◯委員(土屋 準君) それでは、自民党議員団を代表しまして、総括質問を行わせていただきます。
初めに、現在の港区を取り巻く状況について述べたいと思います。
2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることになりまして、港区では、お台場海浜公園でトライアスロンなどの競技が行われるところでございます。また、施設の配置を見てみますと、国立競技場、晴海の選手村、臨海部の各種会場と、ちょうど港区を中心に配置されているような、そういう構図になっております。このようなことから、世界中から多くの人が港区を訪れるようになるのではないかと思っております。
次に、消費税引き上げにつきましては、国は、景気の腰折れを防ぎ、成長力の底上げを図るため、5兆円規模の新たな経済対策を行うなどの政策を打ち出しております。政策実施の現場を担う自治体として、港区においても地域の経済対策にしっかりと取り組んでいかなければならないと思っております。また、引き上げの目的であります社会保障施策の充実強化も求められているところではないかと思います。
それでは、質問に入らせていただきます。
初めに、戦略的かつ効果的な区政情報の発信についてであります。
世界の主要都市の都市力を評価したランキングによりますと、東京は世界と比べてどの分野が強いかと言いますと、経済と環境が強いというような分析が出ております。一方、東京が弱いと言われていますのが、文化・芸術・スポーツと言われております。また、本当は少なくはないんですけれども、訪れたいポイントが少ないと言われております。つまり、ほかの国に比べまして、発信力が足りないのではないかと言えると思います。
ところで、港区では、区民により信頼されるよう区政情報の発信について強化しています。平成24年3月から区政情報をわかりやすく発信し、情報を必要としている人に確実に届けることを目指して、新たなホームページの運用を開始しています。平成25年4月から区の報道・広報力を充実・強化したことにより、各メディアを通じて、港区の特色や魅力を積極的にアピールし、地域の振興に寄与しております。
また、平成24年8月から、区に寄せられた意見や、それに対する区の対応や考え方をホームページで公開し、広聴制度の透明性を高め、区民との信頼関係の構築に努めております。このような背景や経緯を踏まえまして、戦略的かつ効果的な区政情報の発信を強化していく必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
次に、港区政策創造研究所の今後の体制とテーマについてお伺いします。
港区では、平成23年2月に政策創造研究所が設置されました。港区政策創造研究所は、変化の激しい時代においても、区が先見性ある政策を創造できるよう、学識経験者等とともに政策研究を行い、政策形成面から各総合支所及び各部の支援を行っております。
その構成を見ますと、所長及び研究員に外部の学識経験者等を招き、企画関係職員を副所長、主任研究員、研究員に置いています。これまでの活動実績を見ますと、「港区におけるひとり暮らし高齢者に関する生活と意識に関する調査研究」、「港区における75歳以上高齢者を含む2人世帯の生活に関する調査研究」、「港区における子どもと子育て家庭の生活と意識に関する調査研究」等、所長に招いた学識経験者の専門分野に沿った内容となっております。所長等の任期期間は4年以内とされていますので、来年度末が最初の期限になります。所長等の構成によりテーマも変わってくると思いますが、今後の体制とテーマについて、どのように考えていますでしょうか。
次に、入札・契約制度のあり方についてお伺いいたします。
入札・契約制度については、これまでの審議の中で、適正な納期・工期の設定、適正な予定価格の設定、契約の品質の確保、最低制限価格のあり方、入札・契約制度の簡素化やわかりやすい情報発信などの点が議論されてきました。現在では、公正で競争性及び透明性の高い入札・契約制度の確立が求められております。
一方、区内の中小企業や商店主の経営状況は依然として厳しく、これまで入札や契約での区内事業者への優遇策がとられてきました。平成22年度からの3年間で入札参加者を区内事業者に限定する案件が試行実施され、今年度から本格実施されております。入札・契約制度については、こうした区内事業者の実情に配慮しつつ、公正で競争性及び透明性の高い入札・契約制度に整えていくことが必要と思われますが、入札・契約制度のあり方について、どのように考えていますでしょうか。
次に、環状二号線周辺の景観形成についてお伺いいたします。
この地区は、アジアヘッドクォーター特区及び特定都市再生緊急整備地域に指定され、今後の日本の政治・経済の中心を支える業務・商業施設の集積する地区として期待されています。環状二号線は、昭和21年3月の都市計画決定をはじめとして、平成10年に市街地再開発事業の都市計画決定がなされ、平成14年度から環状二号線の道路工事と建築工事が新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業として進められ、いよいよ来年3月の完成を目指して工事が急ピッチで進んでおります。
