土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成29年度決算特別委員会(第5号) 本文 開催日:2018.09.26

○委員(土屋準君) 民生費におきましては、初めに未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~についてお伺いいたします。この事業については以前に取り上げましたが、昨年度までの3年間、芝地区総合支所で行っていた事業です。今年度からは教育委員会事務局に移行されていますので、民生費ではこの3年間についてお聞きしたいと思います。
未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~は、中学生たちが実際に乳幼児と触れ合うとともに、母親から妊娠、出産、育児の話を聞くことで命の偉大さの気づきや自尊感情、共感力の芽生えを促し、また、世代間交流の推進を図り地区全体の活性化を促すだけでなく、孤立しがちな母親への社会参加も促すという目的で平成27年度から実施されています。乳幼児を持つ母親が講師となり育児体験等を伝えるとともに、実際に乳幼児と接する機会をつくることで親になることをイメージできるような仕組みをつくるという内容で、平成27年11月に御成門中学校で第1回目が行われたということであります。
中学生ぐらいの時期は同じ世代でのつき合いが固まりやすく、自分が乳幼児の時期からは時間がたっておりますし、子どもができる年齢にはまだ遠い時期だと思います。この時期に乳幼児に接することは、家庭や家族の大切さを考えるいい機会になると思いましたので以前取り上げさせていただきました。これを芝地区だけでなく、もっと全区的に拡大できないかという提案をさせていただきました。
そこでまず質問ですが、芝地区総合支所の事業として3年間行った実施状況はどのようなものでしょうか。

○芝地区総合支所区民課長(安藤俊彰君) 土屋委員のご指摘のとおり、未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~は、芝地区の地域事業として平成27年度からスタートいたしました。毎回、生徒・児童が10名程度のグループに分かれ、各グループごとに一組の赤ちゃんとお母さんを囲んで、赤ちゃんが泣いたり笑ったりするところを間近で見たり、お母さんから赤ちゃんの成長の様子や育児について話を伺いました。
平成27年度は、御成門中学校で2回実施し、延べ124名の生徒が参加いたしました。平成28年度は、御成門中学校と三田中学校の2校でそれぞれ2回ずつ実施し、両方合わせて延べ357名の生徒が参加いたしました。平成29年度は、御成門中学校と三田中学校の中学校2校と、御成門小学校の小学校1校でそれぞれ2回実施し、3校合わせて延べ398名の生徒・児童が参加いたしました。平成27年度から平成29年度までの3年間で延べ879名の児童・生徒が参加いたしました。

○委員(土屋準君) 1年目は御成門中学校1校でしたけれども、2年目は御成門中学校と三田中学校の2校、3年目は御成門小学校も加わり3校と参加数も参加者も着実に増えているようです。
そこでお伺いしますが、実施した小・中学校、参加した児童・生徒、そして乳幼児の母親の反応はいかがだったでしょうか。

○芝地区総合支所区民課長(安藤俊彰君) 未来の親体験~ここから始まる赤ちゃんふれあい事業~を実施しました学校の先生からは、核家族化が進んでいる現在、未来の親体験事業では赤ちゃんの成長が見られることが、これから親になる生徒たちに命を考える機会になっている、また、小学校では生活科で生い立ちを振り返る授業をしているけれども命について赤ちゃんから学べるよい機会になったとの意見がございました。
また、参加した中学生からは、自分がおなかにいるときも親が大事に育ててくれたことを感じた、子育てにとても苦労していたと知り親に感謝した、子育ては大変だけれども楽しいこともあることがわかった、赤ちゃんの成長に感動したとの感想がございました。また、街なかで子連れのお母さんを手助けしたいとの発言もございました。小学生からは、赤ちゃんが思ったより重かった、お母さんが大変そうとの感想がございました。最後に、参加したお母さんたちからは、小学生の質問が多くて驚いた、中学生と触れ合う貴重な体験ができた、未来の親体験を通して自分だけの命でないことを知ってもらいたかったとの感想や意見がございました。また、一緒に参加していたお母さんたちとプライベートでも仲よくすることができてうれしかった、地域のつながりやコミュニティに参加できるよい機会となったとの評価もいただいております。

