◯委員(土屋 準君) 総務費におきましては、初めに、港区行政経営方針における「戦略性のある人材育成及び能力を存分に発揮できる区政運営」についてお伺いいたします。
本会議の一般質問でも質問しましたけれども、今後の区政運営の方向性を示す港区行政経営方針の策定が現在進められているということでございます。港区行政経営方針の素案の中には、目指すべき区政運営の姿を実現するための方針が掲げられておりますけれども、中でも、戦略性のある人材育成及び能力を存分に発揮できる区政運営の推進については、大きなテーマだと思いますので、この中身についてお伺いしたいと思います。
初めに、女性職員の活躍の促進についてであります。今月、第2次安倍改造内閣が発足しました。5人の女性が入閣し、女性活躍担当大臣が新たに設けられるとともに、安倍総理は、全ての女性がその生き方に自信と誇りを持ち活躍できる社会をつくるため、総合的かつ大胆な計画を進めたいとされております。ちなみに、日本の国会は女性議員の数が少ないと言われておりますけれども、港区議会では女性議員は現在33人中11人と、3分の1を占めておりまして、この割合は23区の中で文京区に次いで2番目に多いということであります。
そこで、この素案に、女性職員の活躍を促進するため、昇任選考受験資格の見直しや昇任意欲の喚起に向けた仕組みを検討するとありますが、どのようなことを検討していますでしょうか。
◯人材育成推進担当課長・副参事(専任講師)兼務(柴崎早苗君) 区では、職員一人ひとりが士気を高く持ち、各自の強みを生かしながら、区民福祉の向上に取り組む中で、女性職員の活躍の促進は重要と考えております。女性職員の活躍の促進に向けては、育児休暇取得中の職員に主任主事選考や係長昇任選考の受検を認めることなどの見直しを、特別区全体で検討しております。また、区では、来年度に向けてさまざまな立場で活躍する女性職員の経験談の紹介、民間企業等で活躍する女性を招いての講演会の開催、及び女性職員の活躍を支える男性職員を対象とした講座の開催も検討しております。今後は、仕事と家庭の両立を目指すワーク・ライフ・バランスまた多様な働き方という考え方を職場全体に浸透させ、性別を問わず、職員が持つ経験や能力を十分に発揮できる仕組みを検討するとともに、全職員の意識の醸成に取り組んでまいります。
◯委員(土屋 準君) 次に、職員の主体的・自律的な取り組みの促進についてお伺いいたします。素案には、行政のプロフェッショナルを育成するために職員一人ひとりのキャリアプランを踏まえた配置管理や能力開発、自己研さんへの支援を強化するとともに、職員の主体的・自律的な取り組みを促す組織風土を醸成するとありますけれども、これについてはどのようなことをしていく予定でしょうか。
◯人事課長(星川邦昭君) 行政課題が複雑化、高度化する中、区が区民や地域で活動する方々との参画と協働を通して課題解決や新たな施策を創造していくためには、職員が業務に精通し、専門性を備えた行政のプロフェッショナルとしての信頼を得ることが求められています。こうしたことから、区は、職員自身の意向を把握した上で、職員に個人の実績や適性を踏まえたキャリアプランを描かせるとともに、各自のキャリア形成において、各分野で専門性を備えることができる研修体系の整備や、キャリア形成に合わせた配置管理を行ってまいります。また、職務に有益な資格取得に向けた費用助成等を拡充するとともに、民間企業を含む他団体への派遣等により、一定期間職場を離れて専門的な知識の習得に専念できる仕組みを検討します。さらに、職員が日々の職務遂行を通して、区民福祉の増進に貢献しているという実感と、そのための努力と成果が正しく評価されているという実感を得て成長することができるよう、成果の指標に職場実態を踏まえた視点を盛り込むなど、目標管理による人事考課制度をより効果的に運用してまいります。
こうした取り組みを通して、職員の主体的、自律的な取り組みを促しながら、組織全体で率先して能力伸長に取り組み、積極的にチャレンジすることを後押しする雰囲気をつくり出し、士気の高い職場風土を醸成してまいります。
◯委員(土屋 準君) 次に、高度な専門性を備えた人材の積極的な活用についてお伺いいたします。国では、平成11年に国と民間企業との間の人事交流に関する法律が制定されまして、民間企業等との人事交流が進められております。また、中途採用、経験者採用、任期付採用などの仕組みも取り入れられております。自治体でもこのような仕組みを取り入れられております。そこで、素案に民間企業等との人事交流の促進や高度な専門性を備えた人材の積極的な活用を検討するとありますけれども、どのようなことを検討していかれますでしょうか。