環状二号線新橋・虎ノ門地区は、道路延長が約1,350メートル、幅員が40メートルであり、地上部道路においては、両側の歩道が最大で13メートルと、都内でも類を見ない規模であります。環状二号線は区内では本線のほとんどが地下部に設けられ、自動車専用道路となっているため、地上部には広い歩道を確保することができ、沿道の建物計画を含め、東京を代表する道路景観の創出を目指すため、地元代表の方々をはじめ、都、区により、緑豊かで魅力ある地上部道路の整備計画の検討を重ねてきたと伺っております。これだけの規模の新たな道路と沿線の街並みが都心で創出されることは非常にまれなことで、港区らしい魅力ある街並みを形成するよい機会であると考えております。
区は、平成21年6月に港区景観条例を施行し、景観行政団体となって景観法に基づく取り組みを始めたそうですけれども、環状二号線周辺の景観形成について、どのような取り組みをしていますでしょうか。
次に、環状二号線周辺のまちの将来像についてお伺いいたします。
この環状二号線新橋・虎ノ門間の地上部道路に関しては、本年2月に区民などに広く愛称名を公募し、「新虎通り」という愛称が名づけられております。また、虎ノ門側の地下自動車専用道路の出入り口上部には、都内で2番目の高さになる虎ノ門ヒルズが来年の夏に竣工する予定であります。
一方、この環状二号線地上部道路の沿道では、比較的面積の小規模な地権者の敷地が多い上、建築物の老朽化が進んでおり、幅員の狭い道路が多く存在することから、防災上の安全性が懸念されているとともに、都心にふさわしい土地の有効利用が妨げられております。また、沿道の建築物と環状二号線の地上部道路空間との一体性に欠ける街並みとなっている等の課題を抱えております。都心ではまれな貴重な空間を、区民をはじめ、区、都、事業者が知恵を集めて港区を代表するような快適なまちにしていかなければならないと思っております。区長は、この環状二号線周辺のまちの将来像をどのように描き、実現していく考えか、お聞かせください。
次に、生物多様性地域戦略についてお伺いいたします。
先ほど述べましたが東京が世界と比べて強い分野として環境が挙げられておりましたけれども、世界中から港区を訪れる人が多くなることから、世界が抱える課題への港区の取り組みとして、生物多様性地域戦略についてお伺いいたします。
私たちになじみの深い食材ではありますけれども、スーパーなどでは国産ウナギは高騰を続け、食卓にのることも難しくなってきております。国は、本年2月に絶滅のおそれのある生き物をまとめたレッドリストの見直しを行い、新たにニホンウナギを絶滅危惧種に指定いたしました。
平成22年に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10では、平成32年、つまり、2020年までに達成すべき20の目標を愛知目標として定め、条約締約国に取り組みを進めることを求めております。
港区においても、平成24・25年度で港区生物多様性地域戦略を策定する予定となっております。区長は、ことしの第1回定例会の所信表明において、「都心ならではの港区生物多様性地域戦略を区民や事業者との協働により策定する」と述べられました。港区は、江戸時代から残る武家屋敷の跡地や寺社を中心に多くの緑が残り、西側の台地から東の東京湾の埋立地、お台場に至るまで、豊かな地形を持つ区であります。同時に、人口は23万人を超え、昼間人口約90万人、23区で最多の事業所があり、活発な経済活動が営まれる都心区でもあります。都心港区の生物多様性地域戦略の策定にあたっては、単に緑を残し、生き物が生息する空間を確保するだけでなく、経済活動の中心地としての港区を引き続き発展させていかなければならないので、バランス的にもなかなか難しいものがあると思います。港区生物多様性地域戦略における港区の将来像をどのようなものとして掲げ、その達成に向けて、どのような手法で進めていくか、お伺いいたします。
次に、ビル風対策についてであります。
区内では、都心区の特徴として、住宅地内に高層ビルと低層の住宅が混在して建設されていることなどから、ビル風対策が以前から大きな問題となっております。中には防風植栽がよく育たず、突風により倒木があったりするなど、区民の安心・安全の観点から、都心区特有の課題解決として、ビル風対策が必要となっておりました。
港区では、平成7年に23区では唯一である環境アセスメント制度を制定し、さらに、ことし4月には全国でも初となるビル風対策要綱を制定いたしました。今回のビル風対策では、区のアセスメントで十分カバーし切れなかった東京都環境アセスメント制度の対象案件や、区のアセスメント制度終了後の防風植栽の維持管理について指導を強化するなど、これまでにない取り組みが見られます。防風植栽の生育には3年程度の期間が必要とのことで、新たな制度の効果について確認するには、いましばらく時間が必要だと思われます。
そこで、港区独自のビル風対策要綱制定の趣旨を徹底し、区民に安心・安全な風環境をできるだけ早く提供するため、区としてどのような考えでいるか、お伺いいたします。
次に、産業振興施策についてお伺いいたします。
安倍内閣の発足以降、政府は、15年もの歳月をかけて我が国にこびりついてしまっていたデフレの経常化を打破するため、金融政策、財政政策、成長戦略のいわゆる三本の矢による経済政策を推進してきたところであります。円高が是正され、実質GDPは3期連続でプラスとなり、有効求人倍率も回復傾向へ転じております。また、生産や消費に加え、下げどまっていた設備投資にもようやく持ち直しが見られ、経済の好循環に向けた動きが期待されております。少しずつではありますが、日本経済としては着実に再生の道に向かい、歩みを進めているものと考えております。
そこで、既に今回の決算特別委員会において、我が会派の鈴木たかや委員からも言及がありましたけれども、こうした景気回復の兆しを背景に、安倍総理は今月1日の記者会見において、来年4月から消費税率を5%から8%に引き上げることを発表いたしました。経済再生と財政健全化の両立を果たすための大変難しい判断であったものと察しております。
