土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成22年度決算特別委員会(第2日目) 開催日:2011.09.27

◯委員(土屋 準君)  自民党議員団の土屋準でございます。本日が全体の場での初めての質問となりますけれども、諸先輩方のご指導を仰ぎながら臨んでまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日は、都区財政調整制度と特別区の税財政改革の取り組みについてお伺いしたいと思います。まず、都区財政調整における特別交付金についてでありますけれども、先日、行財政等対策特別委員会がございまして、その場で平成23年度都区財政調整区別算定結果というものが報告されました。それによりますと、渋谷区は交付団体になりましたので、港区が今年度では唯一の不交付団体になっております。その結果、港区は平成15年度以降、9年連続不交付となっている現状でございます。
 一方、特別交付金の方は、港区は、平成22年度決算では23億624万7,000円が交付されております。都区財政調整制度全体の中では、普通交付金が95%に対して特別交付金は5%ということで、そう大きい割合ではないのですけれども、しかしながら、普通交付金がない港区の現状の中では、区財政にとってこの特別交付金が幾ら交付されるかは非常に重要なことではないかと思っております。特に今年度は東日本大震災がありましたけれども、その被災地支援経費の財源などについては特別区においては十分な財源措置がなされない可能性があるとも聞いております。特別交付金の割合は、過去に何回か変更されたということでございますけれども、直近では平成19年度の都区財政調整協議において、この特別交付金の割合をその前は2%だったわけですけれども、それを5%に変更するということがございました。その特別交付金の割合がふえるということは、その財源枠が拡大するわけですから、内容にもよりますけれども、各区にとっては配分がかなりふえることになると思います。このことは普通交付金が不交付の港区にとっては簡単には言えないかもしれませんけれども、歓迎すべきことではないかと思っております。
 ところが、この平成23年度都区財政調整協議によって、特別区側は、特別交付金の割合を5%から2%に引き下げることを提案しているわけです。結果としてこれは協議が整わなかったわけで5%のままなのですけれども、そもそも港区にとっては貴重である特別交付金の割合をこのように見直すという提案をされたわけですけれども、それはどのような理由で行われたのか、改めて教えていただきたいと思います。

◯財政課長(青木康平君)  平成23年度の都区財政調整協議におきまして、大きく分けて3点あります。特別交付金は、内容が明確な補助金と比べると、その不透明さがまだあることが1点です。2点目は、特別交付金の算定が非常に大くくりで具体的な算定内容がわかりづらく、透明性、あるいは公平性の観点から是正が必要であるという点が2点目です。3点目としまして、これは財政調整制度全体に言えることですけれども、基本的に各区の需要をできる限り普通交付金の算定に移行しまして、普通交付金対象事業の充実に努めて財源確保をすることが優先されるべきであるという理由から、特別交付金の割合を2%を基本に見直すという提案を、平成22年11月22日の第2回都区財政調整協議会におきまして、特別区として東京都に提案をしたところでございます。

◯委員(土屋 準君)  23区の中での港区の立場ということになりますと、どうしてもこの件ですと22対1ということになってしまうかもしれませんけれども、ぜひ、この特別区のいろいろな協議の場では、今後、港区の立場を主張していっていただきたいと思っております。
 次にもう一点ですけれども、税財政改革等における都心区の取り組みについてお伺いしたいと思います。先ほどは23区全体の話でしたけれども、都心区である程度共通の傾向があるのではないかということでの質問でございます。各区の社会的・経済的・地理的条件というのはそれぞれ異なるのはもちろんですけれども、その中でも都心区というのはさまざまな共通する特徴を持っているのではないかと思っております。今回そこで取り上げたいのは、1つは昼間人口でございます。都心区においては、他区にはない昼間人口への対応が必然的に求められております。少なからずそのための経費に税金が使われているということでございます。
 一方、都区財政調整制度におきましては、基準財政需要の算定には夜間人口の数値をもとにしているということでございます。昼間人口の要素は副次的に反映されていて、既に昼間人口対策としては災害対策費ですとか諸所管管理費、あるいはその他の行政経費においてなされているということでありますけれども、まだまだ十分とは言えないのではないかと思っております。各区の事情が違う中で難しいとも思われますけれども、港区としてこの昼間人口対策について、例えば都心区全体で声を上げることが必要ではないかと思っています。過去においても、固定資産税ですとか相続税の負担軽減、そのようなものに関しまして、都心区が協調して取り組んだことがございました。私も秘書時代、国へいろいろ要望に行ったり、対応させていただいたこともございました。
 そのようなことで、都心区で協調することが必要ではないかと思うのですけれども、これから平成24年度都区財政調整協議が始まることと思いますけれども、声を上げなければ始まらないことでございますので、少しでもこの都心区の要望が税財政改革に反映されますように、ほかの都心区とも協調して努力してもらいたいと思っています。
 そこで、今回お聞きしたいのですけれども、この都区財政調整協議におきまして、この昼間人口対策についてどのような姿勢で取り組みを進めていくのか、お伺いしたいと思います。

