齢や障害、病気、けがなどの理由で支援を必要とする人に、支援する人を登録するという、「おむすびサービス」や、あるいは育児の手助けが必要な人に手助けをする人を登録する「子むすびサポート」といった制度があると聞いていますけれども、同じようにはできないかもしれませんけれども、そういった仕組みを参考にしまして、今後、いろいろな募集方法をさらに工夫するなど、充実を図るといった方法があるかと思いますが、その辺のところはいかがでしょうか。

◯参事(選挙管理委員会事務局長事務取扱)(山下 充君)  今、応募者が少ない状況なものですから、これから区のホームページへ掲載したり、あるいは区内大学に直接働きかけるという方法を検討しておりまして、今後さらなる浸透に努めたいと考えております。
 投票立会人の選任方法ですが、これは公職選挙法で具体的に定められておりまして、選挙管理委員会の側が本人の同意を得て選任するということになっております。
 港区におきましては、明るい選挙を推進し、選挙の明朗化を図るということを目的として活動しております、港区明るい選挙推進協議会の推進委員の皆さんが最も適任であろうという判断のもとに、長年協力をお願いしてきたという経過がございます。選任方法につきまして、今後、状況の変化などを踏まえて、一定の見直しが必要という認識も持っております。
 今、ご提案のございましたような、登録制のような仕組みをつくることにつきましては、将来に向けての検討課題の1つとさせていただきたいと思います。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。
 最近、選挙管理委員会は記号式投票の導入の方針を打ち出したり、さまざまな改革に取り組んでいることと思いますけれども、ぜひこれからもいろいろなことを検討していって、改革を進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(鈴木たけし君)  土屋委員の発言は終わりました。


◯委員(土屋 準君)  それでは電気自動車の普及活用についてお伺いさせていただきたいと思います。
 前回の決算特別委員会でも、電気自動車の活用について質問させていただきましたけれども、電気自動車は地球温暖化の原因となりますCO2、大気汚染の原因となる窒素酸化物や粒子状物質を走行中に発生させないため、地球と人に優しい自動車として注目を浴びております。自動車メーカーも販売に力を注いでいるようですけれども、いまだ価格が高いことですとか、あるいは急速充電設備の設置箇所が少ないこともありまして、普及がなかなか進んでいないのが現状のようであります。
 私は電気自動車の普及には、電気自動車の購入ですとか、あるいは充電設備についての助成などの普及策が必要ではないかと述べましたけれども、区は充電設備の助成事業を来年度から実施するとのことですけれども、まずその内容についてお伺いいたします。

◯環境課長(今福芳明君)  電気自動車の普及促進には、充電設備などのインフラ整備が重要なため、平成24年度から新たに区民及び共同住宅管理組合、中小企業者、リース事業者を対象とした充電設備設置の助成を開始いたします。対象機器は、急速充電設備と普通充電設備の2種類で、それぞれ一般社団法人次世代自動車振興センターが指定し、一定の要件を満たしている機器が対象となります。助成金額につきましては、急速充電設備が、機器本体価格の8分の1で、上限37万5,000円。普通充電設備が、機器本体価格の4分の1で、上限10万円を予定してございます。なお、充電に要する時間につきましては、急速充電設備が約30分で8割の充電ができるものに対し、普通充電設備は、200ボルトで6時間程度、100ボルトで12時間程度となってございます。

◯委員(土屋 準君)  早速に取り組んでいただきましてありがとうございます。また、他区の事例ですけれども、千代田区で、庁有車のカーシェアリング事業というのをやっておりまして、これは区が持っている電気自動車を、区が業務で使用していない時間に区の施設を利用し、区民、事業者が利用できる事業を実施しております。利用方法は、会員登録をして、携帯電話やパソコンなどから24時間予約できるシステムです。こうした取り組みはほかにも岐阜市ですとか、横浜市でも始まっているようでございます。
 そこで港区としても、このように区の施設を利用しまして、区が持っている電気自動車をシェアリングする事業を行ってみてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯環境課長(今福芳明君)  庁有車で電気自動車のカーシェアリングを行っている他の都心区の事例では、拠点となるステーションの数が少ないことや、公共交通機関が充実していることなどから、利用実績が非常に低い状況と聞いてございます。これらの課題に加え、現在、区が保有する電気自動車は1台で、業務やイベント等で使用しているため、区の業務の空き時間を活用してシェアリングを行うことは難しい状況でございます。現時点での区の電気自動車を活用したカーシェアリングを実施することは考えてございません。
 しかしながら、電気自動車の普及促進の観点から、他の自治体での実施状況も参考にしながら、拠点となるステーションの確保や、効果的な運営方法などについて研究してまいります。

◯委員(土屋 準君)  区がみずからシェアリング事業を実施することは課題があるようですけれども、電気自動車の地域共有は、CO2削減効果だけではなくて、災害時におきましては非常用交通手段に活用できるという利点があります。昨年の東日本大震災では、ガソリンの供給不足というのが課題になりました。電気も供給不足が課題になりましたけれども、災害時には電気の復旧が最も早いと言われております。被災地で電気自動車が活用したということもございます。そこで、マンションの住人が共同で電気自動車のシェアリングをする際などに、区が今回実施する充電設備助成を活用することも考えられます。今後、電気自動車の普及、活用策として、シェアリングの仕組みなどを積極的に紹介してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

◯環境課長(今福芳明君)  電気自動車は、地球温暖化対策、大気汚染対策に有効な次世代の自動車として国内外で販売や開発が進められておりまして、区としてもその導入促進は大変重要なものと考えてございます。マンションなどにおける電気自動車の住民同士のシェアリングは、自動車所有のコスト削減や、エネルギーの節約、排ガスの削減など、環境への配慮、また非常用電源としての利用も考えられます。今後、都市部における自動車の有効な利用方法として広がっていくものと考えております。
 区では、今後も東京都が現在進めております電気自動車・プラグインハイブリッド車普及促進プロジェクトと連携しながら、電気自動車の普及啓発を進めるとともに、充電設備の助成制度の周知と合わせ、イベントやパンフレットなどを通じて、カーシェアリングの仕組みについても積極的に紹介してまいります。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございました。ぜひそちらの方もよろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(鈴木たけし君)  歳出第3款環境清掃費の質疑の途中でありますが、以上にて、本日の審議を終了いたします。
 これをもちまして、本日の委員会を閉会といたします。

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