消費税の引き上げについては、各方面からさまざまな見解が出されておりますけれども、重視すべきは税率よりも税収であると考えております。消費税は消費者の可処分所得に直接的に影響することから、税率引き上げにより消費が落ち込み、景気への悪影響が著しければ、結果的に税収増につながっていきません。
また、引き上げ前後には駆け込み需要とその後の反動減が予想されます。これは小売業等への相当な圧となり、放置すれば大きなリスク要因になると言えます。こうした不安要素により、経済の好循環歯車が狂わされるような事態は避けなければならず、我が国の景気回復局面は、まさにこれから正念場を迎えております。
今回の消費税率の引き上げにあたって、政府は5兆円規模の経済政策パッケージを打ち出すとしております。そこには投資減税措置や政・労・使の連携、高齢者や女性、若者向け施策、復興事業の加速など、景気の底上げと下支えを目的とした骨太の施策が幾重にも組み込まれております。さらに、住民税非課税者に1万円を支給し、老齢基礎年金の受給者等にはさらに5,000円を加算するなど、簡素な給付措置も予定されております。詳細については、今年度補正予算として来年度予算とあわせながら編成するとされておりまして、今後の国の動向を注視していくことが求められます。
さて、区内に目を向けますと、中小企業や商店主の経営状況は依然として厳しく、町場の方々からは、なかなか明るい話題をお聞きすることができない現実がございます。また、区民の方々の消費生活についても、まだまだ実感として景気回復効果が波及しているとは言えない段階にあると考えております。これまで区は、リーマン・ショックに端を発した世界的な景気後退等に対する緊急不況対策として、緊急支援融資の拡充をはじめ、プレミアム付商品券の発行や消費拡大セールの実施支援など、区内産業と区民生活を支えるためのさまざまな事業展開をしてきました。これらの施策は実効性が高く、また即効力があると評価できます。
そこで、区としても、こうした過去の実績を参考にしながら、来る消費税率の引き上げに備えた独自の支援策を実施すべきであると考えております。経済の好循環の実現に向けた歯車をしっかりとかみ合わせるためにも、景気の腰折れを未然に防ぎ、将来へのくさびとなるような産業振興施策が今こそ必要であると考えておりますけれども、区長の見解はいかがでしょうか。
次に、運河を活用した施策についてお伺いいたします。
先端的な都市景観と共存する運河や海辺等、潤いと安らぎのある水辺空間の存在は、都市の魅力向上に大きく寄与しております。かつては水上交通の動脈として使われた運河も港区の重要な地域資源といえ、現在では運河を活用したカフェやお祭り、イベント等の運河・東京湾クルーズなど、観光客に限らず、区民や在勤者にも潤いとにぎわいのある心地よい空間を提供しております。ですが、水域の利用には東京都港湾局、海上保安庁等との行政協議や利害関係者との調整など、さまざまな課題があることは承知しておりますけれども、港区の大きな地域資源である運河などの水域の活用については、まだまだ不十分な点が多いのではないかと思います。
世界的な水辺都市として名をはせるイタリアのベニスやオランダのアムステルダムでは、運河がその地域の目玉となっております。港区にも運河や東京湾という舟運が展開できる環境があり、東京タワー、レインボーブリッジ、お台場、高層ビル群など、東京を代表する景観を有していることから、それらを活用して、さらなる地域のにぎわいの創出が期待できます。
そこで、7年後のオリンピック・パラリンピックの開催を見据え、地域資源を活用した魅力的な地域のにぎわいを創出するためには、町会や商店会、民間事業者等の意欲的な取り組みを後押しできる地域振興のためのより一層運河を活用した取り組みを図るべきと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。
次に、生活困窮者対策についてお伺いいたします。
厚生労働省によれば、7月に生活保護を受給した世帯は過去最高を更新したということです。被保護者数は一時より増え方は少なくなってきていますが、依然として増加傾向にあります。港区でも微増ではありますが、増加が続いております。生活保護費も年々増加し、平成25年度の国の予算は3.8兆円に上っております。区でも、平成25年度予算は51億円で、5年前の平成21年度から15億円も増加しております。こうした状況から、国では、生活保護に至ることなく、その前段で自立できるよう、いわゆる第二のセーフティネットを充実させる、新たな生活困窮者対策に総合的に取り組むことが検討されております。廃案とはなりましたが、さきの通常国会に生活困窮者自立支援法案が提出されました。生活困窮者対策の内容は、社会保障審議会に設置された生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会から、ことし1月に出された報告書に基づくものであります。法案では、生活困窮者に対する自立のための相談支援、きめ細かい就労支援、家計の自立を支援する相談事業などが盛り込まれております。中でも自立相談支援事業は、生活困窮者の抱えている課題を評価・分析し、そのニーズを把握した上で、そのニーズに応じた支援を計画的に提供できるよう自立支援計画をつくるものであります。この相談窓口は福祉事務所のある自治体は必ず設置することになっており、その計画に基づき、生活困窮者の自立を支援する事業を実施するわけですが、その際、区が全ての支援を提供するのではなく、行政と民間が連携して地域で生活困窮者を支えようというものであります。行政と民間が協働して地域にネットワークを築き、その過程で地域のつながりを再構築することも構想されております。それだけ重要な施策であるわけで、法案は近々国会に再提案されるとのことで、早ければ平成27年4月から実施されるということです。