◯財政課長(青木康平君)  港区はこれまでも東京都に対しまして、同じ都心区であります千代田区、中央区、新宿区とともに、都心区特有の需要としまして、昼間人口による行政需要が高いということから、その算定の充実を的確に反映するように主張してまいりました。現在、特別区財政課長会におきまして、平成24年度の都区財政調整協議に向けた区側提案事項の取りまとめ作業を行っているところでございます。千代田区、中央区、新宿区、そして港区の都心4区は、既に公園や社会体育施設などの利用が昼間人口により非常にふえていることから、公園費、あるいは社会体育施設管理費など昼間人口比率による補正対象事業の追加を提案しております。今後も都心区特有の需要がより一層財政調整の算定に反映されるように粘り強く主張してまいりたいと思っております。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。23区の中でこの港区の立場は特殊なところもありますけれども、ぜひ、比較的似たような環境にあります都心区とも協調して、いろいろな税財政改革に港区の主張をしていっていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

◯委員長(古川伸一君)  土屋委員の発言は終わりました。
 これにて一般会計歳入の質疑は終了しました。


◯委員(土屋 準君)  先日、みなとタウンフォーラム及び各地区区民参画組織の提言式がございました。これは、これまでの地域の現状や課題などを熱心に論議、検討してきた成果であると思っております。区民が区政に対して意見を述べる、または、附属機関等の委員などとして区政に参画することは地方自治においては重要なことであると思っております。区側としても区民の意見を的確に把握することは、円滑な区政運営を図る上で必要なことであると思っております。
 ところが、「では意見を募集します、どうぞ」と言いますと、どうしても区に対してものを申したり、あるいは不平・不満をぶつけたりなどの意見も多く出てくるのではないかという不安もあります。そこには、いわゆる声の大きい人の意見ばかりが取り上げられてしまって、いわゆる、サイレントマジョリティの声が反映されないのではないかという心配もございます。
 さらに考えますと、例えば、特定の利益あるいは特定の政策実現を求めるグループなどが大量に同様な意見を寄せる、あるいは公募委員などに大量に応募するなどといったことで、利益誘導あるいは政策決定の誘導を行うという事態も考えられるわけでございます。
 区民意見募集や区民参加に関しましては、そのような問題も考えられるということを、そういった対応を考えて取り組んでいかなければならないのではないかと思っております。
 そこで、まず、この中で意見の面についてお伺いします。
 まず、この広聴についてですけれども、区民から広聴担当に寄せられる区民の声は主にどのような種類のものがどのくらいあって、どのような傾向があるのでしょうか。
 よろしくお願いします。

◯区長室長(波多野 隆君)  区の広聴事業では、幅広く区民の皆様からご意見、ご要望をお聞きし、区政に反映していくため、来訪、電話、ファクシミリ、広聴はがき、区長への手紙、広聴メール等による個別広聴、区長と区政を語る会、施設広聴会などの集団広聴、世論調査、区政モニターなどの調査広聴といったさまざまな取り組みを行っております。
 件数として最も多いのが個別広聴ですが、平成22年度における手法別件数では広聴メールが662件と最も多く、近年増加傾向にあります。次に、電話172件、陳情82件、来訪76件、広聴はがき73件、区長への手紙59件、その他といった状況になっており、合計で1,521件となっております。
 また、内容といたしましては、たばこ・路上喫煙に関するものが143件、区職員の対応に関するものが140件、東日本大震災に関するものが111件、建築工事等相隣に関するものが72件、「ちぃばす」に関するもの60件が上位5位となってございます。

