土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成24年度決算特別委員会(第2日目) 開催日:2013.10.01

◯委員(土屋 準君)  歳入におきましては、国の税制改正の区財政への影響についてお伺いしたいと思います。
 初めに、社会保障の財源と地方消費税についてであります。本日、安倍総理は、予定どおりの消費税の引き上げを表明しまして、来年4月から消費税が8%に引き上げられるということになりました。この引き上げ分は社会保障費に充てられるということでありますので、少子高齢社会を迎えまして、注目される財源となっております。
 ここで消費税分の税収の配分を見てみますと、総務省の資料によりますと、現行5%のうち国の消費税が4%、地方消費税が1%となっております。国の消費税の中には交付税分がありますので、本来、地方分はその分が加算されるのですけれども、特別区にとっては、東京都が不交付団体なので、この分は当てはまりませんので、これは地方消費税の分ということになります。
 さらに、この地方消費税の配分を見てみますと、都道府県分が2分の1、市町村分が2分の1となっておりまして、どちらも一般財源となっております。そこで、この市町村分の配分を見てみますと、この案分は人口と従業員数で1対1で案分するというようになっております。港区は従業員数が都内で一番多い自治体でありますので、全額人口により案分するということよりも税収増になるということになるかと思います。ところが今度は、引き上げ分の配分を見てみますと、消費税が8%になれば地方消費税は1.7%、つまり0.7%が引き上げ分になります。この引き上げ分も2分の1が都道府県、2分の1が市町村という配分をされますけれども、今度はこれは社会保障財源と位置づけられますので、この市町村の案分は全額人口により案分されるとされております。そうしますと、これは引き上げ分も、これまでの方式による場合と比較しまして港区にとっては税収減になるのではないかと思われますけれども、どのように捉えていますでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  社会保障の財源と地方消費税についてお答え申し上げます。
 現行の消費税率5%は、国税である消費税4%と地方消費税1%からということで、今ご指摘のとおりでございます。この1%の地方消費税は2分の1が都、残りの2分の1が特別区に配分され、これが一般財源であることから、昼間人口を想定としまして、人口割と従業員割を半々で案分し、各区に地方消費税交付金として交付されている仕組みでございます。港区は昼間人口が多いため、人口割と従業員割による案分は、人口割のみでの案分に比べ額が大きくなってございます。
 言われております消費税率の引き上げに際しては、消費税率を8%といたしますと、この内訳は、国税である消費税が6.3%、地方消費税が1.7%となります。地方消費税のうち従前からの1%については、配分・案分方法は変わらずそのままでございますが、引き上げ分0.7%につきましては、2分の1が都に、残りの2分の1が特別区に配分され、さらにその案分につきましては、この財源は確かに一般財源ではございますが、使途が制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費、その他社会保障施策に要する経費に充てるものとされてございます。これらの事業規模は住民登録人口に比例しているものと考えられることから、全額が人口割で区に案分されることとなりますが、その性質上、やむを得ないものと考えております。

◯委員(土屋 準君)  一方、社会保障施策に関しましては、例えば子ども・子育て支援新制度が、消費税引き上げによる増収分を財源として確保し、消費税引き上げの時期を踏まえて早ければ平成27年度をめどに本格実施されるということですので、早く実施されると思いますけれども、港区にとっては他区と比べて税収の増収分が少なくなる仕組みでありましても、ほかの自治体と同様、あるいはそれ以上に対応していかなければならないと思いますが、このような変化を踏まえまして、今後どういった財政運営をしていく考えでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  今後のいかなる社会経済情勢等の変化にも柔軟に対応し、港区ならではの施策を将来にわたり安定的に推進していくため、最小の経費で最大の効果の基本原則を踏まえ、後年度負担にも十分に配慮しながら、人件費の圧縮や経常経費の節減など、不断の内部努力を徹底してまいります。
 なお、今後の財政運営につきましては、平成26年度予算編成において、地域の活力と魅力を高めるための取り組み、高齢者や障害者など誰もが安心して暮らせるための取り組み、子どもの笑顔があふれる健やかな成長に向けた取り組みの三つを重点施策として挙げておりまして、区民生活の実情等を的確に把握した上で、より効果的で有効な社会保障施策に反映させてまいります。

◯委員(土屋 準君)  よろしくお願いいたします。
 次に、特別区たばこ税についてお伺いいたします。
 地方税法の改正によりまして、ことしの4月からたばこ税の税率が変わりました。たばこ税の総額は変わらないのですけれども、都道府県と市区町村の間で配分が変わったということでございます。これは、企業の国際競争力強化等の観点から法人実効税率の引き下げと課税ベースの拡大措置が実施されたということに伴いまして、都道府県の税収が増えて市町村の税収が減るということになりますので、地方の税収に極力影響を与えないよう、都道府県と市町村の増減収を調整するために、都道府県のたばこ税の一部を市町村たばこ税に委譲することによるものということでございます。
 ここで特別区の場合を見てみますと、もともと法人住民税は、都区財政調整制度によりまして、その原資として東京都が徴収しています。ところが、港区は普通交付金の不交付団体でありますので、実質的に法人住民税は減収にならないけれども、たばこ税は増収になるということになるのではないかと思います。そうしますと、先ほどの地方消費税の場合とは逆に、港区にとっては税収増になると考えられますが、これはどのように捉え、また今年度はどの程度の違いがありますでしょうか。

◯財政課長(佐藤博史君)  特別区たばこ税につきまして、たばこ税の税源移譲につきましては、ご指摘のとおり、平成23年度の税制改正におきまして、企業の国際競争力強化等の観点から、法人実効税率の引き下げと課税ベースの拡大措置が実施されることに伴い、地方税収に極力影響を与えないよう、都道府県と区市町村の増減収を調整するために、平成25年度から道府県たばこ税の一部を市町村たばこ税に委譲することとなったものでございます。これにより、平成25年度から東京都の道府県たばこ税は1,000本当たり300円程度の引き下げとなりまして、あわせて特別区たばこ税は1,000本当たり300円程度が東京都からの移譲分として引き上げとなりました。この結果、本年度予算では、特別区たばこ税収入は前年度より11億円多い63億円余を予算額としております。

◯委員(土屋 準君)  税制改正で一旦は増収になると思いますけれども、売上本数が減り続けていますと、減収傾向になるのではないかと思われます。健康志向や、あるいは景気動向の影響も受けると思いますけれども、今後の見通しはどのように考えていますでしょうか。

◯税務課長(若井世台子君)  たばこの売り渡し本数については平成17年度以降減少が続いていますが、平成22年度をピークに減少幅が少なくなっており、平成25年度はほぼ前年と同数の売り渡し本数で推移しております。区の景気動向、また喫煙に関する区民の意識の変化など、不確定な要素もありますが、特別区たばこ税については、今後も堅実な収納が見込めるものと考えております。

◯委員(土屋 準君)  たばこ税は区民税に次ぐ特別区税でありますので、今後も注視していきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(風見利男君)  土屋委員の発言は終わりました。

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