そこで、区としても、法案の成立を待つことなく、今まで準備を進めるべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
次に、介護予防総合センターの運営についてお伺いいたします。
港区の65歳以上の高齢者人口は、8月末についに4万人を超えたとのことで、今後もこの増加傾向は当分続くものと思われます。一方、要介護・要支援の認定を受けた65歳以上の高齢の方は7,969人に増加しており、高齢者の5人に1人は要介護・要支援認定者という現実があります。私は、地域の高齢の方々がいつまでも健康で、いつも笑顔で暮らせる港区であってほしいと願っております。高齢者が元気に暮らすまちは、働く人にとっても、子どもにとっても、誰にとっても住みやすく、人に優しい、そして活気のあるまちだと思います。高齢者が要介護・要支援状態に陥らないようにするための介護予防の取り組みは、高齢化の進む港区においてますます重要になってきており、優先して拡充すべき施策の一つと考えております。
私は、来年7月の介護予防総合センターの開設を機に、介護予防が区民にとって親しみやすく参加しやすいものになってほしいと願っております。介護予防総合センターは23区初の、全国的にも数少ない介護予防に特化した施設として、新たな介護予防事業の開発や地域のボランティア支援などを行う、区民の健康長寿を支える先駆的な施設になると思いますが、区民の介護予防に対するさまざまなニーズに応えるためには、多様な資格を持つ専門職員の配置も重要であると考えております。
そこで、区は、介護予防総合センターをどのように運営していくお考えか、お伺いいたします。
次に、障害者計画の策定について質問いたします。
港区ではこれまで、国の法改正や計画、東京都の動向などを反映した港区障害者計画を策定し、計画的な施策展開を行い、障害者施策の充実を図ってきました。この10年間の区の障害者施策の状況の変化を見てみますと、まず、民間の知的障害者グループホームについては、ゼロカ所であったものが5カ所となり、今定例会に設置条例が提出されておりますけれども、来年には区立のグループホームをオープンすることとなっております。さらに、平成28年秋にはもう1カ所、六本木に開設が予定されております。また、知的障害者の入所・通所施設「新橋はつらつ太陽」も整備されました。これらはいずれも区が補助事業を創設するなど、障害者施策の整備・運営支援に力を注いできた結果であります。
障害者の就労支援も拡大してきております。区では、福祉売店や精神障害者が働くカフェを設置・支援するとともに、就職した障害者が働き続けられるよう、当事者からの相談や仕事場との調整を行う就労支援事業を行ってきました。
さらに、医療的ケアを必要とする重症心身障害児・者の通所事業や児童館などの利用が困難な障害児のために、放課後等の活動場所を提供する日中活動支援事業を立ち上げ、継続した事業展開を行っています。こうしたさまざまな施策は、障害者自立支援法の改正が毎年行われる中で、法の改正内容を適正に事業化する作業と同時に、区の単独事業として事業化されたものであり、区の障害者支援の姿勢と努力の結果であると考えております。今後も障害者の声に耳を傾け、施策の充実に取り組んでいただきたいと思います。
さて、先月、国の第3次障害者基本計画が閣議決定されました。この計画は平成14年に策定された第2次障害者基本計画の計画期間が平成24年度で満了するため、新たな計画として策定されたものであります。旧計画がノーマライゼーションとリハビリテーションの理念のもと施策を推進してきたのに比べ、新計画は地域社会における共生と差別の禁止を基本原則として、国民の誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の実現に向け、障害者の自立と社会参加の支援のための施策の一層の推進を定めております。国の障害者基本計画は、国連で採択された障害者権利条約の締結に向けた国内法の整備と歩調をともにするもので、障害者施策にもその方向性が色濃く反映されたものであると考えられます。
現在の港区の障害者計画の計画期間は平成26年度までとなっており、策定時期が近づいております。国のこうした動きを受けて、区でも今後、新たな施策の充実を図る必要があると思いますが、計画改定に向けて、現時点でどのような取り組みが行われておりますでしょうか。また、障害者施策の充実、特に施設整備は地域住民の障害者への理解が欠かせないものとなっておりますが、こうした障害者への理解促進の取り組みについてもお伺いいたします。
次に、保育園の待機児童対策についてお伺いします。
保育園の待機児童対策については、本会議の代表・一般質問において、我が会派のうかい委員、ゆうき委員が質問いたしましたが、非常に重要な課題でありますので、改めて区長の考えをお伺いいたします。