◯委員(土屋 準君)  いろいろな種類の中で、たばこの問題が一番多いということでありますけれども、これはまた清掃環境費で関連してくるかと思います。職員の対応については、いろいろあるかと思いますけれども、改善できるところは改善していっていただきたいと思っております。
 こういった制度なのですけれども、国政におきましては衆議院の決算行政監視委員会、参議院の行政監視委員会、あるいは総務省の行政評価局といったところで、国民からの行政に関する苦情を受け付けております。
 例えば、衆議院の決算行政監視委員会では、分類として行政制度・施策の改善、あるいは具体的不利益の救済及び不正等に関する苦情を本苦情、裁判中のものや具体性がない意見等で参考的な扱いをする参考苦情、参考苦情に該当しないその他に分類しまして、本苦情を委員会で取り上げて、官公署に対して照会、事情説明、聴取等の調査を行い、委員会に報告しているというような段取りがございます。
 実際、その報告書の内容を見ますと、分類で言うと、このほとんどがその他の分類になっておりまして、いわゆる国に対する不平・不満ですとか、そういったものが多く見受けられまして、たまに参考苦情があって、本苦情が余りないという状況でございます。それでも、本苦情をこのような流れで処理しておりますけれども、そこで、区では寄せられたこういった意見や声はどのように処理されて、また公表されていますでしょうか。

◯区長室長(波多野 隆君)  寄せられました区民の声は、各総合支所管理課及び企画経営部区長室が担当部門として受け付け、速やかに区長に報告の上、ご意見等の内容に応じた担当課が適切に処理することとなっております。その際、回答が必要な場合には、内容に応じて適切な方法で回答するとともに、対応結果について広聴部門に報告いたします。また、内容が複数課にわたる場合には、担当課が相互に連携し、調整の上、対応いたします。
 寄せられました区民の声の公表につきましては、お寄せいただいたご意見等の中から、個人情報等に支障のないものについて、広報みなと及び区のホームページ上で、回答内容とともに適宜公表しております。

◯委員(土屋 準君)  ありがとございます。よく、区民からも区に苦情を言ったけれども、反応がどうかわからないという声もありますので、ぜひ適切な処理をしていただきたいと思っております。
 次に、区政モニター制度がござますけれども、これもまた区民の声を把握するのに重要なものであると思いますけれども、この区政モニター制度の内容と実績についてはどのようなものになっていますでしょうか。

◯区長室長(波多野 隆君)  区政モニター事業は、区の広聴事業の一環として行うもので、一定数の区民の方に区政モニターとして継続的に区政に対するご意見、ご提案をいただき、区政運営に生かしていくことを目的とした事業でございます。区政モニターの皆さんは、広報紙への掲載や無作為に抽出した区民の方への案内を送付することにより公募を行い、性別・年代・地域のバランスを考慮して選定をしており、任期は1年間となっております。
 平成22年度の実績でございますが、20名の区政モニターの皆さんを対象に、区政モニター会議を2回、施設見学会を3回実施いたしました。区政モニターアンケートについても3回ご協力いただきました。活動期間中は、区政モニターの方々が日ごろの生活の中で感じた区政に対するご意見、ご提案等を随時お寄せいただきまして、区政モニター会議を開催する中で、お寄せいただいた23件のご意見、ご提案について、区と意見交換しながら、区の現状や考え方をお示ししております。

◯委員(土屋 準君)  それでは、この区政モニターの果たす役割についてはどのように考えられていますでしょうか。

◯区長室長(波多野 隆君)  区政モニターの方々には、会議や施設見学会に参加する中でご意見をいただいたり、日ごろの生活の中で感じた区政に対するご意見やご提案を随時お寄せいただいており、区政運営を行う上での重要な役割を担っていただいております。本年5月には、区政モニター会議を開催し、東日本大震災を経験して感じたことという内容でそれぞれのお住まいの地域はどのような状況であったのか、不安に思ったことなどを中心に貴重なご意見をいただきました。
 今後も区民の声を迅速に区政に反映していくため、港区にふさわしい効果的な区政モニター事業の充実に取り組んでまいります。

