○委員(土屋準君) 本日最後の質問ですので、端的にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
教育費におきましては、給付型奨学金についてお伺いをいたします。令和3年度は、港区で給付型奨学金が開始されました。この応募資格は、経済的理由により就学が困難であること、大学等に在学している学生等であること、学業成績が特にすぐれていることなどです。
支給金額は、国の授業料等減免、国の給付型奨学金等を踏まえ、収入基準により区分が分かれていますけれども、国公立、私立の別、自宅通学、自宅外通学などの通学形態によって定められております。
募集時期は原則、毎年5月頃の1次募集と8月頃の2次募集というのがありますけれども、そのほか進学予定者向けの予約募集が前年の末頃にあります。また、給付型と貸付型を合わせて受給することもできるということでございます。
そこでまず質問ですけれども、これまでの実績はどのようなもので、課題をどのように捉えていますでしょうか。
○教育長室長(佐藤博史君) 給付型奨学金について、これまで採用となりました給付奨学生は、令和3年度が36人、令和4年度が、6月の1次募集までで23人の合計59人となっております。こちらの人数は、制度開始時の試算を下回っているため、より周知が必要と考え、これまで、全国約3,000校の公私立大学等や区立中学校卒業生の保護者へのパンフレット配布など、制度の周知に努めてまいりました。
しかしながら、新規奨学生の募集期間中や日々の問合せの際には、依然として、このような制度があることを知らなかったといった声をいただくこともありまして、給付型奨学金を必要としている人への情報を届けることの難しさを課題として捉えております。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。想定より少し少なかったということでしょうか。せっかくこの給付型奨学金を導入したわけでありますけれども、それが本来利用できる人がその制度を知らなくて、利用できなくなったり、あるいは進学を諦めるようなことになったら残念なことだと思います。また、この制度をよりよいものにしていくため、この奨学生からの声を集めるのも有意義なことではないかというふうに思っております。
そこで質問ですが、こうした課題の解決に向け、どのように取り組んでいますでしょうか。
○教育長室長(佐藤博史君) 今年度、新たな取組としまして、毎年7月に、給付奨学生を対象に実施する経済状況確認の際にアンケート調査を実施し、奨学生からの直接の声を聞きました。本アンケートでは、給付型奨学金制度をいつ知ることができるとよいと思いますかという問いに対して、高校等在学中という回答が多く見られました。
そこで、今年度は周知用の簡易版リーフレットのほか、進学を考える高校生が、制度の利用のために必要な情報をピックアップした案内パンフレットを別途作成し、東京都内の公私立高等学校、約450校へ配布することで、進路指導に活用してもらうことを予定しております。
今後も、給付型奨学金を必要とする人へ、より確実に情報を届けることができるよう、効果的な周知に努めてまいります。
○委員(土屋準君) ありがとうございます。いろいろ工夫はされているようですけれども、ぜひ、せっかく導入した制度ですので、その利用できる人が知らないということで、利用できなくなったり進学を諦めたりとすることがないようにこれから取り組んでいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。