待機児童解消については、国においても喫緊の課題と認識しており、待機児童解消加速化プランを掲げ、待機児童の解消に向け、子ども・子育て支援新制度のスタートを待つことなく、できる限りの対策を講じるとしています。区においても、この加速化プランに基づき、保育士の人材確保策として、保育士の処遇改善や保育士の資格取得支援事業を実施するための補正予算を今定例会で計上しており、ハード面だけでなく、保育現場を支える人に対する取り組みをしていることについて、大変評価をしております。
保育定員の拡大についても、基本計画に計上している新たな認可保育園の整備や保育園改築による定員拡大だけでなく、一日でも早く保育園に入りたいとの思いで待機されている方の声に応え、緊急暫定保育施設や私立認可保育園の開設時期の前倒し、新たな緊急暫定保育施設の開設、さらなる私立認可保育園の誘致など大胆な思い切った施策を続いて打ち出し、緊急時におけるこれまでにない保育の量拡大とスピード感を持った対応をしていただいていることに感謝しております。しかしながら、女性の社会進出が進み、出産後も働き続ける女性が増えることに伴い、これからも共働き家庭は増加し続けると考えております。また、保護者の就労や生活形態も多様化しております。
ことし3月に区がまとめた「港区の保育園待機児童解消策について」では、待機の世帯のうち55.4%が父母ともにフルタイム就労ではなく、一方がパートタイム等の就労となっております。前回の予算特別委員会で、私は、1歳児の待機児童が多いということになれば、ゼロ歳児から預けようという需要が増えるのではないかという指摘をいたしましたが、昨年度と比べ、今年度は待機児童数、申込者数ともにゼロ歳児が特に増加している状況にあります。年齢ごとの申し込み状況が目まぐるしく変化しており、保育需要を見極めることは極めて難しいと考えております。
就学前の人口動向や保育を希望する方の割合の推移を見ても、今後とも保育需要が増えていくことは間違いないように思われます。このように待機児童解消策は依然として区にとって大きな課題であり、非常に難しい課題でもありますが、現実に待機されている方がいることをしっかりと受けとめて対応していかなければならないと思っております。これらのことを踏まえ、今後の待機児童解消策の取り組みについて、改めて区長のお考えをお伺いいたします。
次に、学童保育の待機児童対策についてであります。
学童クラブの今後の需要についてですが、港区は、都心回帰の流れの中、年少人口、とりわけゼロ歳から5歳の就学前児童が急増しておりますけれども、これは数年後には就学児童数の増加につながるわけであり、今後は学童クラブの需要が大幅に高まることが予想されます。
港区では、現在、全体では待機児童が出ていない状況ではありますけれども、地域的に見ると、芝浦、青山、高輪などでは定員を超える児童を受け入れている状況もあります。近々にも待機児童が見込まれる地域に対しては、緊急の対応も必要ではないかと思いますが、区のお考えはいかがでしょうか。
また、現在の学童クラブは、児童館等で区が直営で実施するもの、子ども中高生プラザ等の指定管理者が実施するもの、区立小学校の学校施設で委託事業の放課GO→クラブとして実施するものがあります。いずれの場合についても、区が新たに実施場所を確保し、施設の開設準備を行った上で事業を開始する場合は、設置までに多くの時間とお金がかかります。そのことを踏まえると、放課GO→クラブ実施校の増設を含めた既存の施設等の活用も積極的に行うべきだと思います。
そこで、今後の学童クラブの整備についても、区の施設の活用にかかわらず、補助金制度等による私立学童クラブの誘致など、民間活力の積極的な活用も進めていく必要があると思いますが、区の考えはいかがでしょうか。
次に、幼稚園の定員についてお伺いいたします。
幼稚園の定員については、款別審議の中でも多くの委員の質問がありましたので、多くは省きますが、幼児人口の急増に合わせ、定員拡大を考えているということであります。定員の拡大で対応するのはいいですけれども、4・5歳児の定員を減らして、3歳児の定員を増やすという定員の移行となると、4・5歳児でも入園できない可能性があります。現に我が会派の赤坂議員から、4歳児でも抽選となったため、希望する園に入園できず、非常に落胆していたという例が示されました。
今年度の募集の際は一部の幼稚園で抽選となったものの、まだ全体的には余裕がありましたが、今後は応募人数に対する受け入れ定員が不足してくることが予想されます。3歳からの幼稚園教育は必要だと思いますが、4・5歳の2年間保育は確実に保障しなければならないので、そのためには政策の優先順位は必要であると考えます。
そこで、4・5歳児で幼稚園に入れないという事態を決して招かないためにも、4・5歳児の今後の幼稚園就園希望の推計をどのように捉え、どのような対策を考えているか、お伺いいたします。
次に、港区教育振興プランについてお伺いいたします。
港区基本計画の改定作業が進められていますが、教育関係の社会情勢や、国、都の動きも刻々と変化しております。その中で港区教育振興プランは、教育基本法に基づく教育の振興のための施策に関する基本的な計画であり、学校教育から生涯教育を含む教育委員会全体の施策を網羅しておりますが、平成24年度から平成26年度までの計画期間となっており、間もなく見直しの時期を迎えます。
また、港区教育振興プランの下位計画である港区スポーツ振興計画や港区図書館基本計画等は、平成24年から平成29年までの計画期間となっておりますが、いずれも中間年で必要に応じて見直すとしております。さらには、生涯学習計画については期間の定めがなく、平成12年の策定以来、一度も見直しがされていない状況であります。