◯委員(土屋 準君)  どうもありがとうございます。
 今度は、もう一方の面の人的な参加についてお伺いしたいと思います。附属機関の人選についてでございますけれども、審議会等の区の附属機関は、いわゆる学識経験者や公募委員といったもので構成されていると思いますけれども、そのうち公募委員の占める状況はどのようになっているのでしょうか。

◯参事(総務課長事務取扱)(北本 治君)  平成23年4月1日現在、総務課で把握している審議会などの、条例、要綱等で設置されている附属機関等の数は全体で62となっております。そのうち、区民を公募委員としているのは19ありますけれども、人数についてはその審議会等の規模によってさまざまでありまして、1名のところから多いところでは9名の区民の方が構成員となっております。

◯委員(土屋 準君)  それでは、その公募委員の人選の方法、あるいは人選の基準について、お聞きしたいのですけれども、例えば、区の職員でしたら採用試験がありまして、それにより専門能力などをお伺いして選抜するということがあります。また、議員でしたら選挙で選出されているという基準があります。
 ところが、この公募委員の場合、どのような基準で選ばれているのか、なかなかわかりにくいところがありますけれども、例えば志望動機などを書かせて適用性を見るのか、あるいは地域・性別・年齢といったものを勘案しているのか、あるいは先ほどの懸念がありますけれども、同じ人が区のさまざまな審議会などで委員になっているというような状況があった場合に、それを把握しているのかなどについて、お聞きしたいと思います。

◯参事(総務課長事務取扱)(北本 治君)  人選の方法、基準についてですが、通常は広報等で公募の記事を掲載しまして、応募動機等を記した作文等を提出していただき、書類選考の上、決定いたします。加えて、その附属機関等の設置目的にもよりますが、地域分布や男女の構成比、年齢等を勘案する場合もございます。
 また、公募委員として複数の審議会等に出席している方の実態についてでございますけれども、現在のところ、把握はしてございません。

◯委員(土屋 準君)  先ほどの意見募集の懸念ともあわせて、こういった公募委員に関してもぜひ区民の声に的確に反映されますように、努めていただきたいと思っております。
 少し観点を変えまして、今度はOBの活用についてお伺いいたします。
 他区の事例ですけれども、品川区などは民生委員のOBを活用しているという事例がございます。民生委員あるいは消防団といったようなものを経験した方は、貴重な経験や知識をもっていらっしゃっております。そういった方を区の方で何らかの形で活用する方法は考えられませんでしょうか。

◯参事(総務課長事務取扱)(北本 治君)  各分野で活躍した区民の方の経験を生かし、委員としてもその力を発揮していただこうというご提案だと思いますけれども、各附属機関等のテーマもさまざまでございます。したがいまして、そのテーマに造詣が深く、かつ関心があり、積極的に発言する意欲のある方がいらっしゃるならば、区としてもその方の参加について大いに歓迎するところでございます。
 これまでも、経験を生かすといった視点も持って人選を行っていると考えておりますが、今後も各分野のOBの活用につきましては、注意を払ってまいりたいと考えております。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。ぜひ、そのようないろいろな観点での活用を考えていただきたいと思っております。
 次のテーマに移りますけれども、港区政策創造研究所の現状についてでございますけれども、ことしの2月に港区政策創造研究所が発足したということでございます。まだ、できて間もないということでございますので、成果と言いますか、内容は進んでいないかもしれませんけれども、現在、どのような研究、活動をしているのでしょうか。

◯企画課長(新宮弘章君)  平成23年2月に設置いたしました港区政策創造研究所では、区が直面する課題に迅速に対応するために、区内で何が起きているのかを的確にとらえ、区民生活への影響を分析し、将来顕在化する課題を予測することで、先見性のある政策を創造していくことが重要であることから、情報活用機能、分析・予測機能、政策研究・形成機能、人材育成機能の4つの機能を持ち、研究活動を行っております。
 政策研究としては、これからの区の保健福祉施策を検討するための基礎資料を得ることを目的に、ひとり暮らし高齢者の生活実態を把握するため、ひとり暮らし高齢者の社会調査を行っております。本調査研究は、本年6月に1次調査として、区内のひとり暮らし高齢者約5,700名全員へアンケート調査を依頼いたしました。また、9月からは2次調査として70名に対して面接調査を行っております。今後は、これらを集計し、分析作業を行ってまいります。
 また、人材育成として、庁内の若手職員を対象に、福祉や環境など、区の課題の検討や各種データ分析などを通じて、政策研究を行える人材の育成を主目的とした政策研究会を月1回行っております。