○委員(土屋準君) 本当にいろいろな反応があったようです。皆さんの反応はよかったようですので、今後も拡大していっていただきたいと思います。今後のことについては、教育費でお伺いしたいと思います。
次に、保育園の入園と定員拡大についてお伺いいたします。
区の人口は依然として増加傾向にあり、ことし4月の就学前人口は1万6,906人となっております。ことし4月の保育園の入園申込者数は2,792人となり、前年と比較して340人増加するなど依然として保育園の入園を希望する保護者は多くいます。こうした保護者にとって、保育園の入園に必要な手続きの方法や選考方法を知ることは大変重要な情報になると思います。
そこで質問ですが、区では昨年度初めて保護者向けの入園説明会を開催したとのことですけれども、その内容と、どのような課題があったのかということについてお伺いいたします。

○保育課長(山越恒慶君) 区では、昨年初めて保護者向け入園説明会を港区立区民センターや区役所会議室で開催し、全7回で367名の方に参加していただきました。説明会では保育園入園の申し込みから入園決定までの流れに沿って、申請書類の記入方法や選考のための指数、優先順位のつけ方などについて説明を行いました。ご参加いただいた方へのアンケートでは、手続きの仕方がよくわかったなど、多くの方から説明会の実施を評価するご意見をいただいた一方で、参加予約がとりにくかった、あるいはお子様同伴での参加となってしまった参加者から、集中して説明を聞けなかったなどの声が寄せられております。また、参加を希望する方が大変多く、急遽定員を増やすなどの対応を行いましたが、ご参加いただけない会場もありました。お子様同伴で参加する方への配慮や、より多くの方が参加できるような工夫が課題であると考えております。

○委員(土屋準君) いろいろな課題もあったようですけれども、ことしも多くの方が保育園の入園の申し込みを行うことが見込まれております。平成30年9月11日号の広報みなとでは、既に来年4月入園の申し込み締め切り日のお知らせが掲載されるなど来年4月の入園に向けた準備は既にスタートしております。
そこで質問ですが、区では昨年度の保護者向けの入園説明会での課題を踏まえ、今年度は保護者への周知についてどのような工夫を行っているのか、その内容についてお伺いいたします。

○保育課長(山越恒慶君) 今年度は、説明会に直接来ることなく、いつでも保育園入園に関する情報を知ることができるように、新たに保育園の入園手続きを説明する動画を作成いたしました。平成30年10月1日から区ホームページに掲載いたします。動画は、入園手続き全体を通してごらんいただく以外にも、確認したい項目を選択してごらんいただくことができます。また、区ホームページへの掲載のほか、港区立図書館での視聴や、各総合支所区民課でのDVDの貸し出しも行いますが、ご家庭や港区立図書館での視聴ができない方などのために、平成30年10月下旬に各地区で動画の上映会も実施してまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ、いろいろな工夫をしていただきたいと思います。
最後に、都有地を活用した保育園整備の進捗についてお伺いいたします。
区は、これまで私立認可保育園の誘致や港区保育室の開設等、さまざまな手法により積極的に保育定員拡大に取り組んできました。昨年度からは保育園として活用できる土地、建物を民間企業から募集し、区が仲介役となって保育園整備に適した物件を探している保育運営事業者に紹介する、いわゆるマッチング事業による保育園整備にも取り組んでおります。加えて、毎年度の待機児童の状況等を踏まえ、新規の保育施設の定員設定はもとより既存の保育施設についても定員の見直しを行い、待機児童が特に多い1歳児の定員枠をできる限り確保するような工夫もしていると聞いております。その結果、平成30年4月の保育定員は昨年4月に比べて577名増の7,856人となり着実に拡大されております。しかしながら、年少人口の増加や保育需要の高まりにより、引き続き今後も保育定数の拡大に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで質問ですが、区内において保育施設の整備に適した物件の確保が困難な中、区は保育定員拡大の新たな手法として都有地を活用した保育園整備に現在取り組んでいますが、その進捗状況はいかがでしょうか。

○保育・児童施設計画担当課長(西川杉菜君) 現在、区内4カ所の都有地を借り受け、保育園の整備を進めております。南麻布一丁目と海岸三丁目の都有地につきましては、平成32年4月の開設に向け、現在、保育園を整備し、運営する事業者の選考を行っております。東新橋二丁目と浜松町一丁目の都有地につきましては、地域のまちづくりに対する考え方などを踏まえながら、保育園の整備・運営にあたっての条件等について、現在、調整を進めております。今後も都有地の取得や借り受けに向け、東京都に対して継続して働きかけてまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。

○副委員長(大滝実君) 土屋委員の発言は終わりました。

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