一方、本年4月には第3次東京都教育ビジョンが策定され、6月には国の第2期教育振興計画が策定されています。9月にはいじめ防止対策推進法が施行され、教育の果たす役割がますます重要になっております。さらに、今後、東京オリンピック・パラリンピックを見据えたスポーツ振興や学校教育の施策も充実させる必要がありますので、この際、港区教育振興プランをはじめ、教育委員会が定める各種計画全体を改めて見直すべきと思いますが、どのように考えますでしょうか。
次に、生涯学習の充実についてお伺いいたします。
先ほど東京が世界の主要都市と比べて弱いのは、文化・芸術・スポーツと言われているというお話をしましたけれども、その弱点を克服するために生涯学習の充実は、今後取り組むべき重要なテーマであると思います。款別の審議の際には、生涯学習センターの施設の件での質問をしましたが、ここでは内容の充実について質問したいと思います。生涯学習には大学と連携した地域公開講座等もありますが、港区には著名な大学も多くありますので、さらなる連携大学の発掘等も考えられるのではないかと思っております。
また、話は変わりますが、自民党本部の研究・研修機関である中央政治大学院というところでインターネット講座を開設しておりました。現在は都道府県ごとに政経塾等が設置されていますので、講座形態は変わりましたけれども、これはインターネット環境があれば、誰でも受講できるものであるけれども、自民党員ならば無料で受講できるというものでありました。
そこで、港区でも、例えばインターネットを活用したウエブカルチャーセンターというものを開設し、港区民なら無料、もしくは割引とするなど、さまざまな工夫をすることも考えられるのではないかと思います。こうしたことを踏まえ、生涯学習の充実についてどのように考えていますか、お伺いいたします。
質問は以上ですが、2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるときには、国内外から多くの人が港区を訪れ、港区で滞在したり、観光を楽しむことと思います。それまでにはこれらの多くの課題が解決され、港区は東京の新しい顔として、多くの方をおもてなしできるよう期待しまして、質問といたします。
◯区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての土屋準委員の総括質問に、順次お答えいたします。
最初に、区政全般に関する施策についてのお尋ねです。
まず、戦略的かつ効果的な区政情報の発信についてです。現在、港区報道・広報戦略プランの策定作業を進めており、将来を見据えた情報発信として、広報紙やホームページの充実、各広報媒体の多言語化、区民意見を反映した情報発信の取り組み等について検討しております。
また、職員一人ひとりが港区の広告塔として、報道・広報に関する職員の意識改革やスキルアップを図るとともに、区内にある大使館やホテル、テレビ局等と連携したシティプロモーションについても検討しております。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も視野に、5年先、10年先を見据えた戦略的かつ効果的な区政情報の発信に、引き続き取り組んでまいります。
次に、港区政策創造研究所の今後の体制とテーマについてのお尋ねです。
港区政策創造研究所の所長の任期は最長4年としております。現在の所長は、平成27年3月末に任期満了を迎える予定です。任期後の新たな体制、研究テーマにつきましては、平成26年度中に今後の区の課題を見極めた上で、各総合支所や支援部を政策形成面から支援するという、この政策創造研究所の役割が十分果たせるよう検討してまいります。
次に、入札・契約制度のあり方についてのお尋ねです。
区では、本年度から区内事業者限定案件を本格実施し拡大を図るとともに、これまで以上に区内事業者を優遇する制度となるよう、新たに区内事業者認定基準を定め、この基準に基づき、より厳格に区内事業者の認定を行っております。今後も入札・契約制度における公正性や競争性、透明性の原則を踏まえながら、地域経済の活性化及び区内中小企業の受注機会の確保に向け、現在取り組んでいる実施状況の検証を重ね、制度の充実に努めてまいります。
次に、まちづくりについてのお尋ねです。
まず、環状二号線周辺の景観形成についてです。環状二号線周辺は都心の中で生み出される貴重なオープンスペースです。区の景観計画において、景観形成特別地区に位置づけており、魅力的な景観を創出するよう取り組む必要があります。区は、環状二号線のまちづくりを契機と捉え、周辺地区も含めて、緑豊かな潤いのある魅力的な景観形成に取り組んでまいります。
次に、環状二号線周辺のまちの将来像についてのお尋ねです。
区は、本年3月に環状二号線沿道のにぎわいと統一感のある街並み形成を促進するために、東京都の条例でありますが、「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」に基づく街並み再生方針を策定しました。その中で、環状二号線周辺のまちの将来像につきましては、多様な機能と魅力が重なり合い、にぎわいと活力を生み出す統一感と品格のある、緑豊かなシンボルストリートの形成を掲げております。今後、沿道の区民や事業者の皆さんと協働して、新たなにぎわいと活力ある空間を創出し、安全で安心して暮らせる魅力的なまちづくりの実現に取り組んでまいります。
次に、環境対策についてのお尋ねです。
まず、生物多様性地域戦略についてです。区は、港区生物多様性地域戦略を本年度3月を目途に策定する予定です。この策定にあたりまして、区民や事業者の皆さんに参加をしていただきまして、生き物作戦会議や生物多様性事業者フォーラム、また、生物多様性勉強会などを開催しております。
