◯委員(土屋 準君) それでは最初に、都区財政調整の現状と、都心区特有の事情の反映についてお伺いします。先月、平成24年度の都区財政調整の区別算定結果というのが発表されましたけれども、それによりますと、普通交付金が唯一の不交付団体であります港区は、これで10年連続で不交付となったわけであります。不交付団体である間は、多少、基準財政需要額の算定方法を改定したとしても算定には影響ないかもしれません。しかしながら、景気の影響による区税収入は一般的に所得階層が高い区が影響を受けやすいとされております。港区は特別区民税収が前年度比で20億円以上も減となっております。その結果、基準財政収入額は17億4,000万円の減ということで、超過額は前年度の約157億円から約144億円に圧縮したということでございます。こうした中でありますと、港区にとっては都心区特有の事情を算定方法に反映させていくことは今後のためには必要ではないかと思われます。
話は変わりますけれども、現在、消費税5%でありますけれども、その中の地方消費税分1%というのは、各市区町村に配分される場合には、これが全部人口に基づく配分方法となりますと、港区などの都心区にとっては大きな違いが出てくると思われますけれども、現在は人口に基づく分と従業員数に基づく分が半分ずつになっております。これも一種の都心区特有の事情の反映であると言えるのではないかと思います。
そこで、話は戻りまして、この都区財政調整におけます都心区特有の事情の反映については改善が図られていますでしょうか。
◯財政課長(佐藤博史君) 港区はこれまでも都区財政調整協議の中で、近隣の都心区でございます千代田区、中央区、新宿区とともに、昼間人口や企業の集中など、都心区特有の需要をより的確に反映するよう主張してまいりました。現在、都心区特有の行政需要の対応の1つとして、災害対策費、図書館管理運営経費、生涯学習施設の大規模改修経費及びその他行政費の算定において調整がなされておりますが、いまだ十分な内容であるとは考えておりません。今年度においても、昼間人口比率による態容補正の対象事業の公園費などへの充実や、事業のための用地取得に多額の経費がかかることから、土地の価格差を補正する地価係数の見直しなどを提案してございます。今後も近隣区と連携し、都心区ならではの行政需要をより反映した算定となるよう、都区財政調整協議の中で粘り強く改善を求めてまいります。
◯委員(土屋 準君) ありがとうございます。特別区制度の特質からしますと、23区一律の設定というものがいろいろな点で多いのではないかと思いますけれども、その中で、例えば、道路占用料などは、以前は23区一律の料金設定をしていたということですけれども、平成18年から23区一律の設定から離脱して、固定資産税評価額に見合った占用料になるように独自の料金設定をしていると聞いております。このように、23区一律の設定から、できるものは港区の実情に見合った独自の設定に変えていくという観点を持って、さまざまな設定を見直していっていただきたいと思います。
次に、歳入と歳出の関連性についてでありますけれども、制度的にはどのような項目の歳入でも、一般財源として扱われれば、それがどの歳出に結びつくということではないと思います。しかしながら、先ほどの道路占用料などは23区一律の設定から独自の設定をするようになっていて、いわば自主財源と言えると思います。また、たばこ税収入というのがありますけれども、これは都内の自治体では最も多い収入となっています。
このような現状から見ますと、例えば、全額というわけではありませんけれども、道路占用料は道路整備などにですとか、たばこ税は安全な喫煙環境の整備にですとか、そういった歳入の項目ごとの状況に応じた歳出事業に使うべきではないかという考え方もできますけれども、どのようにお考えでしょうか。
◯財政課長(佐藤博史君) 道路占用料は、道路占用者が道路を利用することで受ける利益を徴収するとの考えと、道路の施設管理が税負担で行われており、特定者へ道路占用を許可した結果による施設管理費の増加に対し、費用の一部を徴収して公平を図るとの考えの2つの柱を、独自占用料への改定の基本的考え方としております。
そして、23区一律の道路占用料では港区の実勢道路価格に合わないこと、大都市東京を構成する道路管理者の一体性の観点の継続が困難な状況にあることなどから、独自の方式を採用しています。
また、たばこの売り上げに応じ収入が変動するたばこ税におきましては、決算数値では港区は都内で最もたばこ税収入の多い自治体となっております。そうした歳入の項目に応じた歳出事業といたしましては、道路維持費として9億6,700万円、道路新設改良費として6億8,000万円をはじめ、橋梁や私道の整備に至るまで、安全で安心な整備に努めております。
また、各地区におけるみなとタバコルール推進などが当たりますが、多様な主体との協働による環境美化の推進といたしまして2億1,200万円など、予算執行しているものでございます。今後とも、歳入面における港区の特徴を意識しながら、貴重な財源を重点施策などに的確に振り向け、港区ならではの質の高いサービスを安定的に提供してまいります。
◯委員(土屋 準君) よろしくお願いいたします。最後に、財政調整基金残高についてですけれども、財政調整基金の取り崩しと確保の状況についてお伺いします。区では、財政調整基金残高を標準財政規模の40%程度確保するという方針を出していますけれども、平成23年度決算では平成9年度以来14年ぶりの財政調整基金の取り崩しを行っております。そこで、現在は財政調整基金の確保の状況はどのようなものになっているでしょうか。
◯財政課長(佐藤博史君) 財政調整基金は、大幅な税収増があった場合などに積み立て、経済事情の著しい変動等によって財源が著しく不足する場合などに取り崩すことによって年度間の財源を調整し、長期的視点から財政の健全な運営を図ることを目的とするものでございます。平成24年1月に策定した港区財政運営方針において、後期基本計画の最終年度となる平成26年度末には、財政調整基金残高を標準財政規模の40%程度確保することとしております。区におきましては、平成22年度において特別区民税収入が72億円の減収、また、平成23年度も引き続き減収が見込まれたことから、区民サービスの水準を維持するために平成9年度以来14年ぶりに財政調整基金を19億6,356万円取り崩したものでございます。
その結果、平成23年度末の財政調整基金残高は552億円となりましたが、こちらは標準財政規模767億6,862万円に対しまして71.9%の残高を確保している状態にございます。今後も中・長期的な視点に立った財政運営を行うため計画的に活用してまいります。
◯委員(土屋 準君) ぜひよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
◯委員長(樋渡紀和子君) 土屋委員の発言は終わりました。