◯委員(土屋 準君)  そうしますと、そのような研究内容は、今後、公表はされるわけでしょうか。あるいは、されるとしましたならば、どのようなテーマでいつごろ公表されることになりますでしょうか。

◯企画課長(新宮弘章君)  研究テーマとしましては、ひとり暮らし高齢者の社会調査として、平成24年2月を目途に調査報告書をまとめてまいります。公表につきましては、区議会をはじめとして、区ホームページへの掲載や窓口配布などを広く区民の方々に公表してまいります。

◯委員(土屋 準君)  どうもありがとうございました。ぜひ活発な研究をしていただきたいと思っております。
 次に、指定管理者制度についてでありますけれども、この制度に関しては、ほかの方もいろいろ触れていらっしゃいますので、私からは、指定管理者が業務を代行する場合、例えば福祉施設で清掃や床屋などのサービスをする場合ですけれども、そのような業者選定はどのようなプロセスと権限で決定されるのかについて、お聞きしたいのですけれども。
 区の直営ですと、これまでのいろいろな行政の歴史の中でいろいろな工夫をしてきまして、競争入札などいろいろな制度工夫を取り入れてきたと思いますけれども、そのような場合ですと議会にも関心が届きやすいと思いますけれども、今度は、その指定管理者が先の業者の選定権を持つような場合、一体、区の管理がどうなるのかということを思っているのですが、その業者選定はどのようなプロセスと権限で決定されることになるのでしょうか。

◯区役所改革担当課長(大澤鉄也君)  指定管理者が指定管理業務の一部を委託することは、エレベーター等の保守点検など専門的な個別業務等で、区の承認を受けた場合以外は認めておりません。このことを前提にしまして、指定管理者が委託を行おうとする場合は、指定管理者が委託業者を選んだ上で、委託する業者名、期間、業務名につきまして、区の承認を得るということとしてございます。

◯委員(土屋 準君)  区の承認を得るということで、ある程度区の関与が担保されるということだと思います。そうしますと、それに関して、区は、例えば地域振興を目的とするということなどで、地元の業者や地元の人などを優先的に採用するといったような条件をつけることはできますでしょうか。

◯区役所改革担当課長(大澤鉄也君)  指定管理者が委託先を選定する際に、区が条件を付すことにつきましては、区が定める指針等といたしまして、港区物品買入れ等契約指名競争入札参加者指名基準を示しています。また、区内中小企業や区民雇用を優先し、特にシルバー人材センター、障害者支援施設や母子福祉団体を優先的に活用することも示しているところでございます。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。その観点からもぜひ区からも注意を払っていただきたいと思っております。
 次に、各関係機関との防災協力体制について、お伺いしますけれども、防災についてはいろいろな方も述べておりますけれども、民間企業やボランティア、警察署や消防署、東京都などの行政機関との協力体制について、改めまして、どのような体制になっていますか、教えていただければと思います。

◯防災課長(遠井基樹君)  警察署、消防署、東京都など、防災関係機関との協力体制につきましては、港区地域防災計画の中で、災害の予防対策、それから災害が発生した場合の応急対策について、それぞれ役割と連絡方法を定めております。
 また、災害時には連絡要員を区に派遣するよう努めることとし、実際、3月11日の東日本大震災の当日ですが、警察署、消防署の職員の方々が区の災害対策本部事務局に詰めていただいております。
 民間企業につきましては、各種団体やそれぞれの企業と災害時の支援協定を締結し、また、ボランティアにつきましては、社会福祉協議会と連携しながら、体制づくりなどについてシステム化を図るなど、事前に災害時の支援や協力を得られるよう、取り組んでおるところでございます。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。そういった中で、先の東日本大震災では自衛隊の活動が特に注目されたのではないかと思います。実際、首都直下型地震が起きますと、現実に自衛隊との連携が必要になることがあると思いますけれども、前にも同様の質問があったかと思いますけれども、その後、今回の大震災を踏まえまして、自衛隊との防災訓練あるいは協力体制の構築はどのように考えられていますでしょうか。

