○委員(土屋準君) 衛生費におきましては、親になる学びについてお伺いいたします。
以前の委員会で、これは民生費ですけれども、親教育というものの話をいたしました。といっても、そういった用語があるというわけではないのですけれども、要は、あらかじめ親になる学びをしておくことによって、将来の児童虐待などを未然に防ぐといったことができないかということであります。
以前にも取り上げましたけれども、私たちは知識を習得する教育というのは受けてきても、なかなか親になる学びというのは受けられなかったのではないかと思っております。そうした学びがないので、親になる自信がないから、子どもを持つのをためらったりするとか、あるいは、そうした学びがないまま親になることで、児童虐待などが起きてしまうということが考えられます。問題が起きてから対処するだけでなく、起きる前に予防することができないかということでございます。
衛生費の分野でも、港区では、先ほどやなざわ委員も触れていましたけれども、みなとプレママ応援事業ですとか、妊娠・出産及び育児についての知識を普及する母子健康教育、あるいは、相談を通して育児に関する親の不安を軽減し、育児を楽しめるように支援したりする育児相談、訪問により妊娠・出産及び育児に関する様々な相談支援等を実施するとともに、母子の心身状態等を的確に把握した上で、適正な支援の提供に結びつけることで、育児不安の軽減や虐待予防を図る母子訪問指導といったものも実施しております。
そこで、まず質問ですが、現在このような取組の実施状況はどのようなものでしょうか。
○健康推進課長(二宮博文君) 区では、保護者が子育てに自信を持って取り組めるように、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援体制の整備を行っております。母親学級、両親学級では、プログラムの中に体験談などを取り入れ、実際に親になることをイメージしてもらうとともに、具体的な育児手法などについて専門職が指導しております。また、みなとプレママ応援事業においては、出産を控えた妊婦に面接を行うことにより、産前産後の不安や疑問を受け止め、孤立した子育てにならないよう、必要な方に継続支援を行うとともに、親になる意識の醸成を図っております。
○委員(土屋準君) 区でもいろいろ工夫した取組をしているのではないかと思います。
ある研究で、父性とか母性とかといいますけれども、それを合わせて親性と呼んで、親性になる脳というのを対象にした研究があるそうなのですけれども、その結果、親性になる脳の発達に男女差はないという研究結果が得られたというものがありました。それでは、親性脳というのがいつから発達するかというと、母親のほうは妊娠があるから分かるのですけれども、父親になる男性のほうの親性脳がいつから発達するのかというのを調査したところ、それはパートナーの妊娠期からだったということだそうです。ただ、個人差が大きく、仕事などで勤務時間が長い男性は発達が遅かったそうです。ですので、男性も育休だけでなく、産休を取得したほうがいいということだそうです。
その研究の結果、親性脳の発達を支援する取組、例えば育児支援学級の普及や、思春期前から継続的な乳児との触れ合い体験学習、パートナーとの円滑なコミュニケーションを外部からアシストする育児支援技術の開発などが求められています。こうした支援の実現は、パートナーや子どもを含む家族の幸福度、さらには実子を持ちたいという出産意欲を向上させ、日本の少子化対策に大きく寄与すると考えています。
私も、妊娠・出産を契機としたこの時期に、父親となる男性にも親になる学びを提供するのが効果的と考えまして、今回は衛生費で取り上げさせていただきました。例えば、育児講座などを受講した人に出産祝いを支給するなどして、多くの人に親になる学びをしてもらうということも検討できればと思います。
そこで質問ですけれども、妊娠・出産を契機としたときに、父親となる男性にも、親になる学びを積極的に提供していってはと思いますが、どのように考えているでしょうか。
○健康推進課長(二宮博文君) 妊娠・出産の時期は、家族の形態や生活の変化が生じる時期です。両親学級では、妊娠中や産後の心身の変化や、お産の経過、妊娠、出産と変化していく夫婦のコミュニケーションや、父親の役割などを学ぶプログラムを提供しております。今後もパートナーと協力して親になることを意識し、前向きに育児に取り組んでもらえるよう、プログラム内容を検討してまいります。
○委員(土屋準君) ぜひ工夫していっていただければと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。