◯委員(土屋 準君) ただいまの小中一貫教育についての質問に続きまして、私の場合は中高一貫教育についての質問でございます。
これまでも議論はあったことと思いますけれども、港区では区立小学校の卒業生の4割以上が私立中学校ですとか、国立中学校、あるいはインターナショナルスクール、そのようなところに進学しているという状況がございます。いろいろな要因はあると思いますけれども、一つには、高校受験のない中高一貫教育を選択したいという保護者のニーズがあるというふうにも聞いております。
中高一貫校と一口に言いましてもいろいろなタイプがありまして、まずは中学校の課程と高等学校の課程を統合した一体の学校である中等教育学校、それから同じ設置者が中学校と高等学校を設置して接続するという併設型、それから設置者が異なる中学校と高等学校が連携して教育を行う連携型などがありますけれども、いずれにしても、対象となる都立高校がなければならないというのがあるかと思います。それが港区内となりますとなかなか限られてきますけれども、隣接地まで行きますと、青山高校や日比谷高校などもございます。連携型でしたら、他区のものでもいいのではないかと思いますので、いろいろな検討の対象にはなるかと思います。
そこで、まずお聞きしたいのですけれども、そのような中高一貫教育にならなくても、これまで何らかの形で都立高校と区立中学校が連携して取り組んでいるような事例というのは港区にございますでしょうか。
◯指導室長(平田英司君) 都立高校と区立中学校の連携の取り組みといたしましては、中学生が都立高校を訪問し、高校の授業を体験したり、あるいは夏休みに都立高校の教員を中学校に招き、中学校3年生を対象に、5日にわたり入試対策の指導をしていただいているなどの事例がございます。
◯委員(土屋 準君) それでは、次にお聞きしたいのですけれども、これも他区の事例ですけれども、これはたしか武井区長の母校だったかと思いますけれども、区立の中等教育学校を設置しているという事例がございます。来春に初の卒業生が出るという段階に来ているようですけれども、区の方では、これに対してどのように評価していますでしょうか。
◯教育政策担当課長(山本隆司君) 都内で唯一つくられた区立の中高一貫校として、千代田区立九段中等教育学校では、6年間を見通した弾力的な教育課程の編成や教科横断的な学習を重視した総合的な学習の時間の工夫など、中高一貫教育校ならではの特色ある教育が推進されております。しかし、九段中等教育学校の教育の成果や課題の検証につきましては、所管する千代田区教育委員会自体もまだ途中の段階であり、教育委員会の教育事務の管理及び執行状況の点検・評価を行う有識者からは、さまざまな視点から長期的な展望で調査し、教育的効果をデータ化することを要望すると指摘されております。今後も、九段中等教育学校の情報に注視してまいります。
◯委員(土屋 準君) それでは、港区において、これまで区が取り組む中高一貫教育について、どのような検討をされてきましたでしょうか。そして、今後の方向性について、どのように考えていますでしょうか。
◯教育政策担当課長(山本隆司君) 平成23年7月、中央教育審議会初等中等教育分科会から中高一貫教育制度に関する主な意見等の整理が報告されてございます。成果として、個性や創造性を伸ばすことに一定の成果がある、中高の6年間で深い人間関係が形成されるなどが挙げられております。その反面、課題として、受験エリート校化や受験競争の低年齢化への懸念、中だるみと言われる学習意欲の低下、教職員の負担の増加などが挙げられております。また、中高一貫教育校では、募集定員の半数は港区外の生徒も対象としなければならないなどの課題もございます。中高一貫教育制度につきましては、今後も注視してまいります。
◯委員(土屋 準君) どうもありがとうございました。まだまだ検討課題が多いかと思いますけれども、中等教育も大事な時期の教育でございますので、いろいろな観点から検討していっていただきたいと思っております。
以上で質問を終わります。
◯委員長(古川伸一君) 土屋委員の発言は終わりました。