◯防災課長(遠井基樹君)  自衛隊につきましては、救援用の資機材や航空機などの機動力を有することから、災害時には大きな役割を果たすことができる機関と考えております。3月11日には区に連絡要員の方も見えました。また、防災リーダーの中には、これは地域の防災リーダーのことでございますけれども、東日本大震災における自衛隊の活動をごらんになりまして、自衛隊の見学を希望される方もおられます。
 このようなことから、防災リーダーを対象として実施しております区の防災学校の中で、参加者の希望を聞きながら、自衛隊の災害派遣についての見学あるいは講習、また、区との連携につきましては、通信訓練などを検討しているところです。防災訓練につきましては、区内の各地区で実施している防災訓練ですが、自助と共助ということで、地域防災力の向上を目的として、町会・自治会を主体とした防災会や地域防災協議会と各総合支所の連携によりまして、警察署や消防署などの意見を聞きながら、計画・立案をしているところです。
 こうしたことから、自衛隊との合同による総合防災訓練の実施については、訓練目的や訓練の内容を十分に考慮する必要があると考えておりまして、今後、地域の方々のご意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。ぜひ、そのような点も検討していただければと思います。
 次に、区の制服についてでございますけれども、我々区議会議員も、先日新人は防災服を与えられましたけれども、それ以外にも区の職員の中でも、管理職と一般職員とでは、種類が違う防災服を着ているということでございます。例えば、警察と消防でしたら、種類は同じで階級章等で区別しているということがありますけれども、区でも、種類は統一して、記章やワッペンなどで区別すれば経費の削減になるのではないかと、単純に思ってしまうのですけれども、区のお考えはいかがでしょうか。

◯防災課長(遠井基樹君)  防災服の種類の統一につきましては、在庫管理の側面からは利点があると考えてございます。しかしながら、反面、災害時に防災活動に従事する職員の職位、あるいは責任者であるかどうかの区別がわかりにくいというデメリットも生じてまいります。このようなことを総合的に勘案して、今後、検討してまいります。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。ぜひ、一度検討していただければと思っております。
 もう一つ、クールビスについてお伺いしたいのですけれども。そろそろクールビズの季節も終わりですので、少し季節外れなところもありますけれども、一応、他の自治体の事例も見ましたので、スーパークールビズについてお伺いしたいと思います。
 これまで、クールビズはワイシャツにノーネクタイ程度というものが多かったのですけれども、ことしは、ポロシャツですとか、もっとラフなものが出てまいりました。しかし、区などでそのようなものを採用すると見苦しいのではないかといったような意見もございます。
 そこで、ほかの自治体の例を新聞記事で見つけたのですけれども、例えば、福生市や国立市などでは、震災復興支援の一環として、統一したポロシャツに「がんばろう!日本」などのワッペンをつけたオリジナルな制服を着て、一般の住民もそれを購入できるといった事例がございます。一部は義援金に充当されているということでございます。復興支援に限ったものではございませんけれども、例えば、区でも制服のような統一したデザインにして、同様な取り組みをすれば、職員や区民にも一体感が出て、ポロシャツでも見苦しくないのではないかということもあるのではないかと思います。これは、逆に少し経費がかかることかもしれませんけれども、区のお考えはいかがでしょうか。

◯人事課長・人材育成推進担当課長兼務(浦田幹男君)  スーパークールビズの取り組みについては、区でも例年、ノーネクタイによる軽装を推奨してきておりますが、今年度は、先の東日本大震災の影響による電力供給不足を受け、使用電力抑制の取り組みの一環といたしまして、さらに一歩進めまして、ポロシャツ着用での勤務も可としてございます。
 委員ご紹介の他団体の取り組みは、クールビズと復興支援を兼ねた取り組みとして好評と、報道などにより承知をしてございます。一方で、区職員の制服につきましては、平成11年度にそれまで職員に貸与していた事務服を経費節減等の観点から廃止した経緯もございます。今後、経費、効果等の観点を含め、検討してまいりたいと思います。

◯委員(土屋 準君)  どうもありがとうございます。いろいろなプラス・マイナスあるかと思いますが、一度検討していただければと思います。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(古川伸一君)  土屋委員の発言は終わりました。

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