◯人事課長(星川邦昭君) 区は職員の適正や実績を踏まえた適材適所の配置を行うとともに、自己研さんの支援等を含めた能力伸長を通して、専門性を備えた職員の育成に取り組む一方、最新の技術や特殊なノウハウ、高度な専門性を必要とする課題に対しても速やかに対応することが求められます。こうしたことから、区は、民間企業を含む外部団体との人事交流により、区政運営に有為な人材を受け入れることを促進するとともに、職員を一定期間派遣することにより幅広い視野と専門的な知見を習得する仕組みを検討してまいります。特に法務や会計など高度な専門性を必要とする課題には、任期付職員制度等を活用しながら、専門職の採用を検討してまいります。
◯委員(土屋 準君) 職員の能力というのは区政の宝になると思いますので、ぜひその向上を図っていただきたいと思っております。
次に、マイナンバー制度についてお伺いいたします。初めに、現在の区の対応状況についてですけれども、共通番号制度いわゆるマイナンバー制度については、これまでも何人かの委員が取り上げていますが、番号通知まで約1年となりましたので、改めてお聞きしたいと思います。
マイナンバー制度は、昨年成立しましたいわゆるマイナンバー法によりまして、住民票を有する全ての人に1人1つの番号を付して、社会保障や災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一の情報であることを確認するというもので、再来年、平成28年の1月から利用されるというものであります。
この利用に向けまして、来年10月からマイナンバーの通知が開始されます。また、来月からは国でマイナンバーに関するコールセンターも開設されるということですけれども、この番号通知まで約1年となった現在、区のマイナンバー導入に向けた準備はどこまで進んでいますでしょうか。
◯区役所改革担当課長(村山正一君) 社会保障・税番号制度いわゆるマイナンバー制度は、平成27年10月から区民への個人番号の通知が始まりまして、平成28年1月から個人番号カードの交付とともに個人番号の利用、そして個人番号を活用した庁内での情報連携が開始されます。区では、社会保障・税番号制度を着実、円滑に導入するため、平成25年7月に区長を本部長とする港区共通番号制度推進本部会議を設置しまして、制度導入に向け準備を計画的かつ庁内横断的に進めているところです。現在、国の社会保障・税番号制度の運用等に関する情報収集を行うとともに、法律で個人番号を利用することが規定されている事務と、区独自に個人番号を利用する事務の選り分けを行うとともに、個人番号を利用するために必要となってまいります個人情報保護の仕組み、そして条例改正について検討を進めております。また、個人番号をもとに情報連携を行うため、各種システムの改修を行っているところで、準備については滞りなく進んでいるところでございます。
◯委員(土屋 準君) それでは、マイナンバーを利用するメリットと課題についてお伺いいたします。マイナンバーはその効果が期待されていると同時に、個人情報の取り扱いについては安全かつ十分な対策を講じる必要があると言われていますけれども、このマイナンバーが導入されることによって区民にとってどのようなメリットがあり、また課題と言われています個人情報保護対策等にどのように対応していくのか、お伺いいたします。
◯区役所改革担当課長(村山正一君) まず、個人番号を利用する区民の皆さんのメリットですけれども、社会保障・税番号制度は、福祉、保険等の給付を確実なものとすること、また行政サービスの申請手続を簡素化することを目的としています。区においては、個人番号による庁内連携が開始されます平成28年1月からは、例えば福祉などのサービスの申請にあたりまして、区民がみずから住民票や税に関する証明を行う必要がなくなり、現在、個人情報の目的外利用の同意のため記載いただいています申請書への署名が不要となるなど、窓口での手続が簡素化されます。また、平成29年7月からは、全国の自治体との情報連携が開始され、他の自治体から港区に転入される方も前住所地での住民票など申請書類の添付が不要となります。
次に、個人情報保護に関する課題です。区では、個人情報の漏えい、不正利用等を生じさせないよう、個人番号を利用するときは事前に個人情報の漏えい等が発生するリスクを分析しまして、個人情報保護の対策が適切に講じられていることについて所管課及び第三者による評価を実施いたします。社会保障・税番号制度の導入にあたりましては、個人情報保護に万全の対策を講じつつ、区民の利便性向上が図られるよう準備を進めてまいります。
