土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成25年度決算特別委員会(第2日目) 開催日:2014.09.24

◯委員(土屋 準君)  歳入におきましては、都区財政調整についてお伺いいたします。
 先月、本年度の都区財政調整交付金の区別算定結果が公表されましたけれども、港区は、その中でことしも普通交付金の不交付団体となっていますが、それは12年連続でありまして、中でも、4年連続で23区の唯一の不交付団体となっているということであります。
 ところが、細かく見ていきますと、まず、基準財政収入額ですけれども、前年比伸び率は4.3%で、千代田区と並んで23区で最下位となっております。一方、基準財政需要額の前年比伸び率を見ますと9.7%で、臨海部での年少人口の増加が著しい江東区に次いで、2番目となっています。
 その結果、この基準財政収入額から基準財政需要額を引いた財源超過額は約90億円に縮小しているということでありますけれども、近年の都区財政調整交付金の財源超過額の推移はどのような計算になっていますでしょうか。

◯財政課長(湯川康生君)  基準財政収入額から基準財政需要額を差し引いた財源超過額の推移については、平成24年度では124億4,727万円、平成25年度は96億8,065万円、平成26年度は当初算定で90億1,091万円と縮小傾向にあり、人口急増に伴う需要額の増加が主な要因となっております。

◯委員(土屋 準君)  近年の都区財政調整交付金の財源超過額の推移は減少傾向にあるということでありますけれども、このままの経済財政状況でいけばさらに減少していくように思われます。しかし、今年度からは、消費税率引き上げに伴う地方消費税率の増収分が基準財政収入額に算入されるということですので、そうすると、この基準財政収入額は増えるのではないかと思われます。
 一方、この基準財政需要額も、やはり社会保障経費の増加が見込まれるということですので、こちらもやはり増えると思いますけれども、その算定方法が変わらなければ、この財源超過額は増加するのではないかと思います。
 この基準財政収入額の増額の計算は、港区に限ったことではありませんので、金額によってはほかに不交付団体が増えることもあるのではないかと思いますけれども、この地方消費税交付金の増額による都区財政調整への算定の影響はどのようになっていますでしょうか。

◯財政課長(湯川康生君)  都区財政調整上の基準財政収入額につきましては、特別区民税等の85%が基準財政収入額として算定され、残りの15%は各区の独自事業実施分の自主財源として留保されており、基準財政収入額には算定されておりません。
 今回の地方消費税引き上げに伴う増収分につきましては、その全額を社会保障経費に充当することとされておりまして、100%が収入額として算定されております。
 一方、基準財政需要額では、増収分に係る各区の社会保障施策に要する経費が適正に算定されていないという状況にございます。
 このため、消費税増税に伴う基準財政需要額の算定方法を課題として、今後の都区協議に向けて、特別区で対応を検討してまいります。

◯委員(土屋 準君)  次に、都区財政調整と法人住民税の一部国税化への対応についてですけれども、法人住民税の一部国税化は、都区財政調整の原資の減少となっております。港区からは、平成24年度の統計ですけれども、法人住民税や固定資産税で、約3,000億円が都区財政調整の原資になっているということであります。
 港区は、都区財政調整において、現在、普通交付金の不交付団体になっておりますので、余り影響はないかもしれませんけれども、特別交付金の交付はありますし、都区財政調整そのものへの影響は免れないと思います。
 法人住民税の一部国税化というのは、いわゆる東京富裕論から来ていると言われますけれども、東京富裕論に対する主張をしていくだけではなく、地方にも目を向けた取り組みをしていくべきだと思います。
 そこで、都区財政調整と法人住民税一部国税化に関する今後の対応はどのようにされていきますでしょうか。

◯財政課長(湯川康生君)  法人住民税一部国税化の都区財政調整への影響については、交付金の財源である法人住民税が減収となるため、交付金の減少が見込まれます。このため、先日9月16日、特別区長会といたしまして、「税源偏在是正議論についての特別区の主張(平成26年度版)」を取りまとめました。この中で、法人住民税は、地域での法人や従業員等の生活を支えるための行政施策の財源として負担を求めているもので、この国税化は受益と負担に基づく応益課税という地方税の根本原則をゆがめるものであり、地域間の税収格差は地方交付税で調整されるべきであるという考えや、特別区が抱える膨大な行政需要の実情等を主張しております。
 また、区としては、全国各地域との連携を深め、相互に補完し合うことを目的として、災害時相互協力協定やみなとモデル二酸化炭素固定認証制度、さらには、地方商店街と地方都市との交流物産展、郡上市との中学生の交流など、先駆的に地方都市との連携の取り組みを進めております。
 特別区としても、今般の主張に合わせて、全国各地域とさらなる連携を目指す、特別区全国連携プロジェクトの展開を開始いたしました。
 区は今後も、特別区長会を通して東京都と連携し、国に対して、国の責任において各地方公共団体の必要な財源を確保する方策を講じるよう、要請してまいります。

◯委員(土屋 準君)  それでは、今後ともよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(林田和雄君)  土屋委員の発言は終わりました。

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