2050年の区の将来像については、活発な経済活動など、港区の特徴を踏まえ、都市のにぎわいと生き物のにぎわいが共存できるまちをみんなでつくろうといった視点で検討しております。区の将来像の達成に向けては、まず、多くの区民、事業者の皆さんに生物多様性の大切さを理解していただくことが重要です。そのため、区は、生物多様性の効果的な普及啓発や、区民、事業者の皆さんと生物多様性に配慮した暮らしやまちづくりの推進などについて、協働して取り組んでいく手法を検討してまいります。
次に、ビル風対策についてのお尋ねです。
区は、本年7月、全国で初めての取り組みとなる区独自のビル風対策を実施いたしました。区内で大規模な開発を行う際、開発の計画段階から建物竣工後3年まで一貫して、区が事業者や所有者に対し、ビル風対策を指導するものです。主な対策は、防風植栽の設置に関し、生育状況を管理し、指導するものですが、防風植栽は生育に時間を要するため、それまでの対策として、防風フェンスや防風ネットの設置などについてもあわせて指導しております。
また、開発の計画段階からビル風を抑制する建物の形状や配置についても事業者を指導しております。今後も本制度を周知し、開発事業者等を適切に指導し、より効果の高いビル風対策を促すことで、区民の皆さんが安全に安心して暮らせる風環境の実現に取り組んでまいります。
次に、産業経済施策についてのお尋ねです。
まず、今後の産業振興施策についてです。これまで区は、世界的な金融不安等による景気後退の際、緊急不況対策の一環として、地域経済を支えるさまざまな支援策等を実施してまいりました。消費税率引き上げに伴う影響につきましては、区内事業者や商店街等の状況把握に努めるとともに、社会状況に即した効果的な産業振興施策について関係団体と意見交換し、検討してまいります。
次に、運河を活用した施策についてのお尋ねです。
運河は、港区が抱える貴重な地域資源です。現在、芝浦港南地区で新たな地区版計画の策定に向け、区民参画組織での議論をしていただいておりますが、その中でも参加者からは、運河など水辺を活用した事業の提案をいただいております。区としましては、運河を活用した地域の取り組みを引き続き支援するとともに、水辺ににぎわいをもたらす魅力的な事業の創出に取り組んでまいります。
次に、社会保障施策についてのお尋ねです。
まず、生活困窮対策についてです。国では、生活困窮者の生活保護に至る前の段階での自立支援施策を強化するために、利用者の状況に応じて最適な支援策を早期・包括的に提供する自立相談支援事業や、生活訓練・社会訓練等も含む就労準備支援事業などの創設が検討されています。区におきましても、生活保護受給者数は引き続き増加傾向にあり、被保護者も含め、生活に困窮する方への自立支援については重要な課題と認識しております。
平成25年4月からは福祉事務所を無料職業紹介所として登録し、被保護者等への就労支援を強化いたしました。また、5月には、国での動きと並行して、被保護者と生活困窮者に対する区としての支援施策を検討するため、関係する部署で構成いたします港区生活困窮者支援施策推進会議を設置いたしました。今後、国の生活困窮者自立支援法案の動向を注視しながら、引き続き施策の検討を進めてまいります。
次に、介護予防総合センターの運営についてのお尋ねです。
平成26年7月に開設を予定しております介護予防総合センターは、介護予防プログラムの開発・提供、また、講座・講習の開催、地域活動の支援や介護予防に関する情報提供のほか、区民一人ひとりに即した個別、継続的な健康のサポートを柱として、高齢者相談センターやいきいきプラザ等の関係機関との連携のもとに、区民の介護予防を体系的・効果的に推進いたします。
施設の運営にあたっては、介護予防に関する各分野の専門職員を配置し、運動機能や口腔機能、栄養状態の改善や認知症予防など、区民の介護予防のさまざまなニーズに広く対応してまいります。また、地域の介護予防ボランティアや自主活動グループの活動を支援し、関係機関も含めたネットワークを構築するなど、介護予防を通じた地域の活性化にも取り組んでまいります。
次に、障害者計画の策定についてのお尋ねです。
区では、次期港区障害者計画及び第4期港区障害福祉計画の策定に向けて、本年11月に難病患者や障害者手帳をお持ちの方など、区内にお住まいの全ての障害者を対象に、港区保健福祉基礎調査を実施いたします。この調査では、今後、区が取り組むべき課題として、災害対策の強化、障害者等に対する権利擁護の推進、医療的ケアの必要な障害者等への支援策の推進、地域移行計画の推進、総合的な療育支援体制の整備・拡充を図るために必要な障害者の生活実態や障害福祉サービスに対する要望などをお尋ねする予定です。
また、本年9月27日に閣議決定された国の障害者基本計画に基づき、地域社会における共生等の実現についても、調査によりお伺いした皆さんのご意見を踏まえ、港区障害者計画に着実に反映させてまいります。今後も全ての区民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指してまいります。
次に、障害者への理解促進の取り組みについてのお尋ねです。
区が障害者施策の充実、とりわけグループホームなどの整備を進めていく上で、地域の方々の障害者への理解は欠かせないものであると考えております。区では、これまでも広報みなとやホームページを活用し、障害に関する情報を広く区民にお知らせするとともに、一般の方も参加できる障害児・者を支援している人への研修や、区民向けの発達障害や高次脳機能障害などに関する定期的な講演会を開催し、区民の皆さんに働きかけてまいりました。