◯委員(土屋 準君) このマイナンバーの利用範囲は法律で定められておりますが、社会保障、地方税、防災に関する事務など、法律の定めること以外について区が条例を定めた上でマイナンバーを利用することができるとなっていますけれども、区民の利便性の向上になるよう利用すべきだと思いますが、区はどのように考えていますでしょうか。
◯区役所改革担当課長(村山正一君) マイナンバー法、正式には「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」といいますけれども、こちらの法律で定める事務のほか、委員ご指摘のとおり、区が独自に実施している社会保障、税、防災に関する事務につきましても、条例で定めることにより個人番号を利用することができることとされております。区では、社会保障・税番号制度の導入にあたりまして、制度を積極的に活用し、より区民に身近で便利な区政運営の実現を目指すことを基本的な考え方として、準備を進めているところでございます。この考え方に基づきまして、社会保障、税、防災の分野で区が独自に個人番号を利用する事務につきまして、個人情報保護の対策にも万全を期しつつ、現在検討を進めているところでございます。
◯委員(土屋 準君) ぜひ、しっかりした対応をよろしくお願いいたします。
次に、災害時における被災地支援についてお伺いいたします。地震だけでなく台風被害や局所的な大雨被害、土石流など、特に今年は多くの自然災害が発生しているように思います。いざ災害が発生しますと、被災自治体単独での復旧はなかなか困難でありまして、警察、消防、自衛隊などの関係機関のみならず、近隣自治体や民間ボランティアなどさまざまな力をかりないと早期の生活再建は困難ではないかと思っております。
そこで、被災自治体の支援についてお伺いしたいのですが、港区も見舞金、職員派遣など、被災自治体の支援をしておりますけれども、それはどのようなことに基づいて行われ、内容はどうなっていますでしょうか。あわせて、職員の派遣実績と見舞金についてですけれども、港区は昨年、大島町で発生した大規模な土石災害の際に見舞金の支給や職員の派遣などをしております。さまざまな応急業務、復興業務には多くの人手が必要なわけですけれども、近年の職員派遣の実績はどのようになっていますでしょうか。また、見舞金の支給実績はどのぐらいでしょうか。あわせてお伺いいたします。
◯防災課長(亀田賢治君) 区では、港区大規模災害被災地の支援等に関する条例及びこれに基づく規則によりまして、被災した区市町村に対する支援を行っております。支援の内容は、防災備蓄物資等の供与、貸与または輸送、職員の派遣、見舞金の支給、区民が被災地において自主的な支援活動を行う場合の援助等でございます。このうち見舞金の支給に関しましては、港区大規模災害被災地に対する見舞金支給基準を設け、基準にのっとって運用してございます。
それから、職員の派遣実績と見舞金支給実績でございます。被災地の職員派遣につきましては、平成25年11月の大島町に職員1名を、本年9月には京都府福知山市に職員2名を派遣してございます。見舞金でございますけれども、今年度国内における見舞金としまして3件支給してございます。内訳でございます。まず、8月に土砂災害が発生しました広島市に対しまして50万円、こちらは井筒議長にも区議会からの見舞金30万円をご持参いただきまして、武井区長とともに東京事務所へお届けしてございます。それから、8月に発生しました台風11号、12号の被災地のうち、区と間伐材をはじめとした国産材の活用促進に関する協定を締結しております徳島県那賀町それから高知県四万十町に対しまして、9月に各20万円をお送りしてございます。
◯委員(土屋 準君) 最後に、防災協定の拡大についてお伺いいたします。港区はさまざまな分野で自治体間交流を行っております。今後立場が入れかわって区が被災地となる可能性もあるわけですけれども、今後の港区の災害時相互協定の拡大についてどのように考えていますでしょうか。
◯防災課長(亀田賢治君) 災害時において、応急対策や復旧・復興対策を迅速かつ有効的に進めるためには、自治体同士が相互に連携・協力し、対策を進めることが非常に重要であると認識しております。区では、現在、災害時における相互協力を目的とした災害時相互協力協定を福島県いわき市と岐阜県郡上市の2つの自治体と締結してございます。引き続き、平時より環境、産業及び教育等、さまざまな分野において交流がある自治体、過去に災害支援を実施したあるいは受けたことのある自治体等を対象に、区の防災体制の強化を目的として災害時相互協力協定の拡大を検討してまいります。
◯委員(土屋 準君) ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
◯委員長(林田和雄君) 土屋委員の発言は終わりました。