土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

令和2年度決算特別委員会-09月27日

○委員(土屋準君) 民生費におきましては、子ども家庭相談について、お伺いをさせていただきます。
 まず、子ども家庭支援センターに移管しての状況についてです。
 区では、以前は子ども家庭課内に家庭相談支援センターを設置し、配偶者等からの暴力被害の相談を受けるほか、家庭内で発生する夫婦、親子、嫁姑や結婚・離婚等の問題をはじめ、職場の人間関係などについても相談を受け付けてきました。
 令和元年度までの家庭相談センターは、業務委託により運営を行っていましたけれども、相談内容の複雑化、多様化が進み、また、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法や児童虐待防止法などの改正もありまして、相談の解決にあたっては、庁内のみならず、警察や弁護士など他機関との連絡調整も増加してきたという状況があったそうです。それで、業務委託による運営では臨機応変さに欠けるとともに、対外的な交渉には、委託事業者ではなく職員の関与が強く求められるなど、従前の執行体制には大きな課題が生じていたそうであります。
 そこで、昨年度には、会計年度任用職員として社会福祉などの専門知識を有する家庭相談支援員を採用し、体制の強化を図ってきたとのことです。そして、この家庭相談機能は、今年度に子ども家庭支援センターへ移管をしました。
 そこでまず質問ですが、子ども家庭支援センターへ移管して、家庭相談の状況はどのようなものでしょうか。

○子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 家庭相談担当は、DVの相談時に夫婦げんかを目撃していた子どもの状況を把握したり、児童虐待の相談から夫婦間のDVの問題を把握したりなど、相談支援係や児童相談所とこれまで以上に家庭全体の状況を速やかに共有し、必要な支援につなげることができるようになりました。
また、DVを目撃したことで子どもへの心理的影響が大きいときには、児童相談所の心理士が子どもの心のケアに対応するなど、専門的な支援も迅速に行っています。

○委員(土屋準君) 今度は児童相談所と同じ施設ですので、そういった連携もできていくのではないかと思います。
旧赤坂小学校の跡地に開設された国際医療福祉大学大学院の赤坂心理相談室というのがあるのですけれども、そこでは家族療法という手法を用いて、家族の構成員個人を見るだけでは分からなかったことが、家族全体を見ることで分かるようになったということがあるといいます。
例えば、子どもの不登校問題というのがあって、それを家族全体という観点から見たところ、母親の不安から母子密着というのがあったので、父親の育休取得というのを勧めたところ、父親が参加するようになり、母親の安心感が得られ、子どもの自立につながったということのようです。
子どもだけを見るのではなくて、母親や父親など、あるいは場合によっては、虐待の連鎖みたいなことがありますので、祖父母とか、家族全体を見るということだそうです。
また、日本ではまだ少ないという家族心理士や家族相談士といった専門職も養成しているようでして、家族丸ごと支援というのにも取り組んでいるようです。
アメリカでは、こうした家族専門職は5万人くらいいるそうなのですけれども、日本では家族心理士は大体100人台、家族相談士は2,200人ほどしかいないということだそうです。私は、むしろこのような心理分野の専門家の活用というものが必要ではないかと思っております。家庭や家族を支援する団体や大学などの活動も多様化しておりますけれども、せっかく港区内にある主体もありますので、様々な主体との連携を進めてみてはと思います。
そこで質問ですが、家庭相談機能の移管を機に、様々な主体との連携を進めるなど、家庭相談の充実を図れればと思いますが、どのように考えていますでしょうか。

○子ども家庭支援センター所長(安達佳子君) 家庭相談の相談者には、家族の中で様々な問題が発生し、家族全体として問題を解決していかなければならない場合があります。
今後とも、東京ウィメンズプラザなど、子どもや家庭を支援している専門機関や近隣の大学、民間団体等と積極的に連携して研修を行うなど、専門的な知見を高め、相談機能を強化してまいります。

○委員(土屋準君) ぜひいろいろなところと連携して、家庭相談が充実していければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。

○委員長(池田たけし君) 土屋委員の発言は終わりました。

一覧へ戻る

議会報告 - メニュー

土屋じゅん Twitterニュース

土屋準(つちやじゅん) facebook

自由民主

このページのトップへ