今年度は、12月3日から9日までの障害者週間を含みます12月、1カ月間を心のバリアフリー推進月間と位置づけ、さまざまな啓発事業を進めてまいります。現在、啓発映像を制作中で、ケーブルテレビで放映するとともに、「ちぃばす」内のモニターでも周知をしてまいります。区民の皆さんが障害の有無にかかわらず、地域の中で交流を図り、ともに支え合いながら暮らすことができる社会になるよう、今後も障害者への理解を促進する取り組みを積極的に行ってまいります。
次に、保育園の待機児童対策についてのお尋ねです。
これまでも待機児童解消に努めてまいりましたが、9月1日現在の待機児童数は238名となっております。区では、こうした状況を踏まえ、平成26年4月に向けて、1,363名の保育定員の拡大を図ります。このことにより、待機児童の解消に向けて大きく前進するものと考えております。また、パートタイム勤務や育児短時間勤務の方などの保育需要に対応する、みなと保育サポート事業につきましては、現在、実施している白金及び港南四丁目に加え、平成26年4月から旧飯倉小学校校舎で実施するほか、旧国立保健医療科学院や赤坂九丁目で実施する予定です。今後とも、地域や年齢などによる保育需要を的確に把握し、さまざまな手法を組み合わせ、早期の待機児童の解消に向け取り組んでまいります。
次に、学童保育の待機児童対策についてのお尋ねです。
学童クラブについては、児童福祉法改正により対象年齢が拡大されたことや、就学する児童も増加傾向にあることもあり、学童クラブに対する需要の増加は見込まれます。区といたしましては、まずは的確なニーズの把握が必要と考えており、平成27年から5年間の子ども・子育て支援事業計画の策定のために実施するニーズ調査の結果を踏まえ、各地域における需要を見極め、新たな需要にも応えられるよう体制整備に努めてまいります。
最後に、学童クラブにおける民間活力の積極的な活用についてのお尋ねです。
区では、学童クラブの需要に応えるため、本年4月に旧飯倉小学校を活用した東麻布緊急暫定学童クラブを開設するなど、学童クラブの拡充に努めておりますが、今後、学童クラブに対する需要の増加が見込まれます。区といたしましては、今後、ニーズ調査等により需要を的確に捉え、区有施設の活用に限らず、私立学童クラブの誘致など、民間活力の活用も視野に入れながら検討してまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。
◯教育長(小池眞喜夫君) ただいまの自民党議員団を代表しての土屋準委員の総括質問に、順次お答えいたします。
最初に、教育についてのお尋ねです。
まず、幼稚園の定員についてです。教育委員会では、幼稚園の入園希望に応えるため、幼児教育の充実と3歳児を含む幼稚園定員の増に取り組んでおります。近年の幼児人口の急増を受け、本年4月に設置した港区幼稚園教育振興検討会において、今後の幼稚園就園希望幼児数を推計した結果、現在の公私立幼稚園全体の受け入れ体制のままでは、平成27年度以降、4・5歳児についても幼稚園の受け入れ定員が不足することが予測されております。
これを受け、教育委員会では、平成26年1月をめどに幼稚園教育振興方針を策定いたします。この中で、区立幼稚園の4・5歳児クラスの定員増や、園舎の改修・改築の際のクラス数の増のほか、私立幼稚園がより多くの区民を受け入れるための支援等についても検討し、公私立幼稚園全体で4・5歳児の幼稚園の受け入れを進めてまいります。
次に、港区教育振興プランについてのお尋ねです。
グローバル化の進展や社会の急激な変化に対応するためには、将来の港区のあるべき姿を描きつつ、その実現に必要な施策を体系的に整理する必要があると考えております。港区教育振興プランは、平成18年6月に教育施策の総合計画として策定し、現計画で第3次となり、平成26年に改定する予定です。港区教育振興プランの改定にあたっては、中・長期を見据えた今後の港区の目指す教育を、学校教育を基本に、新たに「港区教育ビジョン」としてお示しし、目標の実現に向けて具体的な計画を策定するとともに、教育行政全般の計画体系の整理を検討してまいります。あわせて、図書館基本計画やスポーツ推進計画等、教育行政に係る各種計画につきましても、それぞれの計画の進捗状況及び社会情勢等を踏まえた見直しの必要性を検討してまいります。
最後に、生涯学習の充実についてのお尋ねです。
平成12年3月に生涯学習推進計画を策定してから、インターネットの普及や指定管理者制度の導入、超高齢社会の到来、子育て世帯の増加など、区民の学習環境を取り巻く状況は大きく変化しております。今後、時代に即応した区民の多様な学習活動を総合的に支援するため、生涯学習推進計画の改定に取り組みます。その中で、区民一人ひとりが生涯を通じて、いつでも、誰でも、どこでも、いつからでも、自分に適した手段や方法で自主的、主体的に生き生きと学び、活動できる生涯学習の機会の拡充に努めてまいります。
学習資源としての区内大学との連携や高度情報化社会に即したインターネットの活用につきましても、区民の多岐にわたる学習意欲に対応する手法として、さらなる充実に努めてまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
◯委員(土屋 準君) ぜひよろしくお願いいたします。
以上で総括質問を終わります。
◯委員長(風見利男君) 自民党議員団の総括質問は終わりました。